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新生銀行に組織健全度「世界最低レベル」の痛烈評価
http://diamond.jp/articles/-/106350
2016年11月1日 週刊ダイヤモンド編集部
新生銀行が揺れている。今夏に実施された社員の意識調査の結果が10月に社内で共有されたが、それがあまりに悪かったのだ。本誌は結果が記された資料を入手(写真)。かつて産業金融の名門として名をはせながら、破綻を経て今や大手行で唯一、公的資金返済が滞る新生銀行の内部で何が起きているのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)
新生銀行の組織健全度は世界最下層レベルにある──。そのことを明示する資料を本誌は入手した(写真)。
新生銀行が現状把握のために社内で実施した、組織健全度に関する調査の結果表 Photo by Takahisa Suzuki
この資料に描かれている表は、新生銀行が米コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに依頼して今夏に社内で実施した、社員の意識調査に関する結果を示している。マッキンゼーが10年超にわたって、世界中の1300を超える組織への調査で蓄積したノウハウによって確立された、「組織健全度指数」(OHI)という手法による分析結果だ。
経営陣によるマネジメントについて、経営陣自身も含めた社員全体が評価を行い、組織の「リーダーシップ」「社風」「業績・リスク管理」など全9項目を100点満点で点数化。その結果を基に、組織のパフォーマンスを示す「OHIスコア」をはじき出す。
OHIスコアと9項目の点数は、マッキンゼーの組織健全度調査のデータベースと照らし合わせて、調査対象企業のグローバルでの立ち位置を4階層で評価。階層に応じて色分けされる。最上層は青色、中上層は緑色、中下層は黄色。最下層だけは2色あり、グローバル比較指標との差が25ポイント未満であれば赤色、それ以上の開きがある場合は茶色で表示される。
表の列には左から順にOHIスコアと9項目が並び、表の行には上から順に執行役員以上、部長級、主任といった役職階層が並ぶ。役職ごとの各項目の点数と、グローバル比較による評価が分かるというのが、写真にある新生銀行の組織健全度調査の結果なのだ。
これらを踏まえて、あらためてこの調査結果を見ると、新生銀行の組織健全度における深刻さが映し出されていることが分かる。
表の下から2番目にある「新生銀行平均」の行を見てみると、全項目が赤・茶色。グローバルの最下層レベルにあることが分かる。さらに、「方向性」「業績・リスク管理」「組織スキル」「イノベーション・学習能力」「外部志向」の5項目は茶色。すなわち最下層中の最下層という評価だ。
事態の深刻さに拍車を掛けているのが、経営陣とその他の社員との間に横たわる意識の断絶だ。調査結果表の上部に目をやると、そこだけには最上層や中上層を示す青色や緑色が散見される。一方、表の中央から下部は最下層を示す赤・茶色のオンパレードだ。
つまり、役職上層の経営陣は自らのマネジメントを自画自賛する一方で、現場に近い社員からはまったく評価されていないという皮肉な状況に陥ってしまっているのだ。特に「方向性」「リーダーシップ」「社風」の3項目における、経営陣と現場との評価ギャップは埋め難いものがある。
■現状改善なければ公的資金の完済がさらに遠のく
新生銀行の前身は旧日本長期信用銀行。かつては日本の金融エリートが集まる名門だった。しかし、バブル崩壊で巨額の不良債権を抱えて1998年に経営破綻。その処理では兆円単位もの巨額の国民負担を発生させた。
さらに、世界金融危機の際にも大やけどを負い、2008〜09年度の2期で約2800億円もの最終赤字を計上。新生銀行と同時期に公的資金の注入を受けた、りそなホールディングスやあおぞら銀行が昨年相次いでその返済を終えた一方、新生銀行は今も2000億円超の公的資金を残す。大手で唯一、公的資金の完済に手付かずの銀行となってしまった。
そんな中、13年4月に始まった日本銀行による異次元金融緩和や、今年2月に導入されたマイナス金利政策などによって、銀行収益に悪影響を与える超低金利の状況は泥沼化。銀行の経営環境は悪化の一途をたどっている。
それでも安定した収益を稼げるように、新生銀行は昨年6月に就任した工藤英之社長が中心となり、今年1月に新たな中期経営計画を策定。メガバンクでも地方銀行でもない、独自のビジネスモデル構築に苦心し、組織運営体制の改善や消費者金融事業への注力などの方針を打ち出した。
ところが、事情に詳しい関係者によれば、新生銀行は「この調査結果を見ると、経営陣が社員に伝えるメッセージ自体を持っていないのではないか」といった、痛烈なフィードバックをマッキンゼーから受けたという。
一方、ある新生銀行関係者は「新中計を踏まえて、組織改善を図っていく上での最初の現状把握にすぎず、この結果だけで何かを語るのは拙速」だと反論する。だとすれば、新生銀行の経営陣はこの調査結果を受け止めて本当に組織を改善できるかを問われている。「経営陣がどんなにいい計画を描いても、結局それを実行するのは社員」(金融庁幹部)だからだ。
超低金利と組織機能不全。新生銀行は“内憂外患”を抱えている。
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