http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/382.html
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「新聞投げ」に興じる85歳のウォーレン・バフェット氏と、バフェットから寄付を受けているマイクロソフトの共同創業者、ビル・ゲイツ氏。「古き良きアメリカ」を切り取った、総会前の「熱狂イベント」だ
お金持ちになるには?バフェット5つの教え 「頭が良くなくても、誰でも成功できる」
http://toyokeizai.net/articles/-/116906
2016年05月08日 尾藤 峰男 :独立系資産運用アドバイザー 東洋経済
今年も「史上最高の投資家」といわれるウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイの株主総会が行われた(4月30日)。場所は同社の本拠地である米国ネブラスカ州オマハ。国際的なアナリストで、現在は独立系資産運用アドバイザーの尾藤峰男氏が株主総会をレポート。バフェット氏の教えを解説する(本文は敬称略)。
今年でバークシャー・ハサウェイの株主総会は51回目になりました。私が参加するのは3回目。これまでと大きく違うところは、ライブを含めた視聴ができるようになったことです。5月の1か月間視聴可能ということで、全部で約7時間にもなりますが、ぜひお時間を見つけて視聴することをおすすめします。
https://finance.yahoo.com/brklivestream
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■ネットで見られるのに今年も4万人が総会に出席したワケ
バフェットによれば、世界中の企業家、投資家、若い人たちにバークシャーのことをよく知ってもらいたいという思いで始めたとのことです。今年はライブ視聴が可能になったことから、来場者の減少が見込まれましたが、結局は過去最高の昨年4万4000人に引けを取らない、約4万人が集まりました。
総会会場であるアリーナのエキシビション・ホールでは、バークシャー傘下企業のブースが設けられ、自社製品を展示・販売しています。たとえば下着販売のフルーツ・オブ・ルーム、スポーツ用品のブルックス、ケチャップ・チーズなどのクラフト・ハインツ、アイスキャンディーのデイリー・クイーンなど。シューズのブラウンのブースでは、株主ディスカウントがあることも手伝い、たくさんの人が列を作って大量に買い込んでいました。
傘下の有力メーカーは製品サンプルを展示して、株主へのPRに熱心です。
バークシャー・ハサウェイの株主総会に参加する人たちには共通の特徴があるようです。それは、みんなが幸せそうで、表情が輝いていることです。また10年、20年と長くバークシャー株を持ち続けている人が大変多いのも特徴です。株主1人で計4人までが株主総会に参加できるので、幼児まで家族連れも大勢います。きっと子供の投資教育の絶好の機会ととらえているのでしょう。ここに来る目的は、投資手法を学ぶだけでなく、ビジネスで成功する方法、人生の生き方について示唆を得るためなど、さまざまです。
さて、バフェットを知らない人のために、少しだけバークシャーの概要をご紹介します。同社はもともとバフェットが1965年に買収した繊維会社で、その後投資会社の色彩を強め、彼の卓越した投資力でS&P500指数(1965年から2015年まで年率9.7%、113.55倍)を2倍以上も上回る驚異的リターン(同じく20.8%、1万5982倍!)を達成している企業です。
時価総額は3600億ドル(約37.8兆円)。総資産5500億ドル、従業員36.7万人、傘下企業80社を超える典型的なコングロマリットです。傘下の有力企業には「ビッグ5」といわれる米国首位のBNSF鉄道、バークシャー・ハサウェイ・エネルギー、機械・部品製造のマーモン、潤滑油のルブリゾル、切削工具のIMCがあり、保有株式ではアメリカン・エクスプレス、コカ・コーラ、ウェルズ・ファーゴ、IBMのビッグ4を筆頭に、多くの「ブルーチップ」(優良企業)を保有しています。
株主総会の会場。ネットでのライブ視聴が可能になったが、当日の会場は約4万人が参加。ぎっしりだった
■85歳バフェットと92歳マンガーの驚異の体力
総会がどんな形で行われるかも簡単に紹介しましょう。総会は朝8時半からビデオ放映が1時間ほどあり、その中でアーノルド・シュワルツネッガーなど有名俳優やバフェット、マンガ―(副会長)が出演して、ユーモア・ウィットにとんだ傘下企業の紹介が行われます。
そしていよいよ9時半から両名の登壇です。昼の休憩1時間を挟んで5時間にわたるQ&Aセッションが始まります。このセッションは株主総会のメインイベントで、85歳のバフェット、92歳のマンガ―が、時々バフェットがチェリー・コーク、マンガ―がダイエット・コークを飲み、ピーナッツ・キャンディをつまみながら、疲れも感じさせずに、50以上の質問に延々と答える様は、圧巻です。この二人のエネルギーを見ていると「年を取った」などと言っていられないと思えてくるのが正直なところです。
質問は主に3タイプに分かれます。メディア3人が視聴者・一般の人の質問から選んだもの、アナリスト3人の質問、そして来場した株主から抽選で選ばれた人によるものです。
これらに、バフェットとマンガ―が答える形ですが、質問は一切バフェット、マンガ―には事前に見せられておらず、まさにぶっつけ本番。その内容は投資スタンス、個別傘下企業の業績、バークシャー傘下企業の環境への対応、後継者問題、自己研鑽方法・人生の生き方など多岐に及びます。それらは示唆に富み、納得できることが非常に多く、バフェットの富は、できるべくしてできたという感を強くします。
お待たせしましたが、その中から印象に残った代表的な質疑応答を紹介しながら、簡単に解説をさせていただきます。
今回、私が東洋経済オンラインの読者にご紹介したいのは、以下の5つの質疑応答です。特に若いビジネスマンや投資で成功したいと思っている方には、質問@とDを読むことをお勧めします。
■「頭がよくなくたって、お金持ちになれる」
質問@:どうしてこれほどの成功をおさめることができたのか。
早朝5時の株式総会の入り口風景。いい席を押さえようと、泊りがけで並ぶ個人投資家も少なくない
この答えには、赤字の部分も含め、これまでのバフェットの発言からつながる、大変深い意味があるといえます。
すなわち「自分の好きなことを早く見つけ、自分が理解できる領域(守備範囲)で仕事をし、自分より上のレベルの信頼できる人とビジネスをやりなさい」と言っているとみてよいでしょう。また、たくさんの本を読み、学び続けることの大切さもバフェットは強調しています。いみじくも92歳のマンガ―も「金、名声は元々ほしくない。92にもなって、知らないことが多い。まだまだ吸収し続けている」と言っています。
質問A:バフェット亡き後、バークシャー・ハサウェイの企業文化は守られるのか。
ネブラスカ州・オマハにあるバークシャー・ハサウェイの本社があるビル。上層階を一部賃借している
この類の質問は高齢のバフェットに対して、いわば「恒例の質問」になっていますが、おそらくマンガ―もいうとおり「なぜそんなことで皆さんは心配していたんだ」という状況になっていることでしょう。バークシャーの企業文化は、いわば自然増殖的に成長していく仕組みがしっかりできているとバフェットは言うわけです。
質問B : バークシャーが株を保有している金融機関、バンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴのデリバティブポジションにリスクはないのか?
バフェットは2008年のリーマンショック前に、いみじくも「デリバティブは大量破壊兵器だ」といって、デリバティブのリスクを指摘していました。バフェットが買収した保険会社のデリバティブポジション解消に4億ドルの損失を出した苦い経験も述べています。
質問C :バークシャーは物言う株主(アクティビスト)の標的になる危険性はないか。
米国でアクティビストの影響力が増しているのは確かですが、バークシャー株主の支持は厚く、さらにバークシャーは実質価値の1.2倍で自社株買いを実行することを公表しているので、アクティビストが入り込む余地は少ないでしょう。
■バフェットが社員や役員に求める「3つの能力」
質問D : アニュアルレポートの従業員(編集部注:同社の全社員は25名)の写真を見ると、多様性に欠けるように見える。取締役メンバーや社員に、もっと多様性を持たせるべきではないか。
表向きでは、バークシャーが人材の多様性に欠けているとみられるのも、ある面でやむを得ないといえるでしょう。しかしバフェットに多様性について特別な偏見があるようには見えません。現在の状態は、自然の成り行きでなったとみてよいでしょう。一方でバフェットの取締役会メンバーや社員に求める条件は、日本企業に大変参考になります。
バフェットの自宅。周囲に溶け込む飾らない外観は、彼の人生そのものかもしれない
私にとって3回目のバークシャー・ハサウェイ株主総会への参加でしたが、終わってみると、日本では経験できない大きな充実感を覚えます。
これはきっと、人間にとって最も通じる真理をバフェット、マンガ―が語っているからと、私なりに理解しています。だからこそ、バフェットは600億ドルを超える巨額の富を天から与えられたのでしょう。
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