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下流老人にならないために、 若い世代がやるべきことは? 対談 第3回
http://diamond.jp/articles/-/91719
2016年5月30日 深田晶恵 ダイヤモンド・オンライン
“経営と財務のプロ”の立場から、ビジネスパーソンに向けて『一生モノのファイナンス入門 あなたの市場価値を高める必修知識』を上梓した朝倉智也さん。そして、4月に『平均寿命83歳! 貯金は足りる? 定年までにやるべき「お金」のこと——年金200万円で20年を安心に生きる方法』を書いた家計診断のプロ・深田晶恵さん。対談3回目は、この2人が「下流老人にならないために、若い世代がやるべきこと」について語り合います。
■自分の稼ぎ力=「人的資本」を
育てていく視点が重要
深田 『定年までにやるべき「お金」のこと』では、主に40〜50代を対象に“下流老人”にならないための処方箋を書きましたが、もちろん20代や30代のビジネスパーソンにとっても将来への備えを考えていくことは重要です。この点、朝倉さんが『一生モノのファイナンス入門』で「人的資本」について書かれていたのが印象的でした。
深田晶恵(ふかた・あきえ)
株式会社 生活設計塾クルー 取締役 ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年北海道生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である「生活設計塾クルー」のメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上。日本経済新聞、日経WOMAN、レタスクラブ等でマネーコラムを連載、ほかにダイヤモンド・オンラインでの『40代から備えたい 老後のお金クライシス!』のネット連載も好評。主な著書に『30代で知っておきたいお金の習慣』、『投資で失敗したくないと思ったら、まず読む本』『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂5版』(共にダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」』、『図解 老後のお金安心読本』(共に講談社)他多数。
朝倉 豊かな生活を送っていくために、資産運用について学んで実際に金融資産を運用していくことが助けになることは間違いありません。しかし、それ以上に重要なのは「自分自身が働いて稼ぐ力」、つまり「人的資本」を育てていくことです。
特に若い世代にとっては、資産運用よりも人的資本を大きくして収入を増やしていくことのほうが、人生を豊かにするという点ではより大きな意味を持つと言えるでしょう。投資を始めると仕事がおろそかになるほどのめり込んでしまう人もいますが、あくまで仕事が「主」で投資は「従」。この本を読んでくださる方には、ぜひファイナンスの知識を活かして人的資本を大きくしていってほしいと思っています。
深田 確かに、財務部門や経営企画部門といった企業の中枢を担う部署ではファイナンスの知識が求められますよね。身に付ければ強い武器になるというのは、納得感があります。
朝倉 先日、この本を読んでくださった方とお話しする機会があったんですが、「ちょうど仕事でファイナンスについて勉強する必要に迫られて悪戦苦闘していたけれど、この本を読んでファイナンスの知識が仕事にどう活かされていくのかがよくわかった」という感想をいただきました。現場で活用していただいている生の声を聞けて、うれしかったですね。
深田 老後への備えという観点で考えても、「長く活躍できる人材」であることは大きな意味を持ちます。たとえばファイナンスの知識をつけて実務経験を積むことで、60歳で定年退職したあとも活躍の場を確保できれば、65歳、70歳と働き続けやすくなりますよね。稼ぎ続けられればその分だけ老後資金の取り崩しを遅らせることができますから、老後の生活設計が大きく改善します。
朝倉 その点、ファイナンスの知識は陳腐化しませんから学ぶ意義はより大きいと思います。最近は「今後、AI(人工知能)が多くの仕事を代替していく」という話がよく聞かれますが、ファイナンスの仕事は経営者の資質やビジネスモデルの可能性、保有する技術の価値などの目利きや、資金の調達方法や投資するプロジェクトの決定などで、人工知能に任せられる性質のものではないんです。
深田 特に若い世代の方には、お金を貯めることと人的資本を高めることを、将来への備えの「両輪」と考えてほしいですね。
朝倉 若年層には年金不信などもあって将来に漠然とした不安を抱いている方が少なくありませんが、「人的資本を高める」という視点を持つことで対処する方法も見えてくるのではないでしょうか。
■実は身近なところでも
ファイナンス知識が役立つ!
深田 『一生モノのファイナンス入門』の中には、視野を広げられるポイントがたくさんあると思います。たとえば「リスクフリーレート」の説明が書かれていましたが、「リスクがない投資案件の期待利回り=リスクフリーレート」「リスクフリーレートとしてよく使われるのは新発10年国債利回り」といった知識があると、信用力と金利の関係性に敏感になれるでしょう。
朝倉 確かに、事業にお金を出す人の期待リターンがリスクフリーレートを基準として「事業リスクが高いほど高く」「信用リスクが高いほど高く」なるという知識を持つことは、金利の水準を見る目を持つということにつながりますね。
朝倉智也
[モーニングスター株式会社 代表取締役社長] 1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号取得 (MBA)。その後ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資産運用全般、子会社の設立および上場準備を担当。1998年、モーニングスター株式会社設立に参画し、米国モーニングスターでの勤務を経て、2004年より現職。第三者の投信評価機関として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。主な著書に『〈新版〉投資信託選びでいちばん知りたいこと』、『30代からはじめる 投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ともにダイヤモンド社)、『低迷相場でも負けない資産運用の新セオリー』(朝日新聞出版)がある。
深田 そう考えると、現在の金融市場において、個人というのは信用力がものすごく低いのに、担保があるとはいえ住宅ローンは変動金利なら0.625%、35年固定でも1.4%前後で借りられるわけですから、今の住宅ローン金利がいかに異常な低水準にあるかが実感できるのではないかと思います。
朝倉 確かに、今の異常な状況を客観的に捉えられれば「長期でずっと0.625%が続くはずはないのでは?」「量的緩和で市場にマネーがあふれていることを考えても、いずれインフレになって急激に金利が上がる可能性がある」というように考えを深めるきっかけにもできるでしょう。
生活を守っていくうえでも、こうしたファイナンスのベーシックな知識や、状況を分析するための考え方を知っておくことは役に立つと思います。
深田 個人を取り巻く市場環境についていえば、若い世代は高金利時代を知らないので「異常な低金利」などと言われてもピンと来ないところもあるのかもしれません。
家計相談やセミナーなどで30代の人と話をしていると、昔と違って上司と飲みに行くなどして「違う世代の考え方に触れる機会」が少なくなっていると感じるんです。バブルの時代は「会社のお金で上司と部下が飲みに行く」という光景がよくありましたが、今はそんな牧歌的な時代ではありませんし、会社の飲み会が会費制だと若い世代は「行きたくなければ行かない」となりがちなようです。
上司の「昔は良かった」といった嘆きを聞くこともあまりないんですよね。その意味では、『定年までにやるべき「お金」のこと』は若い世代の方にもちょっと目を通してみてほしいなと思います。 上司世代がいかに時代の変化の中で追い込まれてきたか、“悲哀”の実態を知っておくことも、自分が将来への備えを考えるうえでヒントになるはずです。
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