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老後、なぜ大半の人が貯金不足で後悔するのか?自動的に毎年15%儲かる老後資産形成法とは
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15386.html
2016.06.07 文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表 Business Journal
■確定拠出年金法の大改正が実現し、お金のトリセツに1項目加わる
5月24日に確定拠出年金法の改正が実現し、2017年1月より現役世代なら誰でも個人型確定拠出年金に加入できることになりました。確定拠出年金といわれてもほとんどの人はぴんとこないと思いますが、現代の「お金のトリセツ」に「老後のお金の貯め方」という一章を設けるとしたら、必ずその利用が推奨される有利な仕組みのひとつです。
有利な点は「税制優遇」です。自分の老後に向けて積み立てたお金を確定拠出年金口座に入金するだけで、所得税と住民税が軽減されます。年収や家族構成等の条件にもよりますが、15〜20%くらいを実効税率とすれば、最初からその分を運用で稼いだと同義で、最初から無条件で稼げる投資といえるわけです。
もう少し詳しくいえば、本来1万円を稼いでも、所得税や住民税が引かれるので8000〜8500円が手取りになります。ところが、確定拠出年金の口座に入金することを選択すれば、1万円がそのまま入金されるのです。月400〜500円の事務コストが生じますが、それでもお得です。
しかも運用によって得られた収益については、受け取り時までずっと非課税になります。通常なら運用益には20%課税されるので、税金の差が明らかに資産額の差につながります。
さすがに受け取り時に課税があるものの、税率は現役時代と比べ軽減されており、一括で受け取った場合、退職金みなしとなり非課税になる可能性すらあります。
仮に22歳から60歳まで月1万円を積立に回し、年4%の運用益(手数料等控除後)が得られたとすれば、300万円もの差がつきます。
※項目名:確定拠出年金、通常の資産形成
・毎月の積立額:1万円、8500円
・運用益:4%、3.2%
・最終受取額:1068万円、755万円
ここで重要なのは「そもそも積立に回した額は同一」「そもそもの運用成績は同一」でありながらこの差がつく、ということです。税金の差というのは長い目で見ると大きな差になる、というわけです。ちなみに確定拠出年金口座の資産は個人財産なので、国の制度だからと世代間の支え合いという理屈で減らされることもありません。
この確定拠出年金制度、今までは会社が実施している場合に企業型確定拠出年金に強制的に入るか、自営業者か企業年金のない会社員が任意で個人型確定拠出年金に入るしかチャンスはありませんでした。今回の法律改正で、下記のように利用範囲が拡大されます。
(1)企業年金のある会社員でも利用できる(=会社員は誰でも利用できる)
(2)公務員も利用できる(実は退職金をごっそり引き下げられているので穴埋めが必要)
(3)専業主婦も利用できる(専業主婦も自分の退職金を持つことができる)
簡単にいえば、現役世代は誰でも確定拠出年金を使った老後資産形成が可能になるわけです。これは日本の老後資産形成の大きな変革です。
ところが、個人がこういった魅力のある制度を有効活用しているとはいえない状態にあります。すでに入れる人でも個人型確定拠出年金に加入している人は1%くらいしかないのです。
■老後のお金を貯めたいなら、セオリーはもうはっきりしている
ある統計では20代を除くすべての世代で、不安の第1位は老後の経済的不安でした。「老後破産」のようなテレビ番組や書籍が注目を浴びていますが、誰もが老後のお金の不安を抱えている時代です。
しかし、老後のお金の問題について、問題の構造ははっきりしています。
まず「老後になってから老後の経済的備えをするのは不可能である」ということです。年金の一部を貯金し10年後に回すようなことは不可能ですし、リタイアしたのだから仕事で稼いで貯金することももうできません。年金生活になってから気づいても遅く、その準備は現役時代に始めて現役時代に終わらせなければならないのです。
言われると当たり前のことに思いますが、ほとんどの人はきちんと実行していません。定年退職者のほとんどすべての人が「もっと早く気がついて、もっとお金を貯めておけばよかった」と愚痴をこぼします。
読者がまだ定年前なら、老後のお金を貯めるための選択肢は「今やるか、やらずに定年までずるずる暮らして後悔するか」の二者択一なのです。
■しかし、老後のお金を今貯めることほど難しいことはない
理屈として、老後のお金が老後に貯められないことを知っていたとしても、誰もがはいそうですかと老後のための資産形成にいそしむわけではありません。
むしろその逆で、私たちは非合理的な行動を取ってしまいます。これは行動心理学を経済学に応用した行動ファイナンスの研究成果でも明らかです。ゴールが遠すぎ、目標金額が大きいテーマから私たちは目を背けます。近視眼的損失回避などといいますが、今何かを我慢しなければ将来の備えはできないとしても、リアリティがない老後のために目の前の生活を切り詰められるほど、人は強くないわけです。
私たちは毎月の家計を安定的に維持するだけでも大変です。そのうえ住宅ローンの返済(購入前なら頭金づくり)、子どもの学費準備などの「目の前にゴールが明確に迫っている資金ニーズ」に追われる日々です。数十年先の老後のために3000万円くらいを計画的に積み立てよう、とはいかないわけです。
しかも、「子どもが大学を卒業したら自分の老後に備えよう」「住宅ローンが終わったら自分の老後の貯金をしよう」というアプローチも通用しません。現在暮らす人たちの多くは、子どもが卒業したら50歳代後半から60歳代前半であったり、住宅ローンの返済終了年齢を60歳代から70歳代に設定しているからです。「Aが終わったらBに着手」というわかりやすいやり方は、老後のお金には通用しなくなっています。
とりあえずでも今すぐに加入し、自動的に積み上げることがもっとも効果的
私たちが非合理的なのは仕方がないことです。すべて理詰めで合理的行動をする人ばかりだったら、人生はもっとつまらないものになってしまうでしょう。味は無視して吸収率と栄養バランスだけでカロリーを摂取していたら、つまらない人生ですよね。
しかし、非合理的行動が長い目で見て不毛な結果を導くことがわかっているなら、ひとつだけアクションを起こして、その後は自動的に効果的行動につながるような「しかけ」を講じてみてはどうでしょうか。
老後資産形成についていえば、
「1カ月でも早く始める」
「少額でもいいので定期的に積み立てる」
「中長期的に高い利回りが期待できるものに投資する」
「税制優遇のある口座は優先して使う」
「中途解約は絶対にしない」
という仕掛けをつくる必要があります。
なにやら面倒なルールですが、ひとつの行動だけで完結します。そう、今回改正された確定拠出年金を活用し、「確定拠出年金の加入書類を書き、積立をスタートする」という選択をするだけでいいのです。
確定拠出年金の積立可能額は、月額1.2〜6.8万円(働き方によって限度額が変わる)ですから、まずは月1〜2万円でかまいません。原則解約できない口座ですし解約してはいけないので、無理に高額を入れ続けることは避けるべきです。
運用の選択肢については、低コスト(高くても年1%、できれば年0.5%以下)のバランス型投資信託1択で十分です。たとえ株価が下がっても放置し、株価が戻るまで運用を続けます。
日本経済新聞電子版の記事(2016年1月4日)でも、10年積立投資を続けた場合、一時的にマイナスになっても9割の確率でプラスに戻るというシミュレーションが出ています。このシミュレーションでは、5年でやめてしまうとプラスになる勝率は75%だったとのこと。ほとんどの人の投資の失敗は、我慢できずに途中で諦めてしまうことなのです。値下がりが辛くなったら、「所得税・住民税を引かれなかった分、もともと15〜20%は儲かったようなものなのだから、損をしていても実質プラスだ」と言い聞かせて我慢してください。
上記の作業であれば、最初の書類時点で完結しますので、手続きは1回だけですみます。2010年代の「お金のトリセツ」、老後資産形成のルールは、「確定拠出年金を活用する」ということになります。投資方法詳細については、拙著『誰でもできる確定拠出年金投資術』(ポプラ社)でも紹介していますので、よろしければご覧ください。
規制緩和は17年1月からの予定です。早く始めた人ほど、確実に老後の資産が増えます。それまで各社のサービス比較をしながら準備をしておきましょう。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)
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