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真山仁が「最悪」と語る役職定年制 「学歴病」東大卒なら仕事ができて当たり前」は正しいか 山の日に休めるは5割以下
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/726.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 10 日 09:15:58: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

真山仁が「最悪」と語る役職定年制

どうした50代!君たちは「ゆでガエル」だ

40代で「お役御免」の時代は訪れるのか
2016年8月10日(水)
河野 祥平
 日経ビジネスの8月8・15日号の特集「どうした50代!君たちは ゆでガエルだ」では、50代が会社のなかで置かれている厳しい現実を浮き彫りにした。年功序列・終身雇用の人事体系が崩れるなか、取材を通じて賛否両論、様々な意見が出たのが、55歳前後の管理職から強制的にポストを剥奪する「役職定年制度」だ。ヘッドハンティングの専門家からは「役職定年は50代でも遅い」との指摘があった一方、「ハゲタカ」で知られる作家の真山仁氏ら識者からは否定的な意見もあがった。多くの企業で導入が広がる現状を踏まえ、我々はこの制度の是非をどのように考えるべきなのか。
 役職定年制度とは、企業内で部長や課長などの管理職ポストにある社員が一定年齢に達すると、そのポストを外れ専門職などに異動する人事制度。人事の新陳代謝を進め若手の登用などをしやすくすることを目的としたもので、1990年代から大手企業を中心に広がってきた。中央労働委員会の「賃金事情等総合調査」によると、2009年時点で対象の218社のうち約半数が同制度を導入していた。いったん導入した後に廃止した事例もあるが、対象年齢を引き下げるなど推進する企業が目立っているのが現状だ。

 今回の特集では、役職定年に直面し、「こんなはずじゃなかったのに」と嘆く50代社員の思いを紹介した。だが、長年ヘッドハンターとして役員や幹部社員のスカウトに携わってきた縄文アソシエイツの古田英明社長は、「今の50代は100人中、97人ぐらいは完全に勝負が終わった人たちだ」と厳しい言葉を投げる。いわゆる「プロ経営者」としてスカウトされて経営を任されたり、思い切った転職で、自分のキャリアをステップアップさせる人たちが、ほとんど見当たらない現状を指摘し、その要因としては、50代はこれまでの仕事人生で挑戦の場が少なく「圧倒的に経験が足りない」とも分析している。

経営を担えるかは45歳までに決まる


縄文アソシエイツの古田英明社長(撮影は的野弘路。以下同じ)
 現状、55歳前後での役職定年を定める企業が多い点に関しても、古田氏はさらに突っ込んだ意見を持つ。「会社で活躍できるかどうか、経営を担える人材かどうかは遅くとも45歳ぐらいまでに決まっている。部長、さらに役員に上っていく人はほとんどがそう。それ以外の人達にとっては、55歳で役職定年になっても次の人生プランを考え準備するだけの余裕はない。ならば、会社側も例えば役職定年を45歳に設定して、転身の道を開いてあげることの方が有意義ではないか」

 古田氏の言葉の裏には、日本が「失われた20年」を経てさらに地盤沈下が進むなか、企業や社会が、若者が十分に活躍できる環境を整備できていないことへの危機感がある。「たいていの仕事は30代、40代で回すことができるのが実態。50代は会社にいるならば邪魔をしないでほしいというのが部下の正直な気持ちだと思う」と指摘する。

 役職定年制度よりもさらに厳しい、「職務等級制度(ジョブグレード制度)」の導入が増えているのも、そうした危機感を企業が持ち始めた表れともいえる。職務内容に応じて報酬などの処遇が決まり、年齢要素は一切考慮されない制度で、社内外から必要な人材を臨機応変に登用するのにメリットが大きいとされ、世界的には標準的。グローバル化を推進する大手を中心に、こうした動きは今後一層加速するとの見方は強い。

 一方、特集で50代に「未来への『捨て石』になれ」と説いた作家の真山仁氏は、同世代への視線は厳しいものの、役職定年制度には否定的だ。そもそも、同制度には人事の新陳代謝だけでなく、従来型の人事体系で増え続けてきた人件費を抑制する狙いも大きかったとされる。だが、真山氏は「組織にとっても働く者にとってもプラスになるべき会社の在り方として、役職定年制度は最悪のやり方だ」とまで指摘する。

若者も「飼い殺し」を見ている


作家の真山仁氏
 真山氏が特に問題視するのが、若手も含めた組織の競争力の低下につながりかねないという懸念だ。「55歳になったら、『あと5年会社にいてもいいけど課長は終わり』と言われ、給料もがくんと下がる。いわば『飼い殺し』の状況を若い子はみんな見ている。目先の人件費を削りにいったことで社員のモチベーションを低下させ、それが結局、企業がどんどん貧困になっていくことにつながる」と話す。

 さらに、真山氏は欧米と異なり産業界における人材の流動性の低さも課題に挙げる。「米国のように転職市場が成熟している国であれば、55歳で会社を辞めたとしてもきちんとした受け皿がある。でも、日本の状況はみんながやる気をなくし、どんどんマイナスになっていくだけ。ひいては、3年、5年先に企業が競争に勝てなくなることにつながるのではないか」

 古田氏と真山氏の役職定年制度に対する評価は大きく異なるように見えるが、共通するのは企業がどのように人材を活用すべきなのか、経営者がどのように組織の競争力を高めることに心を砕くべきなのかということに対する問題意識だ。では、当の企業側はこうした人事制度の課題についてどのように捉えているのだろうか。

 1997年に役職定年制度を導入したキリンホールディングス。同社の社員は57歳で役職を離脱し、60歳までは「シニア経営職」という立場につく。経営職ではあるが部下は持たず、自分の得意分野で経験を活かして業務に従事してもらうというのが会社側の方針だ。他方、1985年からは「ライフデザインセミナー」と題し、キリンビールに籍を持つ50代の希望者を対象に「経済」「生きがい」「健康」などをテーマにしたセミナーを開催し、「第2の人生」に役立つ情報提供の取り組みも進めてきた。

 人事担当の三好敏也取締役は、役職定年制度について「もともとは一般的に、大量退職を控えていた『団塊の世代』をどのように処遇するかという観点で出てきたもの」と話す。「働き方が多様化したり、実力主義をどのように反映させるか試行錯誤が進んだりするなかで、本人の希望と会社が求めるもののバランス、仕事の役割と処遇のバランスを巡って複雑な課題が出てきているのは確か」と説明する。

国内事業会社の人事制度も刷新


キリンホールディングスの三好敏也取締役
 加えて、キリンホールディングスは国内の事業会社に関する人事制度も、2015年に大きく変更した。キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの酒類・飲料の3事業会社 の社員について、原則課長級以上の管理職につくタイミングで中間持ち株会社のキリン社に転籍するか、従来の事業会社に籍を残すかを選ばせるようにしたのだ。キリン社に移れば海外を含め幅広い業務や事業分野を経験できる一方、業務成果などに応じて役職や報酬が大きく変わるなど厳しい評価にさらされる。一方、事業会社籍のままでいれば専門的な業務に長く従事する一方、全社横断での活躍や評価は望みにくくなる。

 三好取締役は「今の50代にとっては、新しい人事制度も含めある意味でより厳しい環境に置かれるということではある。ただ、企業を取り巻く環境が厳しさを増すなかで、50代の社員は自らが置かれた立場を見つめ、残されたキャリアをどのように過ごすのか真剣に考えることが求められている。もちろん、会社側も社員をサポートする努力を惜しんではならない」と語る。

 日経ビジネスが、今回の特集で「ゆでガエル」世代と命名した50代。急激な経済情勢、人事制度の変化にさらされ、窯のお湯は煮えたぎってきた。今こそ新しい生き方へと踏み出すときだ。40代以下の世代にとっても、こうした先輩の苦境は全く他人事ではない。キャリアの在り方、人事制度の在り方について全世代的な議論を深めることが必要になる。


このコラムについて

どうした50代!君たちは「ゆでガエル」だ
50代の存在感が薄い──。
みなさんの会社でこんな声は上がっていないだろうか。
若い時に日本の経済成長を謳歌し、終身雇用を信じて就職。だが、バブルは崩壊。「失われた20年」が会社人生と重なり、本格的な成果主義の洗礼を浴びた最初の世代となった。 上には経済成長を支えてきた団塊世代が居座り、じっと耐え忍ぶうちに居場所がなくなっていたという人も。そんな「ゆでガエル」世代は不幸を嘆くだけで終わるのか。 50代男性の今後の生き方が日本の浮沈を握る。(日経ビジネス8月8・15日号の特集「どうした50代!君たちはゆでガエルだ」の連動企画)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/080500061/080900005/


 
日本に巣食う「学歴病」の正体
【第30回】 2016年8月9日 吉田典史 [ジャーナリスト]
「東大卒なら仕事ができて当たり前」は正しい能力観か?

「東大を出ていてもあれでは……」日本の職場でこうした話がよく出る背景には、日本独自の能力観が横たわっている
 今回は、会社員が企業社会で受ける「教育訓練」について考えたい。

 多くの職場では、上司や先輩、同僚、ときには外部の研修会社などから、何らかの形で仕事を教わるはずである。それらをまとめて、この記事では「教育訓練」と呼ぶ。

 会社員と取材を通じて接していると、彼らがある種の錯覚や誤解をしているのではないかと感じることが多い。一定水準以上の学歴を身につけている人は、入社後に「教育訓練」など受けなくても、ある程度のレベルの仕事ができるはずだと見られているケースが多いのだ。

 たとえば、その象徴的な言葉が「あの人は東大を卒業しているのに、あんなこともできない」というものである。こうした捉え方は、本当に実態に即しているだろうか。筆者は、こんな疑問を日頃から感じていることもあり、どこかの企業の職場で問題が起こったという話を聞くと、その職場の「教育訓練」が適正に機能しているかどうかに思いを馳せることが多い。

 今回は、最近経験した出来事をきっかけに、「教育訓練」と学歴について改めて考えてみた。読者諸氏はどう感じるだろうか。

医療クリニックと大学病院の
「対応能力の差」は何で決まる?

 この記事を書く数日前、筆者は医療クリニックで肺のCTスキャンの検査を受けた。フリーランスになった十数年前から、年に1〜2度のペースでこの検査を受けている。いつもは大学病院にするが、今回は仕事が立て込んで時間的な制限もあったため、このクリニックを選んだ。

 初めて訪れたところだったが、様々な意味で新鮮だった。まず、電話で検査の予約をする。20代前半と思える女性が出て、やりとりをした。そのやりとりの一部を紹介しよう。

「その日は、予約がもう入っちゃってて……」

「入っちゃってて……というのは、予約を入れることが難しいということですか?」

「いや、予約がもう入っちゃってて……」

 こちらの質問に対して、見事なまでに要領を得ない回答が返ってくる。女性の言わんとしていることは何となくわかるのだが、その都度、確認をしないといけない。

「どういう意味ですか?」

 女性もまた、傍にいると思われる人に何かを確認している。それを電話口で伝えようとするが、上手く話すことができない。教育訓練を十分に受けていないことがわかる。

 検査当日、クリニックに行くと、ここでも受付の女性は要領を得ない対応をする。こんなやりとりは、ここ十数年の間に大学病院で受けた「人間ドック」の受付では、したことがない。大学病院の受付にいたのも20代前半と思える女性だったが、「想定問答集」のマニュアルを覚えているかのように、スムーズに受け答えをしていた。

 医療クリニックでも、大学病院レベルの教育訓練を徹底させているところはあるのだろうが、筆者が検査を受けたクリニックはほとんどできていないようだった。大学病院とこうしたクリニックの差は、どこから生じるのだろうか。様々な要因が重なっているのだとは思う。たとえば、採用時の人材の質の差、賃金などの労働条件の差が考えられる。上司や先輩などの仕事への姿勢、考え方などを含めた意識の差もあるだろう。

 これらの差が生じる要因の1つに「学歴」もあるのではないかと筆者は思う。たとえば、大学病院の職員に関する求人情報誌やウェブサイトを見ると、採用試験の受験資格を「専門学校卒以上」「大卒以上」と謳っている場合が多い。

 一方で、クリニックの受付などの職員の場合、採用試験の受験資格が「高卒以上」といった条件になっているケースも多い。もちろん、それぞれのクリニックでは、院長や事務局長、総務部長らによる面接などが行われ、様々な観点から厳格に評価され、採用が決まっているはずである。しかし、大学病院と比べると一定の質の差があるように感じる。それは専門学校卒、大学卒、高校卒といった「学歴」の違いによって生じる潜在的な能力の差に起因するものだけなのだろうか。

「東大を出ていてもあれでは……」
潜在能力ではなく教育不足が原因では?

 筆者が考えたのは次のような仮説である。

 実は、一定の学歴を身につけていながらも大学病院に入ることができずに、小さなクリニックに職員として入った結果、教育訓練を十分に受けることができない人もいるのではないか。言い方を変えると、学歴を身につけただけでは、企業で生きていくことができないのではないか。東大卒や京大卒であろうとも、企業社会に入ったとき、一定の教育訓練を受けないと、潜在的な力は開花しないのではないだろうか。

 これは当たり前のようでいて、実は多くの人に欠けている視点のように思える。その一例が、会社員などが時折口にする言葉だ。東大卒の社員が仕事でミスをしたときなどに発せられる、「東大を出ていても、あのレベルではねぇ……」である。ここには、嫉妬や劣等感が絡んでいるようにも思える。

 きちんとした教育訓練を受けていない人ならば、どのような学歴であろうとも、仕事のレベルは低い可能性が高い。ところが、そのことが十分に理解されていない。筆者がここ二十数年の間に聞いた、今も記憶に残る言葉には次のようなものがある。

「東大を卒業して、あの英語のレベル?」「東大卒でありながら、部長どまり?」「東大卒でも、結局サラリーマンか……」

高学歴なら仕事もできて当たり前
古い能力観に囚われる企業社会

 こうした言葉を企業関係者から広い範囲で耳にするのは、この連載で何度か取り上げた「日本の能力観」と深い関係があるからだと思う。この能力観については、連載第1回で『日本的経営の編成原理』(岩田龍子・文真堂)という学術書を基に紹介した。端的に言えば、次のような捉え方が日本の能力観をよく表している。

「わが国では、一流大学の卒業生達は、その“就職戦線”において、他の卒業生よりはかなり有利な立場に立っている。このことは、彼らが、“実力”において他に抜きんでているからではない。むしろ、これは、彼らがよりすぐれた“潜在的な能力”をもっていると“想定”されるからであり、入社後の長期にわたる訓練の結果、次第にその“能力”を発揮すると期待されているからである」(『日本的経営の編成原理』151ページより抜粋)

 この指摘を基に、前述の「東大卒でありながら、部長どまり?」という言葉の背景を筆者なりに解釈すると、こうなる。

 “潜在的な能力”を持っていると“想定”され、その“能力”を発揮すると期待されていながら、東大卒の社員が「部長」という「イマイチ」なポジションで終わりつつあることに対して、さげすさみや喜び、嫉妬などが背景にある――。

 筆者はここに、日本人が心の奥深くに持つ「妙な平等能」、つまりは優秀な人を引きずり降ろす気質があるように感じる。この気質があるがゆえに、東大卒などの社員は偶像化されやすくなる。これが、学歴病なるものを社会の隅々に浸透させていく一因なのではないだろうか。

 多くの人は、前述の著書で述べられた「入社後の長期にわたる訓練の結果」という言葉に十分な注意を払わない。少なくとも、筆者はこの二十数年、「長期にわたる訓練」に着眼した上で能力観について語る人を見たことがほとんどない。「長期にわたる訓練」をしなくとも、会社員は大学の入学難易度(偏差値ランキング)に連動した仕事をする、と思い込んでいる人すらいる。いや、実に多い。

 振り返ってみると、「長期にわたる訓練」に着眼していた人が数人だけいる。筆者がメディアで働いていた頃に仕えた東大卒の上司たちである。団塊の世代であり、すでに定年退職している。この人たちが当時話していたもので、記憶に残る見解を挙げる。

「その取材は、10〜15年は(取材の仕事を)してきた者でないと、できるわけがない」「あの人(元首相)への取材は、20年(前後の経験がある)クラスの記者でないとできない」

 他にもいくつもあるが、そのいずれもが的確な捉え方だったと思う。当時の彼らの年齢に、筆者の今の年齢は近くなっている。だから、これらの指摘は正しいとわかる。ごく当たり前のことにも思える。

 しかしここ十数年、筆者はフリーランスとして新聞社、通信社、テレビ局、出版社、広告代理店などの社員90〜110人と仕事をしてきたが、こういう見方をする人が少ないことに気がつく。本人たちは気がついていないのかもしれないが、「日本の能力観」に程度の違いはあれ、強い影響を受けているように見えるのだ。

日本企業ではなぜ、
職業の本質や実態が語られないのか?

 彼らが発する象徴的な言葉は、次のようなものだ。

「あの人(著者)は東大卒だから、(本を)書くことができる」「あの編集者は東大卒だから、やろうとすれば記者だってできる」「東大卒なのに、あのレベルのことしか書けない」「東大卒なのに、書いている内容がこちらには理解ができない」

 こういうことを言う人たちは、「書く」という仕事や「記者」という職業の本質や実態をあまりにも知らなさすぎる。一方で、前述した筆者のかつての東大卒の上司たちは、取材という仕事の本質をきちんと心得ている。日本の能力観、言い換えると歪んだ劣等感を持っていない。偏見などなく、仕事についての実態などをあるがままに受け入れることができていたのかもしれない。これが、彼らが精度の高い仕事をしていた一因ではないかと、十数年経ってから感じる。

 当時の上司の指摘を基に、筆者流にさらに掘り下げるとこうなる。

 ある程度の学力や教養、資質、適性のある人が「長期にわたる訓練」をきちんと受けているならば、東大出身者などと同じ仕事で競い合おうとも、見劣りはしないだろう。その訓練の中身次第では、競い合うこと自体意味がないほどの差があるはずだ。それほどに、「長期にわたる訓練」には価値がある。このことも当たり前のようでいて、企業社会であまり理解されていないのではないだろうか。

潜在的な能力がいつか開花すると
信じ込む残念な高学歴者社員たち

 筆者がここ二十数年接してきた人の中には、「長期にわたる訓練」など関係なく、「潜在的な能力があればやがて開花する」と信じ込んでいる人のほうがはるかに多かった。得てして、一定の学歴を身につけながらも、様々な意味で行き詰まった人に目立つ。

 これは筆者の取材経験から感じることだが、「潜在的な能力」なるものがあるとしたら、遅くとも30歳前後までには何らかの形で開花するはずである。その時点で同世代の中で頭角を現すことができない場合、潜在的な能力など兼ね備えていなかったのだろう。

 30歳前後で頭角を現すことができない社員は、企業社会からこんなメッセージを突き付けられているのだと思う。

「他の業界や会社に移ったり、あるいは自営業をするなど、会社員以外の道へ進むことを含め、広い視野で今後の進路を考えたほうがいい。そこにこそ、潜在的な能力が潜んでいるのかもしれない」

 彼らはそのような自己分析をすることなく、何かに取り憑かれたかのように「潜在的な能力」を信じ込み、今の会社や職業にしがみ付く。それが、自らの可能性を閉じていくのかもしれないことすら想像しない。

 ここにも、深刻な「学歴病」が見えると言えないだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/98282


 

なぜ8月に?「山の日に休める」はわずか5割
みんなの不満
2016年8月10日(水)
米田 勝一、データ協力:不満買取センター
 明日(8月11日)は、今年から祝日となった「山の日」。「国民の祝日に関する法律」によれば、その趣旨は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」とされている。
 実は、日本の祝日数は世界的にも極めて高い水準にあるといわれている。にもかかわらず、新たに追加された祝日を、国民はどのように受け止めているのだろうか。「不満買取センター」が実施したアンケート(調査期間:2016年7月20〜21日)の結果と、代表的な意見を紹介する。
 アンケートは、不満を回答してもらう質問が中心。そのため内容に多少偏りはあるが、思わずうなずかされるものも多い。

「山に出かける予定」はわずか2%…
 アンケートではまず、「『山の日』は仕事を休めそうか?」「『山の日』に山に出かける予定はあるか?」を尋ねている。
 その結果が下のグラフだが、山が悲しみそうな数字が並んだ。「仕事を休めそう」との回答は52%にすぎず、「山に出かける予定がある」はわずか2%…。


 調査を実施したのが7月20〜21日であるため、まだ予定がはっきりしていない回答者も多かったであろうと推測はできる。だがそれにしても、新たな祝日が諸手を挙げて歓迎されているとは言い難い数字だ。その理由を、アンケートに寄せられたコメントから探っていこう。
「連休にできない」「夏休みに祝日があっても…」

「せめてハッピーマンデーにしてほしい」
「中途半端な日付で、かえってお盆休みに組み込みにくい。「出勤→(山の日による)休日→出勤→お盆休み」という状態になるので、生活リズムが崩れる」(31歳、女性、会社員)
「お盆期間との微妙な間隔が会社の夏休みの設定に影響を与えたため、例年に比べ、連続にできる休日数が2日も減った。なんで11日なんかにしたのだろう。例えば1日とか初旬にしてくれれば、こんなことにならなかったのに」(54歳、男性、会社員)
「こんなどうでもいい日こそハッピーマンデーとかにして欲しい。連休だと遊びに行けるのに。登山嫌いだし迷惑」(40歳、女性、会社員)
「なぜ8月に祝日を???」
「お盆休み前は仕事が立て込む。そんな時期に休日があってもかえって迷惑。また、学校の夏休み中に祝日があっても子どもたちは喜ばない」(53歳、女性、パート・アルバイト)
「お盆休みの上に11日も休むと、出勤日が減り、他の月に比べると給与が大幅に減る。祝日を増やすなら他の月にまわして欲しかった」(29歳、女性、その他)
「主人は、毎年夏は忙しいので休日出勤が普通。8月に祝日が増えても恩恵を受けられない」(31歳、女性、会社員)
「学生は基本的に夏休みだから意味がない。1日も祝日がなく、梅雨で憂鬱になりがちな6月とかにつくればよかったのに」(20歳、女性、学生)
「8月は夏休みもお盆休みもあるから祝日を増やされてもありがたみがない。どうせ作るなら、なぜ祝日がない6月にしなかった?!山の日、知名度が低すぎるのも気になる。旦那なんかつい最近までその存在すら知らなかった」(43歳、女性、専業主婦)
「8月に『山の日』という不思議」
「なぜ8月11日なんだ? 山開きが行われる時期ならまだ理解できるが…」(71歳、男性、無職)
「大体、こんな暑い時期に、海は行くけど山なんて登らない。8月に山の日って何?っていう感じ」(46歳、女性、専業主婦)
「8月は、山に登る適期ではない。暑い時期に登って倒れる人が増えるのが心配」(28歳、女性、会社員)
「海の日から近すぎて、どうしても海の日の方が目立って山の日がかすんでしまう気がする」(37歳、女性、専業主婦)
「そもそも、なぜ『山の日』なのか?」
「元々、山登りが好きな人は別に山の日に関係なく自分で最適な時期を判断して山登りするし、山の日だからと言って山登りに興味ない人が山登りをするとは思えないし…。わざわざ国民の休日にする意味があるのか?」(33歳、女性、専業主婦)
「そもそも『山の日』をお祝いする意味がわからない」(45歳、女性、パート・アルバイト)
「山の日なんて意味が理解できない。このような例が増えると祝日の意味が薄れていく。『海の日』があって『山の日』ができ、いずれは『川の日』なども作るのでしょうか?理解できない…」(58歳、女性、パート・アルバイト)
祝日が増えても休めるとは限らない

「元々祝日は仕事だから…」
「祝日を休める仕事なら喜ぶだろうが、休めない仕事だと負担が増えかねず歓迎できない。収入格差ばかりが取り上げられるが、“休日格差”だってある」(45歳、男性、会社員)
「自営業である我が家は祝日も休みではない。逆に、保育園が休みになってとても困る」(47歳、女性、自営業)
「主人の会社は年間の休日数が決まっているので、祝日が増えても全く意味がない。休日になると商業施設などが混むので、私個人はあまり嬉しくない」(56歳、女性、専業主婦)
「祝日は家族のご飯を作ったり、家事が増える。共働きだと、業種によっては、必ずしも一緒に休めるとも限らないし」(38歳、女性、パート・アルバイト)
「仕事にしわ寄せが」
「会社のマネジャーとしての立場からすると、企業としての営業活動日数が減少するため、成績が下がる可能性があり困る」(28歳、男性、会社員)
「うちの会社は、例年は13日からお盆休みだった。11日から連休になると、売り上げが減るので苦しくなる。12日に会社を開けていても、取引先は休むところが多いと思うので、結局は痛手となる」(45歳、女性、パート・アルバイト)
「簡単に祝日を増やさないでほしい。祝日が増えると、親の立場としては、出費が増えて苦労するだけ」(40歳、女性、パート・アルバイト)
________________________________________
 アンケート結果と寄せられたコメント、皆さんはどのように思われただろうか。そもそも、休日数だけを増やしても、休める環境が整わなければ、休日の効用も絵に描いた餅になる。今回のアンケート結果は、アベノミクス推進の柱の一つとされる「働き方改革」の必要性とその難しさが、改めて示された内容だと言えるかもしれない。
 ちなみに、「山の日」がこの時期に設定されたことに違和感を持つ方も多かった。事実、3000m級の高山は別として、低山においては8月は登山適期とは言い難い。明日、山歩きを予定されている方は、熱中症などに十分ご注意を。
データ協力:「不満買取センター」
世の中のあらゆる不満を買い取り、データ解析を通じて、企業や社会によるサービス改善や商品開発を支援している。


このコラムについて
みんなの不満
大事なことだから、気になるトピックだから――ちょっと言わせて! 消費者の不満の収集・分析を通じて商品やサービスの改善サポートを行っている「不満買取センター」の協力で、話題のトピックに関するみんなの「不満」「本音」を紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/research/16/071300001/080400002 
 

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コメント
 
1. 2016年8月10日 09:59:41 : nazIUoC8js : 2eaGyUrLWKQ[1]
もっともらしいこと言ってるが、バブル期以前の入社組へ払う給与が高すぎるってのが本音だ。
払う金が惜しいから、何とかならんのかっていうことで人事制度がこの十数年間変更に変更を重ねている。
やはり日本のガン世代だったわけだな。

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