http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/145.html
Tweet |
[羅針盤]中銀、究極の奇策と対峙
中央銀行の金融政策手段は限界に達しつつあるのか。金融市場では究極の奇策とも言える「ヘリコプターマネー」に対する関心が高まっている。21日の欧州中央銀行(ECB)理事会後の記者会見での質問にドラギ総裁は次のように説明した。
まず、3月の記者会見での「学会などで議論されている非常に興味深い概念だ」との発言の独り歩きに苦言を呈し、「言葉の解釈に本当に驚いている」と当惑の表情を見せた。その上でECBでは「考えたことも話し合ったこともない」と繰り返した。
「ヘリコプターマネー」の手法には多くの議論がある。ひとつは字義通り、中央銀行が無償でマネーをばらまくというものだ。「人民のための量的緩和」として知られる。このほか、政府の財政拡張と連携した量的緩和や、中銀が保有する国債を帳消しにすることなど、財政ファイナンスを支援するのが目的だ。
債務危機の後遺症で、欧州経済はなおデフレ転落の瀬戸際にある。ドラギ総裁はあらゆる政策手段を検討する一方、「財政政策が経済の回復を後押しする」と強調してきた。ただ、ドイツなどの支持を得られない中で、「受け入れ可能な政策手段を使い果たしつつある」(英キャピタル・エコノミクスのジェニファー・マキューン氏)。
JPモルガンのデビッド・マッキー氏は「ユーロ圏経済が大きく落ち込む事態が起きれば、ヘリコプターマネーに類似した政策が実行される可能性が高い」と指摘する。折しも、欧州では英国の欧州連合(EU)離脱懸念が高まり、新たな景気後退を招きかねないリスクをはらんでいる。
ほんの最近まで、マイナス金利ですら極端な政策手段としてみられてきたが、今では多くの中銀が採用するようになり、タブーはなくなりつつある。中銀当局者にとっては見たくない現実ではあるが、マイナス金利政策でも効果を上げられなければ、究極の奇策の発動も検討せざるを得なくなる可能性がある。
(欧州総局 黄田和宏)
[日経新聞4月25日朝刊P.12]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民108掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。