http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/714.html
Tweet |
「偽装・隠蔽蔓延企業」三菱自動車、存亡の危機に…3度目の不祥事受け経営継続困難か
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14822.html
2016.04.21 文=河村靖史/ジャーナリスト Business Journal
「2000年のリコール事件以来、コンプライアンス第一を社内で浸透させることをやってきたが、やはり社員一人ひとりすべてに浸透させることはできなかった」(三菱自動車工業・相川哲郎社長)
三菱自が、燃費試験で不正行為を行っていたことが発覚した。2度の大規模なリコール事件を経た後、三菱グループが支えることで経営再建を図ってきた同社だが、3度目の不祥事を受け経営危機の影がちらつく。
三菱自は4月20日、軽自動車の型式認証を取得時、国土交通省に提出した燃費試験に使われるデータについて、燃費を実際のものより5〜10%良く見せるため虚偽のデータを提出していたと発表した。不正を行っていたのは2013年6月から生産している軽自動車「eKワゴン」「eKスペース」と、日産自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している「デイズ」「デイズルークス」の4車種で、合計約62万台にものぼる。
不正が発覚したきっかけは、日産による試験だ。昨年8月、三菱自と日産は次期軽自動車の開発では日産が中心となることで合意しており、日産は次期軽自動車開発に向けて現行モデルの燃費を参考に測定したところ、届け出ていた数値と約7%の乖離があった。このため、日産は三菱自に対して試験で設定したデータについて確認を求めた。これを受けて三菱自は社内調査を実施した結果、実際より燃費に有利なデータを使用していたことが明らかになった。
型式認証を取得する際、自動車メーカーは、国交省に燃費試験を測定するため、「惰行法」とよばれる方法で車両走行時の転がり抵抗と空気抵抗のデータを提出する。
「このデータを不正に操作されることは想定していなかったし、これをやられると不正を見抜くことはできない」(国交省)
三菱自では、燃費を偽装していた軽自動車の生産と販売を4月20日に停止、日産も同日に販売を停止した。今後、ユーザーに対しては「何をやれば納得してもらえるかを検討する」方針で、日産に対しても今後、補償について協議する予定だ。
■悪い情報は報告しないで偽装
2度のリコール隠しで倒産の危機に瀕した三菱自が3回目となる不正に手を染めた理由については「調査をはじめたところ。何が原因だったのか徹底的に究明していく」(中尾龍吾副社長)としている。ただ、日産からのプレッシャーが理由との見方が強まっている。記者会見で、日産からの燃費要求が背景にあるのではとの質問に「それはない」と相川社長は断言した。
しかし、当時はガソリン価格が上昇していることもあって軽自動車の燃費競争は過熱していた。日産が期待する燃費を実現するため、開発部門が偽装したとの見方は強い。中尾副社長は「燃費目標を達成できなければできないと言えばすむ話。(不正に手を染めた理由は)わからない」と話す。
前兆はあった。三菱自では次期「RVR」の開発で目標としていた燃費を達成できると報告を偽っていた。これによって次期RVRの投入時期が計画より遅れることになり、開発責任者が諭旨退職という、事実上クビになっている。今回の不正が組織ぐるみで行っていたのかは不明だが、悪い情報は報告しないで偽装するという点は通じるものがある。
燃費の不正で三菱自と日産は、対象の軽自動車の販売を停止したが、今後の調査によってはさらに不正を行っていたモデルが拡大する可能性もある。また、日産に対する補償や、燃費を偽ったことに対する顧客への補償、エコカー減税分の返納など、巨額なコストが発生する可能性もある。ブランドの失墜とともに、経営に深刻な打撃を与えることは必至だ。
前回のリコール隠し事件では、三菱重工業や東京三菱UFJ銀行などの三菱グループが支援することで経営を立て直してきた。だが、さすがに3度目ともなると「三菱グループも見捨てるのでは」(自動車メーカー)との観測もある。不正が報じられた4月20日の三菱自の株価はストップ安となった。三菱自は存亡の危機に立たされている。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民107掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。