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株価の下落と英国のEU離脱
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52809367.html
2016年06月14日 在野のアナリス
今週に入ってから英国のEU離脱確率が高まり、世界にリスクオフムードが広がります。日本株も2日間で日経平均が750円ほど下落、16000円を割れてきました。朝方は16000円を底堅い、と見せかけるためか、シカゴ日経平均先物に鞘寄せするも急速に16000円に切り返しましたが、後がつづかないとなるとすぐに下落に転じた。日本株の弱さを改めて意識させられた形です。弱さの原因ははっきりしていて、外国人投資家が買わないから。しかもその原因は、参院選を通過しても安倍ノミクスがつづくのなら期待もない、ためです。海外では悪評まみれの安倍ノミクスを日本がつづける、と言っているのですから、外国人投資家は様子見を決めこみます。
さらに昨日、4-6月期法人企業景気予測調査の結果が悪かったことも影響します。現況判断指数は大企業が全体で-7.9、中小企業が全体で-16.9。深刻なのは、前回調査の見通しの時点ではそれぞれ-2.2、-6.8と、予想より大きく悪化した点です。7-9月期の見通しは上昇すると企業は予測しますが、根拠レスである点は否めない。安倍ノミクスが始まってから顕著な動きとして、企業や証券系のアナリストは見通しや先行きには楽観を示すことが多いのですが、今回のように見通しに届かないことが増えているのです。これも外国人投資家を遠ざける要因であり、日本の指標などは信憑性が低い、という評判にもつながります。特に、この調査で経常利益は全産業で-4.6。これも下期回復をみこんでおり、前回の調査からは引き下げられました。こうした楽観的な見通しが増えたため、サプライズも起こりにくいのです。
それは企業の想定為替レートが対ドルで110円、などと出していたら、いくらEPSやPERが割安を示しても、それを根拠に買いには動けない。よほど為替予約をうまく入れていない限り、減益要因でもあります。こうして「日本には信がおけないよね」が、今や外国人投資家の合言葉になった。安倍政権、企業ともに懐疑的な目を向けられては浮上の目もありません。
そんな中、英国のEU離脱の影響を考えてみます。概念的には英国はEUの準加盟国で、通貨もポンドをつかうなど、独立しても影響は少なく感じます。しかし英国のいるEU、EUの後ろ盾のある英国、という肩書きがとれることで、双方の保証が切れる。そのことで投資資金の流れが変わってしまうことが、もっとも懸念されるところなのでしょう。信用とは必ず前提がつく。英国のいるEU、EUの後ろ盾のある英国、それを前提にして信用が成り立ち、投資が行われてきた。ロンドンの不動産バブルなど、労働者がふつうに働いていると賃料を払えないなど、異常な水準まで達してきました。その流れが転換すると、何がおきるか分かりません。
第2次大戦後、高福祉国を目指して「ゆりかごから墓場まで」をスローガンにしました。今や「世界をゆり動かし、墓場まで導く存在」として、世界を震撼させています。やがて英国病とよばれる景気停滞が、20年以上つづきました。それを脱したのがサッチャー政権です。しかし地方や疲弊、一方で金融マーケットは成長し、ロンドンを中心として経済を復興させ、今やEU内でも独国、仏国に次ぐ3位、その資金の流れが変わったとき、どんな不測の事態がおきるかは、予断を許さないところでもあります。正直、私もまだ推定できていません。
しかし翻って日本の状況は、意外と戦後の英国と重なるのでは? とも考えます。バブル景気以後、ずっと景気は低空飛行、サッチャー主義ではありませんが、アベクロと呼ばれる日銀プレイにより、景気を回復させるとして安倍政権が誕生しました。しかし現状は景気は低迷、マインドが大事と楽観ばかり振りまきますが、もうそのウソには誰も見向きもしません。今や日本は『日本病』もしくは『安倍病』というぐらい、深刻な病の症状を呈しているのでしょう。英国のEU離脱は、世界経済をゆるがすほどの問題とされる一方、日本経済の失速には誰も目を向けない。安倍首相の言葉には耳を傾けない。日本は世界から見向きもされていないのに、国際的にリーダーシップをとった、と自慢する奇妙な人が首相の座にいるのに、誰もおかしいと声を上げられない。安倍病は内向きで残念な病、といえるのかもしれませんね。
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