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電力切り替え100万件 自由化2カ月、鈍い出足 安値の実感乏しく
消費者が電力の購入先を選べる小売り自由化が4月に始まって2カ月が経過した。大手電力からの契約切り替えは103万件強と全契約の1.7%にとどまり、出足は鈍い。料金引き下げの効果が小さく乗り換えに勢いがつかない。電力仕入れコストの高さなどから値下げには限界もあり、自由化で先行する米欧に追いつくには課題が多いようだ。
経済産業省の認可法人、電力広域的運営推進機関は3日、5月末までに契約先を切り替えた家庭は103万5500件だったと発表した。4月初旬は1週間に10万件近いペースで切り替えが増えていたが、5月に入ると週5万件程度にテンポが鈍った。
6000万件を超える大手電力の契約件数と比べるとわずかで、「自由化の恩恵が行き渡っているとはいえない」(経産省幹部)。同省内では契約全体のまず10%程度の切り替えを期待する声があるが、目標到達に数年単位の時間がかかる可能性が高い。
消費者の動きが遅いのは、切り替えても電気料金が大きく下がらないため。新規参入業者の料金プランでは、電気を多く使う世帯でも自由化前の料金と比べた値下げ率は平均5%前後だ。
4月に東京電力エナジーパートナーから東京ガスに切り替えた東京都内の30代の女性は、「多少は下がるが高いことに変わりはない」と不満げ。
プライスウォーターハウスクーパースの調査では、大半の消費者が切り替えを考えるのは値引き率が20%を超えた場合で、300社を超える小売り各社の多くが消費者の食指が動くプランを提示できていない。電気をあまり使わない世帯は切り替えで料金が上がるケースもある。
日本の電力市場は変電所などの送配電部門も含めた完全自由化は2020年の予定だ。小売りを自由化してもインフラは大手電力による地域独占が残る。新規組は大手のインフラに頼らざるを得ず、コスト削減にも限界がある。
1990年代以降、相次いで電力小売市場を自由化した欧米では環境整備が進んでいるところも多い。ドイツでは小売事業者の参入は約1150社に上っており、消費者の選択肢は豊富だ。
米国のある南部州ではウェブサイトで居住地の郵便番号を入力すると200以上のプランを比較でき、1セント単位のギリギリの料金競争も盛んだ。
英独では電力消費全体の半分程度が卸取引所を経由しているのに対し、日本の卸取引所のシェアは2%程度。大手電力が発電設備を囲い込んでいることが、競争が活発になりにくい一因だ。
[日経新聞6月4日朝刊P.3]
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