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世界的な「次の革命」に必要なのは何なのか? (写真: Rawpixel / PIXTA)
「生まれた国が貧しいと稼げない」は理不尽だ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161009-00138416-toyo-bus_all
10月9日(日)16時0分配信 ロバート・J・シラー 東洋経済オンライン
過去数世紀にわたり、世界では抑圧に対抗する形で革命が巻き起こってきた。こうした革命は戦争によってではなく、言語とコミュニケーション技術の発達によって、世界中へ広がっていった。
次の革命は、生まれた国の貧富という偶然によって自身の境遇が決められるという不公正に焦点を合わせたものとなるだろう。それは21世紀のいつかの時点で起きるはずだ。
多国籍企業で働く人が増え、他国の人々と知り合うのに伴い、われわれの正義感は影響を受けつつある。これは前代未聞のことだ。
■実情を知れば抑圧は退けられる
抑圧は、虐げられた人々の実情が知られていないからはびこるものだ。実際、過去の「正義の革命」は、コミュニケーション技術の発達から発生したものが多い。
歴史家のスティーブ・ピンカスは著書で、1688年に起きた英国の名誉革命の意義は、国王が議会によって追放されたことではなく、世界的な正義の革命の始まりだった点にあると指摘した。
1776年に出版された『コモン・センス』では、著者のトマス・ペインが米国独立の必要性をめぐり、世襲制の君主が何者にも優越するとの理屈は認められないと指摘し、今でも英国を含めた世界の大半が同意している。奴隷制の段階的廃止についても同様のことがいえる。廃止された主因は戦争でなく、人々が奴隷制を残酷で不公正だと“認識”したからだった。
欧州で19世紀半ばに相次いだ市民の蜂起も、投票権を一部の貴族や資産家に限った選挙への抗議が主因だった。続いて婦人の参政権が認められた。20〜21世紀には、白人以外の人種や性的マイノリティの人権も認められていった。
■自由貿易が必要な理由とは
次なる革命では、国家の貧富による不公正が問われることになるだろう。これは現在、世界中で強まっている反移民の機運とは逆の方向である。
自国に納税や兵役の義務を負っている人々は、移民を際限なく受け入れることに対して、強い抵抗感を示している。だが、重要なステップは、移民を批判の対象とすることではない。経済的な自由を促進することだ。
ポール・サミュエルソンが1948年の論文「国際貿易と要素価格均等化」で明確に示したように、完全な自由貿易体制の下では、市場の力がすべての生産の要素価格を均等化する。こうした世界では、人々は高賃金を得るため他国へ移る必要はない。究極的には彼らは、国際的に売れるものの生産に携わればよい。
■機は熟しつつある
すでに技術革新によって移動と通信のコストは極限にまで下がっており、均等化達成は可能になりつつある。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)などの自由貿易交渉は、利益団体の抵抗で後退を強いられてはいるものの、最終的には実現するだろう。
一方、自由貿易が生み出す敗者を守る必要もある。米国では、輸入増の影響を受けた国内企業や雇用者を支援する貿易調整支援(TAA)プログラムについて、オバマ大統領が拡大を提唱した。しかし、現在のところ、拡大には至っていない。
欧州連合(EU)が、世界の貿易構造の変化に直面する域内の労働者らを支援するため2006年に発足させた「欧州グローバル化調整基金(EGF)」の年間予算も、1億5000万ユーロと小規模なままだ。
次なる革命は、自身の選択とは無関係に貧困を強いられている知的な外国人と、コンピュータのモニター上で触れ合うところから起こるだろう。そして優れた通商協定が不可欠となる。そこには公平な貿易環境の整備と併せ、各国内の社会保障の強化も織り込まれるべきだろう。
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