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新体制では、益子修・三菱自会長(左から1人目)が留任し、山下光彦・日産元副社長(同2人目)ら3人が「副社長」として送り込まれた Photo by Akira Yamamoto
三菱自で暫定政権、日産が狙う「リスクは避け果実は取る」
http://diamond.jp/articles/-/92083
2016年5月30日 週刊ダイヤモンド編集部
日産自動車が燃費不正問題で窮地に陥っている三菱自動車への資本参加を表明してから2週間。両社は正式に資本業務提携の契約を結び、6月末に発足する新たな経営体制の布陣を固めた。その背景には、買収者である日産の狙いが透けて見える。(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)
「日産側の人選は、最初から山下(光彦・日産自動車上級技術顧問)さんで決まっていた」(三菱自動車関係者)
5月25日、日産と三菱自は資本業務提携を前提とした契約を締結し、6月末に発足する新経営体制を固めた。
益子修会長(67歳)は社長職を兼務して留任し、副社長に山下氏(開発担当。63歳)、三菱商事出身の白地浩三・三菱自常務執行役員(海外担当。62歳)、池谷光司・三菱東京UFJ銀行(BTMU)専務執行役員(財務・経理担当。58歳)の3人が就いた。同時に、燃費不正問題の責任を取り、相川哲郎社長が退任するなど、取締役会メンバーは大幅に入れ替わる。
今回の幹部人事は、二つのことを示唆している。
一つ目は、日産が出資を完了するまでの暫定政権では、三菱自の経営グリップを握るのは益子会長であり、日産は三菱自を“遠隔統治”する体制になっていることだ。
山下氏は、日産では一貫して開発畑を歩み、副社長まで上り詰めた人物。電気自動車の開発や、メーカーの枠組みを超えた規格標準化を推進するなど、実績は十分ではある。だが、日産副社長の職を解かれて2年。今春には藍綬褒章を受章するなど、「いわば、過去の人」(日産幹部)。開発現場の第一線を仕切る、現役のエース級を送ったわけではない。
この背景には、日産側の意図がありそうだ。日産は、山下「副社長」を落下傘として据えながらも、燃費不正問題には直接的には関与しない。あくまでも三菱自と三菱グループ(三菱商事、BTMU、三菱重工業)に不祥事の片を付けさせる算段なのだ。燃費不正による損失規模が見えない中、日産が三菱グループをリスクヘッジの緩衝剤として利用している。
二つ目は、これまで足並みをそろえて三菱自を支援してきた三菱グループの対応が割れて、三菱重工が一歩引いたことだ。
三菱商事とBTMUが「副社長ポスト」に派遣するのに対して、三菱重工は幹部派遣を見送った。常勤の役員以上で残る三菱重工出身者は、野田浩専務執行役員ただ一人となってしまう。
三菱グループが持つ三菱自株式約34%のうち、三菱重工は20%を保有する筆頭株主。だが、「三菱重工が匿名組合を経由して保有している7.37%については、組合解消で手放す方向」(三菱グループ幹部)だ。人事だけではなく、資本においても、三菱重工はフェイドアウトしていく方向だ。
■四つの重要テーマと
二つのサブテーマ
動きだした日産
リスクは三菱グループに引き受けてもらい、果実は自らで搾り取る──。今回の三菱自買収に対する日産の姿勢は徹底している。経営手法が“遠隔統治”だからといって、今後、日産が三菱に生易しい態度を取るわけではない。
「三菱グループの“進駐軍”のように大勢の人を出向・転籍させなくとも、話し合いベースで協業効果を得られるのは仏ルノーで実証済み」(日産幹部)なのである。
今秋にも日産は、三菱自株式の34%を約2370億円で取得することになっている。この買収金額は、不正発覚前の株価水準からすれば半値に近い。この絶妙なタイミングで支援を買って出るほどに強かな日産が、三菱自に厳しい改革を迫らないはずがない。
実際に、日産社内では果実を搾り取るための、三菱自プロジェクトが立ち上がっているという。
ある日産幹部によれば、「(軽自動車の開発・生産や燃費不正を除く)協業分野として、四つの重要テーマと、二つのサブテーマというふうに、優先順位をつけて議論が始まっている」。
具体的には、重要テーマは、(1)共同購買、(2)開発(プラットホームの共有、内燃機関や電気自動車のパワートレイン、新規技術)、(3)生産、(4)ASEANであり、サブテーマとは販売金融とアフターサービスである。
「日産だって、慈善事業で三菱自への投資を決めたわけではないのだから、その方針は理解できる」(BTMU幹部)としながらも、「三菱商事ががっぽりもうけてきたASEAN地域での販売分野では、商売がバッティングする。日産は脅威だ」(同)という。
このように、日産が改革を迫る途上では、三菱自のみならず、三菱商事のビジネス領域でもあつれきは避けられないだろう。
6月末には、カルロス・ゴーン・日産会長兼社長が、初めて三菱グループの首脳3人(垣内威彦・三菱商事社長、小山田隆・BTMU頭取、宮永俊一・三菱重工社長)と顔を合わせる機会が予定されている。三菱グループ側は、三菱自だけではなく、競合自動車メーカーや自動車部品メーカーなど商圏を生かしたプランをゴーン会長に提案する見込みだ。
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