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【社説】
当局が発生させるシステミックリスク
失敗したMMF規制が他の金融市場に拡大も
金融当局がリスクを発生させるのは止められるのだろうか
2016 年 10 月 10 日 08:18 JST
誰もが知っていることだが、政府当局が将来の金融リスクを正確に予測することは決してできない。では、当局がリスクを発生させるのは止められるのだろうか。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先日、住宅ローン担保証券(MBS)の販売を巡る問題で米政府がドイツ銀行に140億ドル(約1兆4500億円)の和解金を要求したことで、米政府がいかにドイツ銀行で取り付け騒ぎを誘発させようとしたかについて述べた。和解金の額はドイツ銀の時価総額とほとんど変わらない。WSJは8月、新たな金融規制の失敗がいかに投資家を遠ざけ、次の金融危機をさらに厳しいものにすることを確実にしたかについて説明した。米証券取引委員会(SEC)が来週にも新規制を実施する準備を進める中、世界の規制当局は現在、資産管理業界全体に行き渡る失敗を繰り返す恐れがある。
SECの失敗は、危機時に新たな手数料を課したり払い戻しに制限を設けたりするのをマネー・マーケット・ミューチュアル・ファンドに奨励したことだ。こうした解約制限は「ゲート条項」と呼ばれることが多い。解約したくても一時的に投資家の資産を逃げ出せなくするからだ。これは市場でパニックを発生させるレシピと言える。投資家は手数料と解約制限が今にも襲いかかるのではないかと不安になり、出口に殺到する適切なタイミングについて思いを巡らすようになるだろう。
すでに逃げ出した投資家も多い。機関投資家向けのプライム・マネー・マーケット・ファンド(MMF)の運用資産は現在1990億ドルにとどまり、今年3月の8000億ドル以上から減少した。その最大の理由は企業の財務担当者の間で危機時に会社のお金が利用できなくなるという認識が広まったことだ。個人向けプライムMMFの資産残高は過去4カ月で1000億ドル以上減少した。
こうした投資家の大脱走を監視する世界の規制当局者は、この新規制が他の市場のモデルになるべきだと考えているようだ。
スイスのバーゼルに拠点を置く金融安定理事会(FSB)は、主要国・地域の金融規制当局者、および世界銀行など国際機関の関係者で構成される組織だ。中央銀行の関係者が大半を占めるFSBは、ほとんどの時間を銀行規制当局が銀行業務以外でも企業を管轄する権利を持つべきだと主張することに費やしている。
資本市場で投資家が簡単にポジションを売買できる自由に不満を持つFSBは最近、危機時に投資家が市場から退散するのを各国・地域の当局が一段と困難にし、高く付くようにすることを提案した。潜在的な「スピルオーバー(拡散)効果」を認識しつつも、FSB参加者たちは仲間の財務官僚に対し、投資家の流出を防ぐ手数料や解約条項といった「流動性リスク管理ツール」の採用を検討するよう促している。
ハーバード大学法科大学院のハル・スコット教授が率いる「資本市場規制に関する委員会」は最近、FSB参加者に宛てた文書で、「危機時にそうした制限が実施されるという恐怖が、手数料や解約条項が発動される前に自分の持ち分を取り戻そうとする中で、投資家の資金引き揚げを加速させる原因となる可能性がある。この行き過ぎた資金引き揚げが、後に金融システム全体で不安定さを拡大し、悪影響を伝染させるかもしれない」と警告した。
FSBはこうした助言を受け入れており、年末までに最終計画をまとめる意向を示している。MMF投資家の出口をふさごうとするSECの試みほど早く、完全に失敗したアイデアを思い出すのは難しい。もちろん、この政策は全世界の官僚にとってのモデルとなる方向に着々と進んでいるのだが。
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米金融市場、クリントン氏勝利織り込む 討論会後も見方変わらず
[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米大統領選の候補者による第2回討論会が9日行われたが、米株先物は討論会の間、ほとんど動かず、市場が引き続き、民主党候補のクリントン氏が共和党のトランプ氏に勝利すると予想していることが示された。
9日の討論会で最大の焦点となったのは、トランプ氏の女性蔑視的な発言だった。投資家からは、政策が議論にならなかったため、大統領選の方向に関する市場の見方は変わりようがない、との声が上がった。
投資会社リバティービュー・キャピタル・マネジメントのリック・メックラー社長は「市場は討論会前、クリントン氏が勝利すると見ていたが、討論会後も意見は変わっていない」と指摘。「まだ時間はあり、何が起きてもおかしくはないが、2017年の投資テーマという点で、クリントン氏勝利について考え始めるべき時期に来ている」と述べた。
TDアメリトレードのチーフ市場ストラテジスト、JJキナハン氏は「市場は今夜の討論会を引き分けと認識しているようだ。討論会では手掛かりはなく、市場に新たな見方を与えることはなかった」とした。
EミニS&P500先物ESc1は討論会の間、狭いレンジ内で取引され、直近では5.25ポイント(約0.24%)上昇となっている。
スライドショー:クリントン、トランプ両氏が2度目の対決
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Republican U.S. presidential nominee Donald Trump and Democratic U.S. presidential nominee Hillary Clinton pause at the conclusion of their presidential town hall debate at Washington University in St. Louis, Missouri, U.S., October 9, 2016. /Saul Loeb/Pool
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