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英国EU離脱ならユーロ圏に著しい影響及ぶ恐れ=ECB議事要旨
[フランクフルト 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が公表した6月2日開催の理事会議事要旨によると、英国が欧州連合(EU)離脱を決めればユーロ圏に著しいマイナスの影響が及び、成長見通しを悪化させると懸念されていたことが分かった。
理事会では、新興国などユーロ圏域外の弱含みや域内企業の継続的な負債圧縮が成長を阻害しており、リスクは依然下向きとの結論に至った。
議事要旨は予測は困難としながらも、「英国がEUを離脱を決めれば、貿易や金融市場など多岐にわたる経路を通じて、ユーロ圏にかなりの悪影響が及ぶ恐れがある」としている。
その後6月23日に実施された英国民投票でEU離脱が決定、金融市場は想定外の事態に混乱した。その余波でユーロは上昇、域内の国債利回りは総じて低下した。通貨高はECBの足かせとなる一方、利回り低下は金融政策にとってはプラスだ。
ドラギ総裁は国民投票の結果を受け、英EU離脱によりユーロ圏の成長は向こう3年に最大0.5%ポイント押し下げられる可能性があるとの見方を示している。
議事要旨では、インフレ見通しで必要が生じれば、責務の範囲内で利用可能なあらゆる手段を講じることで当局者は合意したとしており、必要なら行動する用意があるとの姿勢を重ねて強調した。
金融政策をめぐっては、社債買い入れや新たな長期資金供給オペなど、今後実施される緩和措置の効果を見極めるには時間を要するとの認識が示された。
このうち資産買い入れについては、市場は対象資産が将来的に不足すると予想、価格の振れが大きくなる可能性があるとの言及があった。
ECBは十分な国債が買い入れられない場合、他の資産で代替することも可能としたが、投資家は特定の市場セグメントと密接に結びついているため、実際の買い入れ構成は引き続き重要とした。
http://jp.reuters.com/article/ecb-policy-minutes-idJPKCN0ZN1EH
ECB:英EU離脱投票の予想困難な悪影響を協議−6月議事要旨
Piotr Skolimowski
2016年7月7日 23:07 JST
ECBが7日、6月会合の議事要旨を公表した
政策委員会は債券購入での制約について協議
欧州中央銀行(ECB)当局者らは6月初めに開いた会合で、ユーロ圏の景気回復は「緩やかだが安定したペース」で進む見込みであるものの、欧州連合(EU)離脱を問う英国民投票による「予想困難な」リスクにさらされているとの認識で一致した。7日公表された同会合の議事要旨が示した。
国民投票は「経済見通しに対する重大な不透明感の原因になり」、離脱選択の場合は「貿易や金融市場など多数の経路を通じてユーロ圏に重大な悪影響が及び得る」との見解で「総じて一致」したという。
議事要旨によると、当局者らは資産購入プログラムが将来、実践困難に直面する可能性も認めた。「現行の制限の下では購入する公債が一部の国で将来に不足すると市場は考えているもようで、これは価格の変動を大きくする一因となり得るとの声があった」という。
同時に、類似の債券を購入することが可能であり、「十分に類似した債券であれば、正確にどの資産を購入するかよりも、全体としての購入額とそれに伴うマネー創造が重要だ」との考えを示した。
また、新たな条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO2)と社債購入を含む3月発表の景気刺激措置の効果は6月公表のスタッフ予測に完全には織り込まれていなかった可能性があるとも指摘した。
原題:ECB Foresaw Unpredictable Economic Spillovers Before Brexit Vote(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-07-07/O9Y3W66S972J01
コラム:英離脱の副産物、新興国揺さぶる過剰流動性=西濱徹氏
西濱徹
西濱徹第一生命経済研究所 主席エコノミスト
[東京 7日] - 英国民投票での欧州連合(EU)離脱決定は、事前の世論調査で「残留」優勢と伝えられていたこともあって、国際金融市場では当初、大きな驚きをもって受け止められた。
ただし、その後は主要国を中心に十分な流動性対策がとられていることに加え、懸案事項である米追加利上げの先送り観測が強まっていることも手伝って、予想外に早く状況を克服しつつあるようにみえる。
新興国などにおいては、国際金融市場の動揺が資金流出につながり、国内金融市場における信用収縮が景気の下押し圧力を招くとの見方があった。だが、国際金融市場が「流動性相場」の様相を呈するなか、利回りを求める資金流入がかえって強まる動きすらみられる。
国民投票の結果判明直後には英EU離脱の世界経済への影響は「リーマン・ショック級」になるとの見方も一部にはあったが、そもそも今回の動きは、信用収縮が結果的に全世界的な需要の蒸発につながったリーマン・ショックとは全く性質の異なるものだ。
むろん、英国のEU離脱決定そのものが、直接的に世界経済に対し打撃を与える要因となるか否かは依然として不透明である。将来的に英国がEUから離脱する方向性を示唆する一方、両者の関係については今後の協議によっていかようにも変化すると予想され、その内容に応じて両者に与える影響は大きく異なってくるからだ。
「離脱ドミノ」を回避したいEUからすれば、安易な妥協は難しい。離脱の悪影響を極力回避したい英国側も交渉を急ぐことはないだろう。したがって、離脱協議の長期化は避けられず、世界経済に対する不透明要因がくすぶる展開となることが予想される。
<流動性相場に拍車、新興国へ資金回帰>
では、現時点で言えることは何か。まず、英国については、これまでEUとの間で自由に移動可能だったヒト、モノ、カネについて、少なからず制約がかかることが懸念されるため、その分マイナスの影響を経済に与えると見込まれる。EUにとっても、様々な分野において英国との間で分業体制が構築されてきたことを勘案すれば、英国の景気減速が翻ってマイナスの影響を与えると見込まれる。
さらに、新興国のなかには中東欧やアフリカ諸国などを中心に、輸出依存度が高いうえに対EU輸出比率の高い国が多い。こうした国・地域にとっては直接的に景気の下押し圧力となることは想像にかたくない。
ただし、同じ基準でアジアをはじめとする他の新興国を眺める場合、ベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部に影響が出やすい国はあるものの、中国やインドといった世界経済のけん引役が期待される国々において、貿易を通じて大規模に直接的な影響が及ぶ事態は想定しにくい。そのように考えれば、短期的にみて一連の問題が新興国に与える影響は限定的と判断できよう。
厄介なのは、英国とEUとの関係が長期間にわたって不透明な状況が続くことだ。上述したように、この行方によっては英国とEUの経済に大きな悪影響を与える可能性がある。双方ともに容易に譲歩できない状況にあることを勘案すれば、今後の協議を通じて様々なニュースが流れる度に国際金融市場が揺さぶられることも想定しておく必要がある。
ただでさえ、足元では主要国を中心に金融市場の動揺に対して流動性を確保することでその影響を極小化しようとする動きが強まっており、国際金融市場に供給されるマネーは過剰状態になりやすい。何よりリーマン・ショック後に先進国が軒並み実施した量的金融緩和政策の影響で、世界的なマネーの規模はかつてない水準に達している。
また、前述したように米利上げ実施時期の後ろ倒しを見込む動きが強まっており、これが国際金融市場の「流動性相場」化に拍車をかけているきらいがある。加えて、日本や欧州によるマイナス金利政策の影響も重なり、主要先進国では金利は大きく低下する、ないしはマイナス圏に沈没するなど利回りを得ることが難しくなっている。利回りを求める資金の動きが活発化して、結果的に新興国への資金回帰につながっている模様である。
むろん、こうした短期資金が国際金融市場の動揺といった外部環境の変化に敏感に反応することは、過去数年にわたって度々「ショック」と呼ばれた事柄が金融市場を賑わしてきたことを勘案すれば想像にかたくない。「流動性相場」と化していることで、市場の動きが非常にボラタイル(脆弱)になっていることをみても、環境変化によって事態が過度に反応する可能性は極めて高いと予想される。
<はしごを外されずに済む新興国の条件は>
目下のところ、主要国による景気刺激策の実施を背景に、原油をはじめとする国際商品市況の上昇を期待して、産油国などに資金流入が活発化している模様だが、世界経済が以前のような力強い経済成長を実現することへのハードルは高まっている。
さらに、世界的な原油の需給をめぐっては米国のシェールオイルの存在を無視することはできず、価格が上昇すれば直ちにリグ(掘削装置)の稼動率が向上して供給拡大の動きが強まることで上値は重くなると予想される。
年明け以降の原油相場の上昇に伴い、多くの新興国では原油安によるインフレ圧力の後退などファンダメンタルズ(基礎的条件)の改善を通じて景気を下支えしてきたが、今後はその効果が徐々に弱まる。また、今夏はラニーニャ現象が発生することで、穀物を中心に食料インフレ圧力が高まることが懸念され、多くの新興国でファンダメンタルズの悪化につながると予想される。
短期的にみれば、流動性相場を追い風にした資金流入が新興国市場に活況をもたらす可能性はあるが、すぐに「はしごを外される」リスクがあることには注意が必要だ。長い目でみれば潜在成長率が相対的に高い新興国に妙味があることは間違いないと言えようが、世界的に「内向き志向」が強まるなかでも、政治的な安定を追い風に構造改革にコミットし得る国であるか否かが、外的要因に対する耐性を見極める一因になると考えられる。
*西濱徹氏は、第一生命経済研究所の主席エコノミスト。2001年に国際協力銀行に入行し、円借款案件業務やソブリンリスク審査業務などに従事。2008年に第一生命経済研究所に入社し、2015年4月より現職。現在は、アジアを中心とする新興国のマクロ経済及び政治情勢分析を担当。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-toru-nishihama-idJPKCN0ZN0SG?sp=true
ブレグジットショックから投資家が学べる5つのこと
英国が予想に反してEU離脱を決めた後に急落したダウ工業株30種平均(ニューヨーク証券取引所)
By DAISY MAXEY
2016 年 7 月 7 日 14:59 JST
英国が予想に反して欧州連合(EU)離脱を決めたことについて、投資家はその影響が一巡するまで何年もかかる可能性があることを自覚しているようだ。そうした中、世界のあちこちで五月雨式に市場は不安定な動きを見せている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、インデックスファンドの創始者でバンガード・グループを設立したジョン・ボーグル氏やノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー氏など、投資や行動ファイナンスの専門家数人に、投資家がブレグジット(英国のEU離脱)のショックから学べる五つの教訓を聞いた。
1.相場が動くタイミングは見極め困難
インデックス投資の古典とされる名著「敗者のゲーム」で論じられているように、相場がいつ上がるかは事前には決して分からない。
人間は不確実性や複雑さをうまく扱えないため、最も有能な予想家でさえ地政学的イベントを予測するのは苦手なことが多い。これがエフィシェント・フロンティア・アドバイザーズの投資マネジャー、ウィリアム・バーンスタイン氏の見解だ。
地政学的不確実性に基づいて証券の価格を判断するという次のステップは、直観とは全く相いれない場合もあるため、それに輪を掛けて難しいと同氏は言う。「経済成長の減速(加速)が見込まれるというだけで投資収益率が下がる(上がる)わけではない」とした上で、「その象徴的な例が中国だ」と指摘している。
パッシブ運用の最も積極的な支持者の一人であるボーグル氏によれば、相場が動くタイミングを見極めようとしても、それに伴うリスクを上回るだけの見返りを得ることは絶対にできない。市場を牛耳っているのは短期的視野に立ったトレーダーや投機筋、というのが同氏の考え方だ。これらのトレーダーは感情で動いており、こうした感情の持続期間や度合いを予想することはできないため、「市場のタイミングを判断しようとするのは絶対にやめた方が良い」と同氏は言う。
2.人間が動かす市場は常に予想外の展開
米サンタクララ大学のメイア・スタットマン教授(金融学)によると、市場は「たいてい合理的かつ利口で思慮深く、企業収益に関する情報や(英国の)EU離脱で生じかねない影響を織り込んでいる」。
だが、同教授や他の専門家らは、短期的には人間の理不尽な行動が市場の投資収益を左右することもあると言う。
ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー氏
エール大学教授(金融学)のシラー氏は「市場は実は人間で構成されており、市場での人々の行動は論理的推理に基づいたものではない」と指摘。同教授は自著「投機バブル−根拠なき熱狂」で、市場のボラティリティー(変動率)と資産バブルを分析している。
一つ朗報がある。ボーグル氏によれば、長期的に見ると、市場の投資収益率は企業収益の伸びと配当利回りによって決まり、最終的には国内総生産(GDP)成長率を反映する。つまり「米国(と世界の)経済が(たとえ減速しようが)拡大している限り、恐らく債券や現金よりも株式の方が収益率は高い」というのだ。
3.目先の相場動向は気にせず長期投資を目指すべし
ブレグジット決定後の2営業日でS&P500種指数は5.3%下落したが、その後の3営業日で下げ幅をほぼ全て回復した。
今週に入り市場は再び荒れ模様だ。ブレグジットやその他の地政学的・マクロ経済的問題が渦巻く中、そうした不確実性と向き合う取引はコストや困難を伴いかねない。
バンガード・グループの創設者であるジョン・ボーグル氏 ENLARGE
バンガード・グループの創設者であるジョン・ボーグル氏 PHOTO: SCOTT EELLS/BLOOMBERG NEWS
ボーグル氏は「目先の感情で行動するのは逆効果だ。死ぬほど怖いときに逃げ出すことは確かに簡単だ。だが、いつ戻れば良いかを教えてくれる人などいない」と指摘する。
同氏によると、長く投資を続けている人たちは平均して「1年に約1回のペースでいわゆる市場危機に直面する」ことが予想される。「あなたが50歳だとしても、長期間保有してきた投資資産をいま手放して、例えばこれから30年か40年の間に30回、40回と絶好のタイミングで再度新たな投資を是非試みたいと思うか」と同氏は問い掛けている。
4.分散投資が鍵
専門家らはパニックを起こさずに厳しい市場環境を乗り切るための運用戦略として、リスクが自分の許容範囲内で相関関係のない資産クラスに分散投資することを奨励している。
インデックスファンドに満足していると話すスタットマン氏は、「陳腐に思えるだろうが、ただ情報を集めるだけの人たちよりも本当に頭が良くない限り、それ以外の戦略で生き残ることは不可能だ」との意見だ。
だがバーンスタイン氏は、投資家にとって分散投資は難しいと指摘。「強気相場のときは誰もがリスクに寛容となり、長期保有を前提とした投資手法を志す」が、「弱気相場では安全性のことばかり考えるようになる」と言う。
5.アドバイザーがいればパニックは回避可能かも
有能なファイナンシャルアドバイザーが提供する最大の便益の一つは、顧客の財務状況を分析して理にかなった資産運用計画などを指南することで、特に市場がショックに見舞われているときはなおさら重要な役割を担う、と専門家らは指摘する。
シラー氏は「もっと多くの人々がファイナンシャルアドバイザーを持つべきだと思う」とした上で、「全体としてプロのアドバイザーは自制や分散投資を推奨し、より広い意味での常識を教えてくれるはずだ」と述べている。
もちろん、どんなに忍耐強く現実主義のアドバイザーであっても顧客が腹を立てることは多い。
「つい最近相場が大きく動いたときにパニックを起こした人は、基本的な投資心理に重大な問題がある。(中略)パニックになる人は、相場の下げが2007年から09年までの下げに近づけば(こうしたことは将来必ず起きると予想される)、アドバイザーに電話して(保有金融資産を)全部売却するよう伝えることだろう。そしてアドバイザーは売却に動くだろう」とバーンスタイン氏は言う。
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