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なぜお金が貯まらない?「貯め時」は人生で3回しかない?多額の損を生むお金の使い方
http://biz-journal.jp/2016/09/post_16582.html
2016.09.08 文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表 Business Journal
■「借りては返す」人生と「貯めてから使う」人生には数千万円の差
社会人になると、お金を借りるのは簡単です。正社員として安定的な給与がある場合、クレジットカードをつくろうと希望すれば審査は比較的簡単に通ります。これには30万円程度のキャッシング機能が付いているのが一般的で、具体的な買い物としてクレジットカードを利用しない場合も純粋な借金ができます(利用状況に応じて限度額はアップする)。最近では銀行のキャッシュカードにキャッシング機能を付けられることもありますし(書類を出せば100万円くらいの枠が得られることも)、消費者金融のカードは即日発行でこれまた数十万円の貸付は簡単に受けられます。
しかし、お金は「借りてから返す」ではなく「貯めてから使う」のスタンスで臨まないと、いつになっても貯まらないことになります。「利息」が生じ、あなたの出費を割高なものにしてしまうからです。
10%の金利で30万円をキャッシングして無駄遣いをして、毎月2万円ずつ返済したとすれば、総返済額は約34万円です。これはつまり、30万円ではなく34万円の買い物をした、ということです。
「借りて返す」ような買い物をせず、自分のお金をまず貯め、そこから買えば30万円の買い物はただ単に30万円ですみます。こういう違いは一生涯を通じて数百万円にも数千万円にも広がっていく差になります。
社会人の人生は、一生を通じて「稼いでは貯め続ける」人生なのだと考えるくらいの覚悟が必要です。
■人生に「貯め時」はそう何度もやってこない
可能であれば、ハイペースでどんどん貯金ができる時にしっかりお金を貯めておきたいものですが、これは難しいことです。というのも、人生における明らかな「貯め時」はおそらく3回くらいしかないからです。すなわち、
・独身時代(特に実家暮らしの場合)
・新婚時代(子どもが生まれるまで)
・定年直前(子どもが社会人になった場合)
の3つです。
このうち最大のチャンスは「独身時代」と「新婚時代」です。というのも、「定年直前」というのは、高齢出産化に伴い子どもが学校を卒業する時期が遅くなっており、「貯め時」にならない人が増えています。私も子どもが生まれるのが遅かったので、下の子どもが社会人になってくれるのは65歳の時です。「定年直前」という「貯め時」はないものと覚悟しています。
この3度のチャンスの次点として考えられる「貯め時」は、
・結婚初期(家を買うまで)
・結婚初期(子どもが小さいうち)
になります。しかし、これも女性の年収が子どもが生まれる前の水準に戻っていない場合、むしろ子育ての出費増の負担が大きいケースもあります。
■今お金が必要でない時ほど、「貴重な貯め時」と考える
そうなると、「独身時代(実家暮らし)」と「新婚時代(子どもが生まれるまで)」の期間が人生を通じて重要な「貯め時」になるわけですが、当人は自分の「今」が人生を通じて貴重な数年間であることを自覚していないことがほとんどです。
「結婚する前が大事な『貯め時』だから、結婚後のことを考えて1000万円貯める覚悟をしなさい」、あるいは「結婚したなら子どもが生まれるまでは年収の20%以上は貯めておきなさい」などと言われても、おそらく実行に移せる人はほとんどいないはずです。
実際にお金が必要となる時期は遠い未来で、時間的ギャップがあるため、合理的にお金を貯めることができないことは、行動ファイナンスの研究でもよく指摘されていることです。
しかし、非合理的になってしまう要因のひとつは「そもそも必要性を理解していない」という段階にあります。もしかすれば、このコラムを読んで「気づき」が得られた人は、5年後や10年後に非合理的な時間を過ごさすにすみ、過去を後悔せずにすむかもしれません。
■「貯め時」が長いライフスタイルもある
ところで、「子育て」というキーワードが「貯め時」には大きく影響してきます。子どもを育てるためにはどうしてもたくさんのお金が必要であるからです。日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査(平成27年度)」によれば、高校から大学にかけての7年間で、899万円かかるとしています。生まれてから社会人になるまでにかかるすべての費用を積み上げると2000万円前後という調査もあるほどです。
これは言い換えれば、DINKS(正社員共働きで子どもがいない場合)やシングル(正社員)の場合は、おおむね貯め時が続くことになります。
もし独身生活や子どもがいない夫婦生活を過ごしている人は、年齢にかかわらずずっと「貯め時」の可能性がありますので、ぜひ今からお金を貯めるチャレンジに取り組んでみてください。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)
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