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習近平国家主席(左)と李克強首相(右)。李克強が進めるリコノミクスといわれる経済政策を否定し、シーノミクスといわれる「トップダウンの国家資本主義」を押し進める習近平。反目し合う二人。
中国経済回復の見込みは一切なし!国有ゾンビ企業の迷走が元凶
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161027-00003545-besttimes-bus_all
BEST TIMES 10月27日(木)7時0分配信
■国有ゾンビ企業が中国経済迷走の元凶
目下、実質倒産の死に体でありながら、国有銀行の甘い融資や国家の補助金などで存続しているゾンビ企業である中国国有企業が経済を疲弊させている大きな原因となっている。
ケ小平の改革路線をそのまま踏襲するならば、国有企業を民営化によって淘汰し、最終的には所有制改革という政治改革に踏み込まざるを得ない。だが習近平の主張はそれと真逆の壮大なる国有経済の発展〞を呼びかけているわけだ。
七月下旬に国内で最初のゾンビ企業研究に関する報告書(中国人民大学国家発展戦略研究院)が発表されたが、それによると二〇一三年の段階で中国工業企業八〇万社中、ゾンビ企業の割合は七・五一%を占める。二〇〇〇年のころはゾンビ企業の割合は三割を超えていたことを思えば、かなり改善されたとはいえ、まだまだこうした企業は多い。
ちなみに上場企業全体における業種別でいえば、鉄鋼企業の五一・四三%、不動産企業の四四・五三%、建築装飾材企業三一・七六%が高ゾンビ率のトップ3業界だ。
この報告書では、ゾンビ企業問題解決のポイントとして銀行のゾンビ企業に対する野放図な融資をなんとかするべし、と提言しているが、この銀行の野放図な融資の最大の原因は、銀行の人事権を党委員会が牛耳っている点であり、企業も党委員会が仕切っているという意味で、銀行、企業、地元政府が党組織を通じて身内の関係にある点である。
本当の処方箋は企業と党組織の分離を進め、民営化と市場ルールによる淘汰のはずだが、習近平サイドの方針は党の主導権をさらに強くし、M&Aによる企業統合によって産業の強靱化を進めようとしているわけだ。ゾンビ企業の整理にどちらが効果があるかはまだ不明だが、二つの矛盾する方針の間で現場がサボタージュに流れているというのが現状とすれば、問題解決は程遠いだろう。
■中国経済回復の見込みは一切なし
もう一つ習近平サイドが難癖をつけたのは、李克強が三月に指示を表明した「債務の株式化」(DES)だ。たしかにDESをゾンビ企業に適用すれば、問題が悪化する可能性は大きく、この点は習近平サイドが正しく、六月の段階でDES政策はゾンビ企業を対象としない方針が決まっただけでなく、DES政策自体が立ち消えになりそうな様子だ。
経済政策においては、ある程度方針を決定したなら、それをしばらくやり続けなければ効果は見えてこない。だが、今の中国のように権力闘争の道具にされてしまうと、効果の出る前に政策が変更され、現場のやる気も失われる。
李克強に同情的な周辺の人々に聞くと、「李克強としては上層部が設定した成長目標を達成しなければならないという厳しい条件が付けられている。その点、習近平は経済成長目標の達成は首相の責任にして、改革を主張できる。習近平式改革を進めれば、間違いなく経済はハードランディングを回避できない。だが、それを乗り越えると、習近平が主要国有企業を掌握した強い開発独裁体制ができるかもしれない」
カリフォルニア大サンディエゴ校の中国経済問題の専門家バリー・ノートンがウォールストリートジャーナルにこう語っていた。「李克強は能力を発揮できない境地に追いやられている。経済政策はすでに習近平が主導しており、李克強の指揮を離れている。李克強はきっと非常な不満を抱えているだろう」
さらに中国市場研究機関ガベカル・ドラゴノミクスの創始者、アーサー・クローバーは「政策の不確定性が大きなリスク。どの改革も停滞が起きている」。
つまるところ、習近平政権の間は、中国経済が回復する見込みは一切ないということなのだ。
※福島香織著『赤い帝国・中国が滅びる日』発売記念、緊急抜粋連載。
著者略歴
福島香織(ふくしま・かおり)
1967年、奈良県生まれ。大阪大学文学部卒業後、産経新聞社大阪本社に入社。1998年上海・復旦大学に1年間語学留学。2001年に香港支局長、2002年春より2008年秋まで中国総局特派員として北京に駐在。2009年11月末に退社後、フリー記者として取材、執筆を開始する。テーマは「中国という国の内幕の解剖」。社会、文化、政治、経済など多角的な取材を通じて近くて遠い国の大国≠ニの付き合い方を考える。日経ビジネスオンラインで中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス、月刊「Hanada」誌上で「現代中国残酷物語」を連載している。TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ!」水曜ニュースクリップにレギュラー出演中。著書に『潜入ルポ! 中国の女』、『中国「反日デモ」の深層』、『現代中国悪女列伝』、『本当は日本が大好きな中国人』、『権力闘争がわかれば中国がわかる』など。共著も多数。
写真:アフロ
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