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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ
名前掲載だけで“悪者”に パナマ文書に見る商社マンの憂鬱
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179858
2016年4月21日 日刊ゲンダイ
熊本地震で「パナマ文書」の話題も下火になりつつあるが、経団連は19日、課税逃れ対策を強化しているEU内で事業を行う多国籍企業に対し、納税情報などの開示を求めるという欧州委員会の提案に反対する姿勢を明らかに――とまあ、まだまだ尾を引きそうなだけに、商社マンの間では「大丈夫か?」の声しきりだ。
「いくら節税と説明したところで、大企業も富裕層もカネがあるから租税回避地を利用できるわけです。一般の納税者が不公平だと感じるのは当然でしょう。確かにパナマ文書に載っている日本の個人の中には、明らかに課税逃れという怪しげなブローカーも含まれています。ただ、企業の中には、取引に必要だから租税回避地にペーパーカンパニーをつくったケースもある」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)
ネット上では、パナマ文書に載っているとされる400の日本の法人、個人を一緒くたにして“悪者扱い”。何もやましいことはしていない企業にすれば「カンベンしてよ」だろう。が、ある大手商社マンはこっそり明かす。
「ウチの複数の役員と子会社の社長がパナマ文書に載っているらしい、と社内でうわさになっています。会社だけなら言い訳も立ちますが、幹部連中が個人でもとなれば、組織ぐるみと勘繰られても仕方がない。もちろん違法ではありませんが、もし明るみに出れば、世間の猛バッシングを浴びるでしょうね。ついでに言うと、ウチ以外の商社の役員も載っていると、もっぱらです」
あるインフラ企業の社員も口を揃える。
「ウチの現役役員も何人か載っているとネット上で話題になっていて、友人からは『オマエの会社は課税逃れするほど給料がもらえていいな』なんて嫌みを言われていますよ。さっさと世間に忘れてもらいたい」
とはいえ、来月にはパナマ文書の“完全版”が公開される予定で、新しい企業名、個人名が出てくるとみられている。批判が再燃しかねない。
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