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日米の中央銀行の動き
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52855463.html
2016年09月22日 在野のアナリスト
財務省、金融庁、日銀が3者会合を開き「神経質な動き」「投機的な動き」と為替相場の動きを牽制しましたが、原因は日銀の新金融政策にあるのであり、まったく当たり前の動きです。日銀は質的・量的緩和の旗を下ろし、米国は利上げしなかった。むしろ100円台でとどまっているのが奇跡、というか、恐らくは当局から要請をうけた企業らが必死で為替予約を入れたりして、円高を食い止めているのでしょう。9月末日に円高がすすんでいると、企業にとっても海外売上げ高を円換算したときの目減り分が大きくなります。日本では9月が2Qの締めですから、年度末にむけて見通しも出さなくてはいけない。100円の防衛ラインはそれだけ重みがあります。ここを抜けたら一気に95円、90円に近づいてきます。
そんな米FOMCの結果は利上げなし、ドットチャートでも年内1回、来年2回の利上げに留まり、ハト派な印象を強めました。しかし声明文をみても「経済活動は拡大は加速」「労働市場は引き締まりつづけ」「家計支出は力強く伸び」と、経済の好調さをみとめる。一方で「設備投資は緩慢」「インフレ期待は2%を下回りつづけ、数ヶ月変化なし」と好調でない部分もみとめました。しかも3人が現状維持に反対票を投じ、意見が割れた。全体はハトだけれど、ハトになる理由はよく分からず、タカ派からすればこの状況で緩和をつづける理由は「Why?」というレベルにあることがうかがえます。
今回はイエレン議長によるジャクソンホールの講演で、一気に9月利上げ確率が高まった後、8月の雇用統計で一気に利上げの思惑が萎んだ。結局、イエレン議長による市場との対話不足、それが利上げできない原因なのでは? とうけとられても仕方ありません。タカ派には今回の結果が不満、ハト派には講演内容が不満、結果、イエレン氏はタカでもハトでもない、チキンなのではないか? そうなると12月の利上げも不確実となります。
日銀の昨日の総括的検証、メディアでは「長期戦」「持久戦」などとも報じられますが、まったく的外れです。効果も経緯も分からないけれど、この政策をつづけていれば、あわよくば物価が2%に達成するかも? というレベルです。金利を操作しかたらインフレ期待が高まる、という算段はまったく成り立たない。マネタリーベースを拡大したわけでもない。金利もいじってはいない。これで何をどうすれば、物価が上昇するのか? 意味不明です。オーバーシュートは強いコミットメントだ、と黒田日銀総裁は述べますが、嘘つきや信用のない人がいくら何かを言っても、誰も耳を貸さない。この半年がそうだったように、日銀の政策には最早懐疑的な見方が広がっていて、市場からはコミットメントではなく、これはコントかコメディ、そうした受けとめがされているのです。
まさに『あわよくば』→『泡よくば』→『バブルがよい形になってくれれば』消費者物価も上昇するのでしょう。しかし注意すべきは、物価が2%になったからといって、決して景気がよい状態かどうかは不明、ということです。日銀の物価2%の目標は、景気の回復は約束していない。このコミットメントはむしろ、自分たちが3年半行ってきたことは間違いではない、というためのもので、決して国民のことを考えた結果ではないのです。
むしろ、「神経質な動き」をしているのは日本の財務省、金融庁、日銀です。2円程度の為替の変動は、金融政策が重なった昨晩なら仕方のないところでしょう。このことからも、政府は100円の防衛ラインに相当焦っていることがうかがえます。「投機的な動き」と言っておけば、何か悪いことをしているような印象を与えられる、からといって今回の動きをそう断定するのは、お門違いも甚だしいのでしょう。むしろ財務省、金融庁、日銀の「同義的な動き」を示さない限り、コミットメントの価値はコメット(彗星)並みに一瞬で消える儚さ、でしかないのでしょうね。
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