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左からMIT テクノロジー・レビューのジェイソン・ポンティン、バイドゥのング、グーグルのノービグ、アレン人工知能研究所のエツィオーニ各氏 Photo by Noriko Takiguchi
人工知能はどこへ向かうのか? 米国のトップ研究者3人が白熱議論
http://diamond.jp/articles/-/92039
2016年5月30日 瀧口範子 [ジャーナリスト] ダイヤモンド・オンライン
米国では、人工知能(AI)に関連したサービスやスタートアップが次々と立ち上がる中で、いったいAIとは今、どんな段階にあるのかを話し合う場も生まれている。テスラのイーロン・マスクやスティーブン・ホーキングが脅威論を掲げる中で、一般人にはその手がかりを得るすべがないのが実情だ。
そうした中で、テクノロジー雑誌として有名な「MITテクノロジー・レビュー」が開催した『EmTech Digital 2016』会議(2016年5月23〜24日)で、米国のAI研究と開発を代表する3人がそれぞれの意見を述べた。
登壇したのは、アレン人工知能研究所所長のオーレン・エツィオーニ、グーグル研究ディレクターのピーター・ノービグ、スタンフォード大学教授でバイドゥのチーフサイエンティストのアンドリュー・ング各氏だ。
■アルファ碁が人間に勝っても
人類の脅威ではない
エツィオーニ氏は、「アルファ碁」が世界最強の李セドル九段に勝ったことなど、今、AIは「春」を迎えていると言う。これまでAI研究は、研究や開発が挫折して、何度も冬の時期を過ごしてきたこととの対比だ。
だが、アルファ碁の勝利によって人類の存在が脅かされると危惧するのは、行き過ぎだと指摘する。「碁は白と黒のゲームで、動きも明確。また、勝ち負けは評価機能のひとつ」であるという。「機械がインテリジェントであることと、自律的であることとは別問題」というのが、同氏の指摘だ。
アルファ碁に見られるAIは、決まったルールに沿って莫大なデータに基づき、高速に打つ手を判断するタイプのもの。一方、自律的であれば、AIが独自の価値判断を行って、人間には不利になる結果をもたらす可能性もある。
「現在の機械学習は、コンセプトを作ったり、アルゴリズムを作ったりと、99%は人間の手がかかっている」と言うエツィオーニ氏は、その半面、統計手法に基づいたもっと先、言葉のニュアンスを理解するようなところへまで到達しないと、AIは本当の意味で活かせないと主張している。
マイクロソフトの共同創設者であるポール・アレンによって作られたアレン人工知能研究所では、「人々の共通の利益になるAIをめざす」という目標を設定している。現在行われている研究には、医療用の検索を論文の意味論的な解釈に基づいて行えるようにすることなどが含まれるという。
グーグルのノービグ氏は、「グーグルは、まずAIありきの企業」に変貌を遂げているという。そして、コンピュータやインターネットとやり取りする方法は、これまでのインタラクションから「カンバセーション(対話)」に変わるという。
現在われわれが利用しているAIエージェントである「OK、グーグル」はその一部だが、やりたいこと、探したいことを、選択式ですらなく、コンピュータと対話を重ねることで手に入れる方法になるということだ。必ずしも音声に限らなくてもよく、それでも自然の言語でコンピュータとやりとりするのが当たり前になる日が近づいているということだろう。
■ソフトウェア自身の変化が
バージョンアップに影響する
その上で、機械学習の挑戦は、データがリアルタイムで刻々と変化していることだという。「以前は、ソフトウェアにはリリーススケジュールがあったが、今はステップごとにテストを行うようなことはできない。データは毎秒変化し続け、ソフトウェアが与えた影響によって、世界がまた変化するというこれまでにないフィードバックループが生まれている」。どんな変化が起こるかを予測するものも含め、もっと優れた開発ツールが求められているという。
ング氏は、かつてグーグルのコンピュータリソースを利用して、ユーチューブの画像から学習したAIに猫を識別させたことで有名になった。ディープラーニングということばが広く知られるきっかけになった出来事だ。
同氏は、「今はAIが取りざたされているが、そのうち電気のような普通のものなるはずだ」と語る。もはやインターネットがことさらに特別なものではなくなったのと同様、AIも社会の隅々にまでいきわたり、これに基づいて企業も成長戦略を立てなくてはならなくなる。重要度を増すのはデータで、バイドゥではデータを取得するために製品を作ることもあるという。
バイドゥでは、自律走行車も開発中だ。現在自走車はすでに、信号や歩行者、自転車に乗る人々などを認識できるようになったが、未だ難しいのは道路工事のために警官が手信号を送るような場合だという。
ング氏は、これはコンピュータビジョンの問題として解決しようとするより、工事現場の作り方を変えるといったインフラの適度な改訂によって対処できる問題ではないかとする。すべてをAIに任せるのではなく、人間社会側も少しAIが仕事をしやすいように変える、というアプローチと言うべきか。興味深い視点だ。
折しも、ホワイトハウスの科学技術政策局が数日前に、AI規制の是非や安全性について話し合う4回のワークショップを開始した。AIは、あっと言う間にわれわれの現実問題になってきたのだ。
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