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焦点:「介入ハードル高し」見透かす為替市場、円高圧力に直面
[東京 15日 ロイター] - 年初はドル高/円安を想定する声が大きかった外為市場に、円高方向への大きな圧力がかかり続けている。
英国の欧州連合(EU)からの離脱懸念や米金融政策をめぐる思惑が、市場の流れに大きく作用。日本の通貨当局は、口先介入でしのいできた。だが、英国民投票を前に円高圧力は予想以上に高まる兆しを見せ、「介入のハードル高し」と見る市場との心理戦に向け、当局は正念場を迎えようとしている。
<フォレックスパーティーで放たれた口先介入の矢>
4月13日、都内で外国為替市場の関係者を集めた「フォレックス・パーティ」が開かれた。ミスター円の愛称で親しまれた榊原英資・元財務官も過去にこの場でスピーチし、その後の相場に影響を与えた。
今年の会合でも、財務省や日銀の幹部が招かれ、日銀幹部から「原油価格の上昇で貿易収支が悪化し、経常収支の再投資が行われることや、米金融政策への見方などを引き合いに、先行きの円高をけん制するような発言があった」(同パーティー参加者)とされる。
今年4月は、外為市場に影響を与えるようなイベントがいくつもあった。麻生太郎財務相とルー米財務長官との日米財務相会談が14日、日銀の金融政策決定会合が27、28日と続き、当局のスタンスに市場の注目が集まっていた。
そうした最中におけるフォレックスパーティーでの当局者発言に対し「『円安誘導』ととれる発言は、為替介入に関する日米合意や追加緩和の思惑につながった」と、関係者のひとりは指摘する。
だが、その後の展開は、こうした市場の思惑とは「正反対」に動いた。日米財務相会談では、円高時の介入に関する日米のスタンスギャップがあるとの見方が広がり、日銀は追加緩和を見送った。
4月日銀会合後、円相場が急騰したのは、市場の失望を誘発したためだというのが、コンセンサスとなった。
<市場が認識する日米間のギャップ>
政府は、年初から急ピッチな円高に見舞われるたびに「一方的で偏った動き」などと語気を強め、その進行を食い止めてきた。
複数の関係者によると、口先介入に併せて、実際の介入に向けた地ならしとされる「レートチェック」も複数回実施し、過度な為替変動をけん制してきたとされる。
だが、介入そのものには踏み切らない現状に、市場から聞こえてくるのは「当局は『オオカミ少年』のようになりつつある」(外銀)との皮肉の声だ。
当局や市場が為替介入の基準とみるのは、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明に盛り込まれた表現。「為替の過度の変動や無秩序な動きは経済、金融の安定に悪影響を与える」とし、足元の動向が「過度の変動」「無秩序な動き」に当たれば介入は正当化される、という理解だ。
しかし、ルー米財務長官が「無秩序と言うためのハードルは高い」との姿勢を維持。市場では「日米当局の異なる立場を見透かした投機が幅を利かせ、円は買われ続けるだろう」(国際金融筋)との声も出るようになってきた。
<ブレグジットで試される当局の対応力>
そこにブレグジットの是非を問う23日の英国民投票が迫ってきた。当初の市場想定を超え、6月半ばの段階で、英国の離脱を前提にしたリスクオフ相場が進行。ドル/円は、大きな節目とみられている105.50円を目前にするところまで、ドル安/円高になっている。
しかし、政府が円高を抑止できるかは疑問だと、先の国際金融筋は予想する。「仮に日本がドル買い/円売り介入に踏み切っても、『離脱』の結果が出れば、それを上回る円高が進むだろう。『残留』となれば、米国との関係を悪くするだけの介入となりかねない」と、同氏はみる。
政府部内では、英国民投票の結果がどちらに転んでも、効果がかき消されかねない点では、日銀も同じようなポジションにいるとの声が漏れる。
ある政府関係者は「動揺を鎮める唯一の合理的手段は、英国民を説得することしかない」と述べていた。
*見出しを修正しました。
(ポリシー取材チーム 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/forex-idJPKCN0Z10OW?sp=true
6月FOMCで利上げの確率ほぼゼロ、米単独の行動は論外−チャート
Lisa Abramowicz
2016年6月15日 15:51 JST
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iBs3YgrzB75Y/v2/-1x-1.png
米連邦公開市場委員会(FOMC)が15日に利上げに踏み切る可能性は極めて低い。ブルームバーグ・ガドフライのリサ・アブラモビッチ氏によると、仮に利上げに踏み切れば、金融当局者がここ数カ月、世界的な妨げになると警告していた市場混乱をまさに誘発するリスクがある。FOMCは完全雇用と物価安定という責務に関する以外のリスクをどう評価するのか率直に示すと同時に、世界の主要な金融当局との協調にオープンになる機が熟している。
原題:Fed Going It Alone Unlikely, But Here’s Food for Thought: Chart (抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-15/O8SUGQ6JTSE801
コラム:「トランプ円高」旋風は吹くか=斉藤洋二氏
斉藤洋二
斉藤洋二ネクスト経済研究所代表
[東京 15日] - 11月の米大統領選に向けて7月後半の民主・共和党大会で両党の指名候補が選出されるが、民主党はヒラリー・クリントン氏、共和党はドナルド・トランプ氏でほぼ決まった。両者を比較するとクリントン氏が一貫して優位とされてきたが、5月後半以降の各種世論調査では両者の支持率は拮抗している。
この2人の具体的な政策はいまだ不透明な部分が多い。ただ、クリントン氏は、環太平洋連携協定(TPP)について反対へと転じているとはいえ、オバマ大統領と同じ民主党であることから、従来路線から大きく逸脱することはないと思われる。
一方のトランプ氏は、当選した場合、日ごろの言動から外交防衛政策を中心に懸念が高まっており、「トランプ・リスク」と言っても良いぐらいの激震を金融市場に与える可能性がある。同氏は、軍事面では日本・韓国の「安保ただ乗り」を非難し、一方で多数の移民を送り出すメキシコを攻撃している。さらに、経済面では対米貿易黒字国の中国や日本の責任に言及するなど、貿易・金融為替政策に激変を予感させる。
したがって、日本も日米軍事同盟下での安全保障体制の変革を迫られる可能性を否定できない。また、米国内にドル高への不満と保護主義の機運が高まっていることから、今後はアベノミクスの柱である円安政策への批判と円高圧力が高まりそうだ。
<次期大統領が引き継ぐ宿題>
リーマンショック直後に就任したオバマ大統領は、金融改革を進めて市場の安定化を図り、株価が回復するなど経済はおおむね順調に拡大した。そして任期が8カ月を切り、オバマ大統領はレガシー(遺産)を残すことに注力しており、その集大成として今年末に行われる見込みのTPP議会承認の行方が注目される。
しかし、ねじれ現象にある議会で承認されない場合は、次期政権でもその実現は遠のき、保護主義が加速することになりかねない。
このようにオバマ大統領は内政問題の解決を進めるのは難しく、外交問題への傾斜を強めざるを得ない。これまでの外交実績と言えば、「核なき世界」に向けたプラハ演説やノーベル平和賞受賞で華々しく発進しただけに、世界の人々の期待を裏切った観は拭えない。ただ、5月末の広島訪問で核廃絶の必要性を世界にアピールしたことは大統領の面目躍如だった。そして、イラン核合意の実現やイラク・アフガニスタンからの米軍撤退を進めたことはオバマ大統領の平和主義に基づく外交政策に一定の評価がなされる背景となった。
とはいえ、ロシアのクリミア併合、ウクライナ内戦、そして過激派組織「イスラム国(IS)」の活発化と現在の地政学リスク拡大は、オバマ大統領が2013年8月にシリア空爆を躊躇(ちゅうちょ)したことが契機になったとの指摘があることは無視できない。
そして、イラン寄りのスタンスを取ったことはサウジアラビアやイスラエルとの関係希薄化やシリアの混迷など、中東情勢の液状化をもたらしたが、これらは次の大統領への宿題となってしまった。
<トランプ・リスクの正体>
選挙戦前半の主役と言えばトランプ氏とバーニー・サンダース氏だろう。トランプ氏は毒舌を武器に、低所得・低学歴の白人の支持を集め、本命視された候補をすべて蹴散らし「トランプ旋風」を巻き起こした。
一方、民主党において社会主義を唱えるサンダース氏が若者・低所得者層の支持を集めて善戦したことは、クリントン氏の主張を左寄りへと修正させ、オバマ政権と一線を画すこととさせた点で特筆されるものだ。
トランプ氏やサンダース氏と言ったこれまでなら「異端」と映った候補に人気が集まったのは米国社会の変質を反映したもので、これがトランプ人気そしてトランプ・リスクの正体と言えよう。これまでの米国はサンダース氏が主張する社会主義などとは無縁だったが、格差拡大につれ中間層が脱落して低所得者層が拡大していることの表れだ。そして、ヒスパニック系など移民の増加により(白人の)米国人が職の奪い合いにおいて敗れつつある実情を反映していると言えよう。
このように今回の大統領選は米国社会の変質を浮き彫りにしており、クリントン氏は苦戦を強いられることとなった。同氏は4年間にわたり国務長官を務め、またファーストレディとしても8年間ホワイトハウスにいたことから、既成政治や特権階級の代表と見られ不人気に拍車をかけることになっている。
実際、「ブッシュ(親子)王朝」と「クリントン(夫妻)王朝」の繰り返しが続くことには米国民の多くが辟易するのもやむを得ないかもしれない。今後、連邦捜査局(FBI)が捜査するメール問題がクリントン氏の足を引っ張る可能性もぬぐえぬことから、大統領選の帰趨は最終局面まで予断を許さない状況が続きそうだ。
<年後半のリスクオフは不可避か>
共和党そして米国民の多くは21世紀に入りイラク戦争、アフガニスタン戦争を進めたブッシュ大統領(当時)とチェイニー副大統領(当時)というネオコン・コンビの暴走に懲りている。このような環境下、今後、トランプ氏はこれまでの共和党の基本路線を踏襲し、「小さな政府」と「減税」に加え「不介入主義」を強く打ち出し、「アメリカファースト(米国第一)」に徹するだろう。
その結果、外交政策に激変が予想されるが、同時にオバマ大統領が中国を意識して構築を目指したTPPの実現は遠のくことになり、保護主義が強まることになるだろう。
一方、クリントン氏勝利の場合はトランプ氏ほどの変化をもたらさないものの、すでに反対表明しているTPPの実現が遠のく。TPPは米国内の産業・労働者に不人気であり、米国は自由貿易を目指したオバマ政権時代と異なり保護主義を後押しする動きが強まるに違いない。
このように次期政権は保護主義色を強めることになるが、対中貿易赤字が増大している現状、中国への強硬姿勢を強める可能性が高まる。また、これまでのドル高による国内製造業への打撃を回避するためにもドル安政策を進める可能性が高い。
一方、金融面に目を転じれば、米大統領選のある年の多くにおいて株価が値上がりしている。つまり、米連邦準備理事会(FRB)が選挙を意識して金融引き締めを極力避けた節があることと無縁ではなかったようで、その点で今回もFRBが大統領選にとらわれることなく独自の中立性を尊重できるのか、つまり投票前の7月や9月に利上げを実施するのか注目されるところだ。
また、財務省は両候補の保護主義的主張に配慮してドル安(円高)を誘導することになるのか、ホワイトハウスの次の住人の意向が現政権の政策にも影響を及ぼすことになるだろう。すでに日本政府が意図する(円売り)介入に様々なけん制球が投げられているのはその表れと見ても良いだろう。
トランプ・リスクを抱える米大統領選は、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)と並ぶ2016年の二大リスクと言ってよく、年後半にかけリスクオフの動きが強まる可能性は高い。さらにアベノミクスに息切れ感も目立つことを勘案すれば、円高への潮流が強まることは避けがたいのではないだろうか。
*斉藤洋二氏は、ネクスト経済研究所代表。1974年、一橋大学経済学部卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。為替業務に従事。88年、日本生命保険に入社し、為替・債券・株式など国内・国際投資を担当、フランス現地法人社長に。対外的には、公益財団法人国際金融情報センターで経済調査・ODA業務に従事し、財務省関税・外国為替等審議会委員を歴任。2011年10月より現職。近著に「日本経済の非合理な予測 学者の予想はなぜ外れるのか」(ATパブリケーション刊)。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yoji-saito-idJPKCN0Z021H?sp=true
- その金曜日に覚悟すべき事−ポンド暴落、恐怖の拡散、緊急会合 日本国債の超低金利がグローバル化、マイナス金利輸出 PD返上 軽毛 2016/6/15 18:44:41
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