http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/692.html
Tweet |
次の消費増税にむけて財務省が打った「布石」〜「給付型奨学金」をめぐる唐突な態度変更の理由
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48839
2016年06月12日(日) ドクターZ ドクターZは知っている 週刊現代 :現代ビジネス
■財務官僚は国民を見ていない!?
先送りから一転、「給付型奨学金」を導入する方針が決まった。
これまで日本の大学には、返済が義務づけられている「貸与型奨学金」しかなかったが、政府は返済が不要である「給付型奨学金」を、早ければ2017年度にも創設するという。
奨学金制度を所管する文部科学省は、4月中旬、給付型奨学金について財務省との協議に着手。ただ、給付型には一定の恒久財源が必要になることから、財務省は難色を示していた。それを受け、政府も導入に関する結論を先送りする方針を固めていた。
それがなぜ、一転導入へと変わったのか。政府関係者は「財務省の態度が軟化したため」とするが、そうだとすれば、財務省が態度を変えたのはなぜか。
これには、消費増税の見送りが深く関係していると、私は読んでいる。
伊勢志摩サミットが終わった5月28日夜、安倍晋三首相は消費増税見送りの方針を示した。するとすぐさま、財務省は麻生太郎財務相を通じて、見送り反対の意向を発表した。
財務省が消費増税見送りに反対するやり方はいつも同じで、「消費増税なしでは社会保障費がまかなえず、予算が組めない」という脅しである。
財務省がこの脅しをできるのは、そもそも消費税が、「社会保障目的税」とされているからだ。そのため、社会保障関係者は、この理屈を持ちだされると、消費増税に賛成せざるを得なかった。
消費増税の先送りが決まったことで、財務省による来年度予算での社会保障関係費の締め付けは、間違いなく厳しくなるだろう。
■増税こそ財務省の悲願
ただし、'15年10月に予定されていた消費増税を先送りされた時も、やはり社会保障関係費の締め付けはあった。だが、何とか社会保障関係費の激減は免れた。景気が回復していたため、税収も増加し、予算編成はそれほど苦しくなかったからだ。
つまり、消費増税が先送りされても、社会保障関係費は何とか賄えるという結果が、すでに出ているのだ。
言わずもがな、消費増税を悲願とする財務省にとって、この事実は非常に都合が悪い。そこで財務省は、返済不要の給付型奨学金の創設を飲み、文科省に気前のいいところを見せたわけだ。恩を売ることで、文科省を消費増税の応援団にしようとしたのである。
「給付型奨学金を容認してもいい」と財務省が文科省に伝えたのは、安倍首相が意向を固めた5月28日の前である。ここにも、財務省の計算が見て取れる。
消費増税の延期は、これから参院選の公約となって、参院選後に正式に政府方針となる。そのときには、2017年度の予算編成方針も決まる。
だが、消費増税の先送りが決まったため、予算は抑制されることになり、給付型奨学金もご破算になる可能性は高い。そこで財務省は、給付型奨学金を導入したいならば、やはり消費増税が必要であるという、文科省関係者の意見を引き出すつもりだろう。
来年4月の消費増税は難しくなった。だが財務省としては、「その次」の際は、何としても先送りをさせたくない。そこで今回、奨学金問題でその布石を打ったわけだ。財務省の長期戦略は侮れない。
『週刊現代』2016年6月18日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民109掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。