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[ポジション]春の値上げ 勢いなく
スーパーで伸び鈍化 追加緩和観測、市場で浮上
去年と違い、春の値上げに勢いがない。4月は食料品や日用品の価格改定が集中する時期にもかかわらず、スーパーの値動きを示す指数の伸びが急速に鈍っている。いずれも昨春の物価上昇をけん引した品目で、日銀が描く物価上昇シナリオは雲行きが一段と怪しくなってきた。市場では追加緩和観測も浮上している。
全国のスーパーの販売情報をもとに算出する「日経ナウキャスト日次物価指数」(7日移動平均)をみると、11日時点で前年同日比の上昇率は0.72%と9カ月ぶりの低水準。3月は1.2〜1.4%上昇していたが、急ブレーキがかかった。
伸びが鈍った背景を品目別に探ると、昨年健闘した商品の息切れが目立つ。カレー、アイス、カップ麺、牛乳は昨年4月に3〜8%値上がりしたが、今年はほぼ前年並みの水準。指数を開発した渡辺努東大教授は「価格が上がらないだけでなく売上高も鈍っており、家計の需要の弱さを映している」と指摘する。
食料品や日用品は昨年物価上昇をけん引してきただけに、影響を限定的にみることはできない。消費者物価指数(CPI、生鮮食品とエネルギーを除く)との連動性も高く、指数は今後の物価全体の上昇鈍化を示唆している可能性がある。
日銀でも指数の変調に不安が広がっている。黒田東彦総裁自身、「企業の価格設定スタンスが明確に変化している」のを示す例として指数を使っていた。物価上昇の先頭ランナーのような存在だっただけに失速が長引けば、2%の物価目標の達成が危うさを増す。
日銀は28日に2016〜17年度の物価上昇率の見通しを見直す。1月時点では「17年度前半ごろ2%に達する」としていた。だが民間エコノミストの17年度の予想平均は足元で0.87%と、3カ月前より0.26ポイント低い。
黒田総裁は「物価安定の目標の実現のために必要な場合には、量・質・金利の3つの次元で追加的な金融緩和措置を講じる」と繰り返している。1月時点の物価見通しはマイナス金利政策を踏まえたもので、見通しが大きく下がるなら、追加緩和の必要性が増す。外国為替市場では「最近の急激な円高で追加緩和を見込む投機筋も増えてきた」との声がある。
一方で民間エコノミストの間では4月の追加緩和予想は3割程度にとどまる。マイナス金利は国民や金融機関の評判が悪い。1月の決定後も円高・株安に歯止めをかけられなかった。国債の購入額を増やしても、かえって緩和限界論が意識されるリスクもある。
みずほ証券の上野泰也氏は「臨戦態勢をアピールしながら緩和カードを温存するのではないか」とみる。市場は日銀が動きにくいことも嗅ぎ取っている。
(後藤達也)
[日経新聞4月14日朝刊P.19]
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