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豊洲市場(手前)の奥にそびえるタワマン。湾岸の埋め立て地には必ずと言っていいほど建つ=東京都江東区
【マンション業界の秘密】階数ヒエラルキーという「タワマン病」 「高さ」は成功の証し!?
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20161119/ecn1611191530001-n1.htm
2016.11.19 夕刊フジ
タワーマンション(タワマン)とは、一般的に20階以上の高層集合住宅のことだ。最近では50階以上の超高層マンションも珍しくなくなった。
タワマンのメリットは、何といっても眺望。「3日で飽きる」という人もいるが、はっきり言ってそれだけ。他にはほとんどない。
逆にデメリットは多い。カナダの医師会が発表した研究結果によると、心肺停止で病院に運び込まれた患者のうち、生きて退院できた割合は1〜2階の4・2%に対して、16階以上で0・9%、25階以上ではゼロだったという。高層階ほど救急隊員が駆け付け、搬送する時間が長くなるので生存率に影響するのだろう。
ヨーロッパの多くの国では、「子育てをする場合は高層階を避ける」ということが常識になりつつある。法律で高層住宅の建設を禁止している国さえあると聞く。
ところが日本では、タワマンが人気である。眺望以外のメリットをあえて挙げるとすれば、虚栄心であろうか。分譲マンションの場合、階数が上がるほど販売価格も高くなる。階数とともに、価格も「高いところに住んでいる」という思いが、満足感を高めている可能性がある。
近ごろは、そういったタワマンの「階数ヒエラルキー」を取り上げたテレビドラマも放映されて話題になった。
実際、タワマンの住人に話を聞くと、自分が住んでいる階と他人のそれを比較して、妙な虚栄心をやり取りすることもあるという。それが原因でノイローゼになり、部屋を売却して引っ越したという人もいるそうだ。
逆に「そういうことはまったく気にしない」という人もいる。心の持ちようなのかもしれない。
タワマンは、限られた土地で多くの床面積が得られる集合住宅。だから、本来は土地に限りがある都心にあるべき必要悪のような存在と私は考えている。
ところが、土地にゆとりがある地方都市や郊外でも建てられるようになった。開発があまり進んでいない湾岸の埋め立て地にも数多く建てられている。
特に湾岸エリアのタワマンは、地方出身のプチ成功者に人気が高いように見受けられる。東京に地盤を持たないニューカマーが、高額所得者になると、なぜか湾岸のタワマンを購入する。彼らは階数を自らの成功の証しとして意識しているので、お互いにヒエラルキーを生み出す土壌がある。
本来、都会のマンションに住むと管理組合の理事でもしない限り、住人同士のコミュニティーには関わらなくて済む。ただ、例外があるとすれば子供を通したご近所づきあい。特に幼稚園児がいる家庭は、自然にママ友グループに入ってしまうケースが多い。
ママ友たちは同じような年齢層で世帯収入も同レベルが多い。だが、ヒエラルキーを気にする気質があるので、わずかな差を見つけ出してお互いに意識し合う。部外者から見ると下らない話だが、渦中にいる人には深刻。最悪は引っ越しとなる。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンション格差」(講談社現代新書)など多数。
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