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今回は、世界中の株式や債券に分散投資する投資信託を運用している、セゾン投信の代表取締役社長、中野晴啓さんのところにお邪魔して、現実的に年平均3%リターンの運用は可能なのかどうなのかを伺ってきました。
リスクを抑えつつ、「年3%の運用」は本当に可能か?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160810-35518914-bpnet-life
nikkei BPnet 8月10日(水)9時51分配信
前回、話を伺ったフィデリティ退職・投資教育研究所の野尻所長が行ったシミュレーションの前提になる年平均3%の運用利回りは、本当に実現可能なのでしょうか。
何しろ、世の中はマイナス金利で、定期預金の利率は、預入金額の多寡、預入期間の長短に関係なく、年0.010%が当たり前。年平均3%の運用利回りを実現するのなんて、とてもじゃないけど無理に思えてきます。
そこで今回は、世界中の株式や債券に分散投資する投資信託を運用している、セゾン投信の代表取締役社長、中野晴啓さんのところにお邪魔して、現実的に年平均3%リターンの運用は可能なのかどうなのかを伺ってきました。(取材・文=鈴木雅光)
セゾン投信代表取締役社長の中野さん、ただ今、52歳。先日、同世代の友人と呑みに行ったそうです。皆、会社員としては第4コーナーを回り、ホームストレートに差し掛かったところ。このコーナーの読者も同じ年代だと思います。呑んでいてどんな話が出たのでしょうか。
「子供の話が多いですね。30歳くらいで結婚して、34歳で子供が生まれれば、ちょうど大学に入るくらいの年齢でしょう。『うちの子が今度、有名私立大学に入ったんだよ』みたいな話題がとにかく多い。皆、子供ができてからかなりのお金を、子供に対して投資してきたのだと思います。有名私立大学に合格させるためには、相応のお金が必要になりますからね。ただ、子供には投資したけれども、自分たちの老後に必要な資金作りのための投資は、いっさいしていない。準備しているお金がゼロという人は、幸なことにいませんでしたが、皆、預金に預けたままにしているか、ちょっと色気のある人だと『なんか、一発で儲かる銘柄を教えてくれよ〜』というわけです」
マイナス金利のご時世ですから、定期預金に預けていても、利息は年0.010%。お金が倍になる期間が分かる「72の法則」(72÷金利≒お金が2倍になる期間)で計算すると、
72÷0.010(%)=7200
7200年も掛るわけです。この金利情勢下で定期預金による運用は、貸金庫にお金を預けたままにしているのと同じで、殖やすための資産運用にはなりません。
「元本さえ減らなければ良い、などと考えて定期預金に預けている人もいると思うのですが、これからは預金こそリスクを意識すべきですよ。まだマイナス金利の効果は具体的に表れていませんが、日銀は物価上昇の兆しが見えるまで、マイナス金利を推し進めていくでしょう。だから、いずれインフレになるはずです。そうなった時、低い金利水準に抑えられた定期預金でお金を運用していたら、資産価値は間違いなく目減りします」
預金は「元本保証」と言われていますが、預金の利率が物価上昇率よりも低かったら、預金に預けたお金の価値は、どんどん目減りしていきます。預けた1万円が9000円、8000円というように名目上は減価することはありませんが、物価水準の上昇に伴って、実質的な価値は減価してしまうのです。マイナス金利の副作用が効きすぎて、年5%、6%というように物価が上昇したら、実質的に元本割れが生じているのと同じことになります。
かといって、一発で儲かる銘柄が事前に分かるようなら、誰も苦労はしません。何しろ東京証券取引所に株式を上場している企業だけで、3522社もあるのです。この中から「一発で儲かる銘柄」を選んで投資するとしても、成功する確率は非常に低いですし、大きく儲かる期待値の高い銘柄は、一方で大きく損をするリスクと常に背中合わせです。
預金は全くリターンが期待できず、株式の個別銘柄投資は成功確率が非常に低い。さて、どうしたものでしょうか。
■基本は毎月の積立投資
「50歳から資産運用を始める人は、かなり真剣に取り組む必要があります。基本は毎月の積立投資になるのですが、50代も半ば近くになると、子供は手を離れますし、住宅ローンも払い終わっているケースが考えられます。なので、これまで教育費や住宅ローンの返済に掛っていたお金を、まるまる積立投資に回すべきですし、そのくらいの覚悟が無ければ、決して資産は殖えません。まずは、そういう心構えを持ったうえで、何に毎月積み立てていけば良いのかというのが、大きな問題になります」
そうそう、そこですよ、一番伺いたかったのは。株式もダメ、預金もダメだとしたら、何で積立投資をしていけば良いのでしょうか。
「積立投資に一番向いているのは投資信託です。投資信託なら少額資金でも購入できるので、毎月数万円の積立投資を行うのに適しています」
でも、投資信託だって3月末時点で5906本も運用されています。ここから選ぶのも相当大変なことだと思いますが……。
「そうですね。投資信託を買う時、多くの人は銀行や証券会社の窓口に行って、『投資信託で運用したいのですが、何を買えばいいですか?』と聞くでしょう。でも、これを言ったら最後、金融機関が手数料を稼ぐために販売したい投資信託を売り付けられます。今だと、海外REITを組み入れて運用している投資信託を熱心に勧めている金融機関が多いようです」
海外REITファンドってダメなんですか?
「ダメというよりは、それだけに投資するのが危ないのです。海外REITは原資産の不動産市況が為替相場に加えて、米国の株価動向の影響も受けます。つまりREIT自体、値動きがけっこう大きいので、投資信託の基準価額も大きく変動します。そのような投資信託にまとまったお金を入れたら、基準価額が大きく下げた時、精神的に参ってしまうでしょう。挙句の果てには、大きく下げたところで解約し、二度と投資信託なんて買わない、ということになります」
海外REITファンドの多くは毎月、運用収益の一部を分配金として支払う毎月分配型です。そのなかでも海外REITを組み入れているファンドは高分配のものが多く、それによって個人の人気を集めているわけですが、本当の意味で長期投資をするならば、毎月分配金を受け取るのではなく、同一ファンドの買付に回すべきです。いわゆる複利効果を狙った投資をするのです。
■年平均3%のリターンが期待できる投資対象は何か?
さて、50歳からの資産運用のスタイルが徐々に見えてきたのではないでしょうか。 簡単にまとめると、
@投資信託を買うこと
A購入する際は積立投資を心がけること
B分配しないタイプの投資信託を買うこと
上記の3点がポイントになるのが、お分かりいただけたと思います。そして、これに加えてもうひとつ、年平均3%のリターンが期待できる投資対象は何なのでしょうか。海外REITなら年平均3%超のリターンも期待できそうですが、普通の人がそれだけを投資対象とするのは、単一リスクに集中させることになります。個人でもドン引きしない程度のリスクで、年平均3%程度のリターンが期待できる投資対象は何でしょうか。
「やはりさまざまな資産に分散投資したファンドが良いと思います。まずは日本と海外の株式、日本と海外の債券という4資産分散型の投資信託でも良いでしょう。このように国内外の株式と債券に分散したバランス型ポートフォリオで運用される投資信託を買っておけば、大体、年平均3〜4%のリターンが期待できます。日本と海外の株式だけで運用する投資信託なら、もう少し期待リターンが高くなり、年平均5〜6%程度になるでしょう」
答えが見えてきましたね。年平均3%のリターンを得るためには、国内外の株式、債券に分散投資した投資信託を選べば良いのです。ちなみに中野さんが社長を務めているセゾン投信の主力ファンドは、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」といって、投資対象は株式と債券を50%ずつ、世界全体の株式、債券に分散投資するタイプで、銀行からの自動引き落としによる積立投資ができ、分配金は出さずに再投資に回すことによって、長期投資に向いた商品設計の投資信託になっています。
「年平均3%のリターンが実現できる根拠は、世界経済の成長率とほぼ同じだということです。世界経済は人口増加の影響もあり、今後も成長していくでしょう。最近、世界経済の成長に陰りが見え始めてきたという論調もありますが、IMFはそのような状況下でも、世界経済は3.2%成長を見込んでいると発表しています。結果、世界中の株式市場や債券市場に幅広く分散投資しておけば、長期的には年平均で3〜4%程度のリターンを期待できるでしょう」
もちろん、投資信託で運用する以上、元本保証も確定利回りもありません。マーケットの値動き次第で、年間のリターンはプラスになったり、マイナスになったりします。でも、世界中の株式や債券に幅広く分散されたポートフォリオを長期的に保有すれば、たとえば10年、20年のリターンを年平均に直した時、年3〜4%のリターンが得られる可能性が高まります。
一発逆転のギャンブル投資でも、貸金庫代わりの定期預金でもない、世界経済の成長にお金を乗せて育てていくという考え方が、50歳からの資産形成には必要のようです。
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