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米雇用、大きな伸びはもう過去のものか
米国の雇用、これまでのような伸びはもう期待できないのか
By STEVEN RUSSOLILLO
2016 年 7 月 8 日 10:58 JST
5月の米雇用統計の数字は本当に期待外れだった。少なくとも同統計を伝える記事の見出しはそうだった。非農業部門就業者数はわずか3万8000人の増加にとどまり、3月と4月の数字もそれぞれ下方修正されたため、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げについて一層慎重になった。
しかし、景気回復のこの局面において、雇用が低迷するのは本来の状態からの逸脱でないとしたらどうだろうか。つまり、現状が「完全雇用」の状態だとしたら、そして、月次の就業者数が恒常的に20万人程度増加するという状態が過去のものだとしたら、いったいどうだろうか。こうした状況こそ、投資家やFRBが慣れる必要のあるシナリオなのかもしれない。
米東部時間8日午前8時半(日本時間午後9時半)に発表される6月の雇用統計は改善するだろうが、素晴らしいと言えるものには到底ならないだろう。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想によると、非農業部門就業者数は16万5000人増で、6カ月平均の17万人増にほぼ沿う数字となっている。ただ、昨年平均の22万9000人や一昨年の25万1000人には及ばない。
こうした減速傾向は過去のパターンに沿っているようだ。景気拡大は7年目に入っており、第2次世界大戦後では4番目の長さになっている。各景気回復期を4つの局面に分けてみると、驚くべき傾向が浮かび上がる。雇用増は通常、回復の開始局面と終了局面で最も弱くなっているのだ。
1960年代以来、各景気拡大期の雇用増加数は、拡大期の中盤に比べ最終局面で緩やかになっている。例えば、2001年11月から07年12月までの拡大期では、最後の4分の1にあたる最終20カ月の就業者数は平均10万9000人増だったが、これはその前の20カ月の平均のほぼ半分だった。
同様の傾向は、1980年代と90年代の景気拡大期でも起きている。
ただ過去分析の有効性には限度がある。現在の景気拡大期が実際後半に入っているとしても、まだこの後2年間ほどは拡大が続く可能性がある。一方で、雇用増の減速はそれほどひどいものではないし、5月のようなひどい数字がまた出てくる確率もわずかだ。
アトランタ地区連銀の経済モデルによると、労働参加率が現在の水準にとどまると仮定した場合、今後1年間に毎月11万8000人の就業者増があれば、リセッション(景気後退)期の水準から程遠い4.7%の失業率が維持されるとみられる。
雇用の伸びの減速は警戒すべきものでなく、今後は普通のことになるのかもしれない。
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6月の米雇用統計、5つの注目点
米CEA委員長、ベーシック・インカム制度を批判
AIの発達で労働市場が様変わりし、所得不均衡への懸念が高まっている。写真は自動車大手フィアット・クライスラーの工場(米ミシガン州)
By JEFFREY SPARSHOTT
2016 年 7 月 8 日 13:31 JST
米大統領経済諮問委員会(CEA)のジェイソン・ファーマン委員長は7日、ユニバーサル・ベーシック・インカム(最低限の所得を保障する普遍給付)を保障する案に否定的な見方を示した。労働市場に望ましい効果は生じず、所得不均衡は拡大する恐れがあるという。
ニューヨーク大学で講演したファーマン委員長は、「労働者の雇用を維持する可能性を断念することを前提とした政策を進めるべきではない」と指摘した。
ユニバーサル・ベーシック・インカムという概念は近年、欧米のエコノミストの間で支持を得ている。基本的には、職業の有無や所得水準にかかわらず一定年齢以上の全住民に毎月最低限の生活資金を与えるという案だ。技術革新や労働市場の悪化で大規模な雇用の喪失と創出が行われる中、新たな雇用では全く異なる技能が求められるような場合であっても、誰もが妥当な生活を送る機会を保証すべきだとの考えに基づいている。
スイスで先月行われた国民投票では、この案が反対多数で否決された。
米国の政策当局も疑いを抱いているようだ。ファーマン委員長は、人工知能(AI)が生み出す経済的な機会や課題を主なテーマとした講演で、この案を一切受け入れなかった。
「われわれの目標は何よりもまず、人々の雇用を確保するために技能訓練や就職支援、他の労働市場の制度を発展させることであるべきだ。そうすることにより(AIの発達で生じる)雇用問題にはユニバーサル・ベーシック・インカムを導入するよりも極めて直接的に対処できる」と述べた。
委員長はまた、ユニバーサル・ベーシック・インカムを導入すれば、米国ですでに懸念されている所得の不均衡は拡大すると指摘。むしろ既存の税制や所得移転制度を改善するよう呼び掛けた。
「この制度の一部ないし全てを、所得にかかわらず全ての国民に一定の現金を支給する制度と置き換えれば、現在よりも低所得層に的を絞っていない制度になってしまい、所得不均衡は縮小するどころか拡大する」と述べた。
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米所得不均衡消えず−昨年伸びは上位1%が下位99%の約2倍
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米所得不均衡消えず−昨年伸びは上位1%が下位99%の約2倍
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新たな調査研究によると、米世帯下位99%の実質所得は昨年、4.7%増加した PHOTO: BRAD BARKET/GETTY IMAGES
By
ANNA LOUIE SUSSMAN
2016 年 7 月 4 日 14:46 JST
朗報がある。米国の下位99%を占める世帯の所得が2015年、リセッション(景気後退)以降の低迷を脱してようやく顕著な伸びを見せたのだ。この膨大な数の世帯の平均所得は、インフレ率を調整した実質ベースでさえ前年比で4.7%増加した。
だがシャンパンの栓を抜くのはまだ早い。上位1%の所得の伸びはその2倍近くの7.7%だった。
これはカリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ経済学教授が明らかにした数値だ。同教授が(フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏と共同で)行った分析は11年、「ウォール街を占拠せよ」の抗議運動に参加した人たちが「われわれは99%だ」というスローガンを掲げてデモ行進する中で一躍脚光を浴びた。
雇用市場が引き締まり、新規雇用者が増加するのに伴い、最低賃金を受け取る人たちが増え、下位99%の所得はようやく上向き始めた。サエズ氏は、15年までにこの99%の世帯が07〜09年のリセッションで失った実質所得の約3分の2を回復したことを見いだした。
階層別所得比率
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-OT332_SNAG_P_NS_20160704024740.jpg
下位99%世帯の所得は「グレートリセッション(大不況)の落ち込みからようやく本格的に回復し始めた。(中略)それにもかかわらず、所得格差は依然として極めて大きい」とサエズ氏は指摘する。
実際、上位1%の世帯が所得額全体の圧倒的割合を占める構図は従来変わっていない。09年のリセッション終了以降の実質所得の伸びを見ると、上位1%がその52%を占める。
現時点でかなり良い思いをしている人は上位1%だけに限らない。サエズ氏によると、15年に上位10%世帯(年収約12万5000ドル以上)の所得は全世帯所得の50.5%を占めた。これは12年の過去最高(50.6%)にほぼ並ぶ水準だ。
大統領選の候補者たちが中間層の雇用喪失や企業エリートの勢力増大についてのメッセージを集中的に発信する中、今回明らかにされた数値は波紋を呼んでいる。
一部では、サエズ氏の方法論に異議を唱える向きもある。高齢化に伴い引退する人たちの割合が増えてきたため、所得全体に必ず下押し圧力が生じているはずだが、税引き前・移転前所得を目安にしている同氏の分析はそうした圧力を無視しているというのだ。引退して給付金で生活している人たちは納税申告書に所得ゼロと記載している可能性がある。
マンハッタン・インスティテュートのスコット・ウィンシップ氏の推計によると、世帯主が高齢者以外の場合、世帯の税引き前・移転前所得は1979年から2010年までの間に14%増加したが、高齢者世帯の所得は同期間に18%減少した。
中間層と考えられる米国民の数が減少していることや、(所得ではなく)富の格差が拡大していることを指摘する調査結果は複数ある。国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)などは、所得格差の拡大と経済成長の減速を関連づけようとしてきた。IMFは最近、所得の二極化が進まなければ、1998年から2013年までに個人消費は実際よりも3.5%増えていたとする報告書を発表している。
上位層の所得の伸びがこれほど先行しているのはなぜなのだろう。エコノミストらは一般に、技術革新に伴う定型業務の自動化でより高い教育を受けた人々が恩恵を受けるようになったこと、労働組合の弱体化、税制による再配分効果が減退していることなど、さまざまな要因を挙げている。興味深いことにサエズ氏も、「所得格差に関する社会規範が変化」し、単に米国民が所得格差に以前ほど不満を抱かなくなった可能性があると指摘している。
だが、政治家が展開する論調から察するに、下位90%の人たちはこうした傾向への不満を高めつつある。
「このような所得不均衡の拡大が効果的で容認可能なものなのか、そうでないとすれば不均衡是正に向けてどのような機構改革や税制改革を行うべきなのか、われわれは社会全体として決定する必要がある」とサエズ氏は言う。
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先進国と新興国の間で広がる情報格差=世界経済フォーラム
先進国と多くの新興国との間の「デジタルデバイド」が広がっていることが、世界経済フォーラムの最新リポートから明らかになった
By GEORGIA WELLS
2016 年 7 月 8 日 08:54 JST
先進国と多くの新興国との間の「デジタルデバイド(情報技術格差)」が広がっている。世界経済フォーラム(WEF)が6日発表した2016年の「世界情報技術リポート(GITR)」から明らかになったもので、デジタルアクセスにかかるコストが高いことが原因だという。
GITRによると、今年は米国、スカンジナビア諸国、シンガポールがランキング上位を占め、前年から大きな変化はなかった。一方でインドやメキシコといった新興大国の多くが順位を落とした。ランキングでは、デジタルエコノミーの恩恵を得る準備がどの程度整っているかが評価される。
WEFのエコノミストでGITRの執筆に加わったシリア・ボーラー氏は、後れを取っている国々にとって「動きがないということは、相対的に順位を落とすことを意味する」と指摘。「全体的に大多数の国がスコアを伸ばしている」と述べた。
GITRは、競争力を高めるために情報およびコミュニケーション技術を利用する各国の能力を評価している。ここでは規制、入手可能な技術、インフラ、公共における技術活用、テクノロジーの経済的インパクトなど53の指標が考慮される。ランキングの対象は139カ国。
2016年のランキング上位10カ国は前年と同じ顔ぶれだが、米国とノルウェーが順位を上げ、オランダとスイスが順位を落とした。
一方、規模の大きい新興国は低い位置にとどまった。中国は3つ順位を上げて59位、ブラジルは前年の84位から72位に躍進した。両国ともモバイルとインターネット利用が伸びた。リポートによると、中国ではこうしたITサービスの契約者数が過去1年で2倍近くとなったが、都市部と農村部で大きな格差が生じている。
メキシコは順位を7つ落として76位、インドは91位だった。これらの国が後退した一因は、ブロードバンドやモバイル接続など、インターネットおよびコミュニケーション技術にかかるコストが高いことだという。
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