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結局、年金運用はリスクを取るべきか取らざるべきか? の前に知っておくべき最重要点(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/108.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 30 日 13:34:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

結局、年金運用はリスクを取るべきか取らざるべきか? の前に知っておくべき最重要点
http://biz-journal.jp/2016/10/post_17049.html
2016.10.30 文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表 Business Journal


 以前、ある人から質問を受けたことがあります。年金に関する質問です。

「大江さん、最近、年金運用で損失が出ているという話を聞いて思ったのですが、年金というのは老後に受け取って、老後の生活を支える大切なものですよね。だったら、あまりリスクの高いもので運用しないほうがいいのではないかと思うんですよ。でも、将来ひょっとしてインフレになるかもしれないというリスクを考えた場合は、やはりある程度のリターンが期待できるものでリスクをとって運用しないといけないし……。一体、どちらが正しいのでしょうか?」

 実にもっともな質問です。ただ、この答えを言う前にひとつ知っておくべきことは、「年金」と一口に言っても、「公的年金」と「企業年金」はまったくその仕組みが異なるものだということです。あえて誤解を恐れずに極論で言ってしまうと、公的年金は「運用する必要がない」ものですし、企業年金は「運用しないといけないもの」です。

 別な言い方をすれば、公的年金は将来にわたってお金が入ってくることがほぼ確実なのに対して、企業年金は確実ではない、と言い換えればいいでしょうか。もちろん、ここで言っていることは物事をシンプルに説明するための極論、暴論に近いことです。細かい点では「それは違う」という点はたくさんあると思いますが、それはご容赦ください。

●公的年金の構造

 では、もう少しわかりやすく説明しましょう。公的年金というのは社会保障制度です。「老後の生活を、国や企業や個人がみんなで支え合っていきましょう」という考え方に基づくものです。今その保障の恩恵を受けている人たち、すなわち65歳以上の人たちに支払われている年金は、今の現役の人たちが払っている保険料と国が負担している分とを合計したものです。つまり、原則はその年に払い込んだ保険料がその年に年金として支払われているという「単年度決済」の仕組みになっています。

 これなら日本人が絶滅したり、極端に減少したりしない限りは支払うための原資は確保されます。それに、もともと国の年金制度ができた時は、今と違って保険料を受け取る人よりも支払う人のほうが圧倒的に多かったため、単年度で年金を支払ってもずっとお金は余ってきたのです。そうやって余ったお金を今まで積み立ててきて、その残高が今年の3月末時点で134兆円(年金積立金管理運用独立行政法人<GPIF>の運用資産)あるというわけです。

 もちろん、これからは少子高齢化の時代が続きますから、今までのようにはいきません。毎年の払い込みと支払いがトントンならまだ良いほうで、支払うほうが多くなることが増えるでしょう。実際、毎年の年金収支のバランスを見ると、やはり出ていくほうが多く、それを穴埋めするために今ある134兆円というお金が使われるのです。

 今のところは毎年4〜5兆円くらいが使われているようです。つまり、この134兆円の年金積立金は、毎年の年金の支払い原資というわけではありません。いわば貯金ともいうべきもので、毎年の収支が赤字の時にここから穴埋めするためのものと考えたほうがいいでしょう。したがってこの134兆円は、あまり大きなリスクをとらずに安定的に管理・運用して、大きく増やすというよりは減らないような運用を中心に考えるべきです。

●企業年金の構造

 一方、企業年金というのは極端にいえば「給料の後払い」ともいうべきものです。将来社員が退職した後に支払えるように、会社が積み立てておく仕組みです。ただし、社員が入社した時から積み立てていきますから、実際に支払うまでの間、何十年もあり、その期間は一定の利回りで運用できるという見込みで積み立てる金額を決めるのです。

 仮にその見込みを0%とした場合、企業はかなり多くの金額を積み立てなければなりませんが、3%で運用できるという見込みの場合であれば、運用益で増える分がありますから積立金額は少なくなります。

 ところが、目標とする利回りに届かなかった場合は、その分を会社が穴埋めしないといけません。したがって、企業年金の場合は決められた目標利回りで運用しなければならないというプレッシャーがきつくなります。日本では1990年代以降に運用環境が悪化したために企業年金がピンチを迎えたのも、こういう背景があるからです。

 すなわち、公的年金は仮に毎年の収支がバランスされているのであれば、積立金は大きなリスクをとって運用しなくても良いのに対して、企業年金の場合は常に目標利回りを達成するために積極的な運用をしていかなければならないということになります。

 企業からすれば、当然こうした運用のプレッシャーからなんとか逃れたいと思うのは当然です。退職金や年金の積立金を管理・運用するのが大変だからということで退職金制度そのものを廃止し、給料に上乗せする「退職金前払い制度」の導入や、積み立てるお金は会社が出すけれどもその運用は従業員個々人に委ねる制度である「確定拠出年金」が拡大している背景には、こういう事情もあるのです。

 このように、公的年金と企業年金を混同して考えてはいけません。そもそもの制度の成り立ちや問題の本質が、まったく異なるからです。テレビや新聞のニュースで年金という言葉が出てきたとき、それは一体どちらの年金のことなのかをまず整理することが大切です。

(文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表)
 

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コメント
 
1. 2016年10月30日 15:28:47 : V6FIijbOtY : 1JGurNwr3Y0[10]
まあ、年金でデリバティブ取引してたアメリカ人よっかはマシでしょうね。

2. 2016年10月30日 23:21:15 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3073]

>日本人が絶滅したり、極端に減少したりしない限りは支払うための原資は確保

もらう老人の数も年齢も増え続け、介護や医療費など一人当たりのコストがさらに増える一方で、

働く人々が半分になり、しかも産業が衰退して賃金が下がるとしたら、確実に破綻する


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