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親会社の三菱商事を引き込み、巻き返しを狙うローソンはどうするのか
ローソンとミニストップの“縁談”が急浮上している理由
http://diamond.jp/articles/-/101298
2016年9月9日 森山真二 ダイヤモンド・オンライン
ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが経営統合して巨大流通グループ、「ユニー・ファミリーマートホールディングス」が誕生した。しかし、今回のファミマとユニーの経営統合を苦々しい思いで見ていたのは店舗数で業界3位に転落したローソンだろう。ローソンはセブン−イレブン・ジャパンに続いて万年2位の立場だったが、今度はファミマに「追われる立場」から、「追う立場」に逆転するからだ。しかし、ローソンは「最後の切り札」ともいうべき一発逆転のカードを握りしめている。(流通ジャーナリスト 森山真二)
■ファミリーマートと
ユニーグループHD経営統合の衝撃
ファミリーマートと、サークルKサンクスを傘下に持つユニーグループHDが経営統合することで、コンビニ店舗数は単純合算で約1万8100店、売上高は約2兆9400億円となり、セブン−イレブン・ジャパンの店舗数である1万8860店に肉薄、セブンの売上高にはまだ1兆円以上差があるが、3位になったローソンに対しては店舗数で約5600店の差、売上高で1兆円近くの差をつける格好だ。
実のところ、ファミリーマートは現在のユニー・ファミリーマートHDの社長となった上田準二氏が社長時代の遡ること7〜8年前からユニーにラブコールを送り続けてきた。上田社長の“出身地”でありファミマの大株主である伊藤忠商事も動かし、伊藤忠がユニーに出資するなど、早くからコンビニ2位への浮上とローソンに対する「防衛線」を張ってきた。
もちろん、新たに出発した「ユニー・ファミリーマートHD」とて先行きは決して平たんな道のりではない。既に統合にあたって、サークルKサンクスの全店舗の約6分の1にあたる1000店を閉鎖すると発表しており、実質統合後の総店舗数は1万7000店強と、店舗数は早くも大きく目減りする。
ユニーの総合スーパー(GMS)事業も業績不振が続く。流通業界ではユニーばかりではなく、イオンもセブン&アイHD傘下のイトーヨーカ堂も不振で、GMS各社はまだ「GMS再生の解」を見出していないのが実態だが、ユニーはファミマとの経営統合前の2019年2月期までに、不採算のGMSを25店閉鎖し、GMS事業の収益力の回復を目指す計画を立てている。
ユニーは、サークルKサンクスやユニーのGMS事業のリストラに伴う特別損失など約720億円を17年2月期までに計上することにしている。なかでもサークルK閉鎖に伴う損失はわずかで、大半がGMSの収益の回復が見込めない店舗の固定資産の減損処理。このため、ライバルのスーパーでは「25店程度の閉鎖では済まないのではないか」と冷ややか目でみている。
■親会社の三菱商事を引き込み
巻き返しを狙うローソンはどうする!?
当面、コンビニ事業の看板替えなど統合の混乱やGMS事業の立て直しなど「負の遺産」をめぐる処理を余儀なくされそうな気配だが、それを推し測るかのように3位に転落するローソンも親会社の商事を引き込み、巻き返しを虎視眈々と狙っているように見えなくもない。
というのも今年、社長に新浪剛史氏の後を継いだ玉塚元一氏から、三菱商事出身の竹増貞信氏を就任させたからだ。事実、ローソンの最高経営責任者になった玉塚氏は社長交代会見の席上、「三菱商事を巻き込んだ総力戦だ」と意味深長な発言をしている。
玉塚氏のこの発言は、商事のリソースを有効に活用してローソンの収益力を強めるというニュアンスだった、とされている。だが、業界ではこの発言を額面通りに受け止めてはいない。実はこの言葉にこそ、商事が描く次の「流通再編のシナリオ」が隠されているというのだ。
流通大手は現在、セブン&アイ・ホールディングスをはじめとして大手商社の「色」がついている。セブン&アイは三井物産と提携しているし、商事はイオンに出資、ユニー・ファミリーマートには伊藤忠が出資している。さらにいえば、食品スーパー大手のライフコーポレーションや、オーケーなどに商事が出資している。
流通業の商社による色分けが進むなかで、商社としては、何としても資本提携などを通じて、流通の陣営を拡大し続けなければならない宿命を負っているのだ。
それは商事ならば三菱食品、伊藤忠は伊藤忠食品、日本アクセスというように大手の卸を抱えており、しかも大手卸は有力メーカーと紐づいているからだ。つまり川上から川下まで商社は何らかの形で押さえていると言ってよく、川下の流通業で自陣営の規模が広がらなければ、自陣営のメーカーも卸も売り上げが細りかねない構造なのだ。
そこで、商事がローソン巻き返しに用意しているカードが、出資しているイオンを通じ「(イオン傘下でコンビニ業界4位の)ミニストップとローソンの経営統合」というのが流通業界のもっぱらの観測だ。統合が実現すれば、ローソンの店舗数は1万5000店規模となり、提携している中堅コンビニと合わせれば1万7000店規模のユニー・ファミリーマートHDを逆転するまではいかないが肩を並べることになる。
■「コンビニはたばこ屋」と発言する
イオンの岡田社長は受け入れるか
もっとも、ローソン、ミニストップ連合の実現には乗り越えなければならぬハードルがいくつかある。最大のハードルがイオン社長である岡田元也氏のコンビニアレルギーだ。岡田社長はグループにミニストップを抱えるにもかかわらず「コンビニはたばこ屋ではないか」と冗談とも本音とも受け取れるような発言をしており、事実上、セブン−イレブンへの敵愾心をむき出しにしている。
イオンではコンビニを軸にした戦略を組み立てるというよりも、小型スーパーの「まいばすけっと」などを別会社で多店舗展開し、新しい小型店ビジネスを始めている。そんな岡田元也社長が、「ローソンとミニストップの経営統合なり、提携なりをすんなり受け入れるとは思えない」(イオン関係者)という指摘もある。
しかし、現実を見れば、セブン−イレブンが毎年1500店以上の大量出店をこなし、ファミマがサークルKサンクスと統合で店舗を看板替えして1万7000店以上の店舗数となった今、ローソンにもミニストップにも今後の経営戦略について、それほど多くの選択肢は残されていない。
ローソンは1万店以上の店舗を持ち、規模の利益から業績は堅調。だが、ミニストップは業界4位ながら店舗数が国内2300店という3位のローソンの4分の1程度の半端な数で規模の利益も十分ではなく業績は厳しい状態が続く。既に、大手との経営統合など最後の決断をする局面に来ているのは確かだ。
コンビニはフランチャイズビジネスである。チェーンは必ずフランチャイズ加盟店で構成されている。本部に収益力がなければ定期的にやってくる巨額の情報システム投資をこなせないし、独自商品の比率を高め、高採算の商品を販売するなどで加盟店に利益貢献する戦略もとれない。
さらに言えば、コンビニは一定の地域に高密度で集中的に出店することにより、広告宣伝や物流、加盟店や人材の募集で効率が良くなる。店舗網がまばらでは加盟店の支援につながらない構造なのだ。
■一刻の猶予もないローソン
“状況証拠”は揃いすぎている
ローソンは、ファミリーマートとユニーグループHDとの経営統合交渉が本格化した一昨年あたりから、中堅コンビニのポプラと資本業務提携したりスリーエフとの関係を深めたりしている。しかし、ファミリーマートとサークルKサンクスの統合の衝撃は大きく、もはや拡大に向け一刻の猶予もない。
今のところ、イオン経営陣もローソン経営陣もローソンとミニストップの“縁談話”には否定的である。かねて統合を示唆し続けたユニー・ファミリーマートHDの上田準二社長と全く違って、微塵も素振りを見せない。しかし、ローソン・ミニストップ連合に向けた“状況証拠”はあまりにも揃いすぎている。
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