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平成バブル以上の崩壊へのマグマ蓄積…不動産同時暴落で未曾有の不況入りの兆候も(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/535.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 16 日 00:42:35: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

               日本銀行(撮影=編集部)
 

平成バブル以上の崩壊へのマグマ蓄積…不動産同時暴落で未曾有の不況入りの兆候も
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14710.html
2016.04.16 文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト Business Journal


 黒田東彦氏が日本銀行の総裁に就任してから3年超が経過した。黒田日銀が行った「異次元」ともいえる金融緩和は、2016年に入ってとうとう史上初のマイナス金利にまで至った。そもそも、この異次元金融緩和の目的はなんだったのか。筆者は大きく3つあったと考えている。

 まず、何よりも景気対策。市場におカネをたくさん供給することで経済を活性化させるはずだった。では、実際にそうなったのか――。

 GDPでみると、13年こそ前年比1.59%伸びたが、14年は消費増税の反動もあってマイナス、15年は0.59%の伸びでしかない。異次元と呼ばれるほどおカネを増やしたのに、実態経済はほとんど成長していない。

 2番目は、円安誘導。これは1ドル80円程度だったのが120円超まで導かれる効果があった。しかし、さらなる円安を目指したと思われるマイナス金利では、逆効果としか思えない結果が出ている。また、2月末に開催されたG20では「通貨安競争は避けるべき」とくぎを刺されている。

 3番目は、2%のインフレ目標。これに関しては、まったく効果なし。次々と達成目標期限を先送りしているだけ。現実には、むしろデフレ傾向が戻りつつあるように思える。
 
 つまり、日銀の金融緩和の目的は、「異次元」な水準であるにもかかわらず、並以下の結果しか導いていない。

■局地バブル

 その一方で、大きな副産物を残している。それはマンション市場の「局地バブル」だ。「局地」と呼ぶのは、地域が限定されているからだ。バブル化しているのは、東京の都心、城南、湾岸エリア。神奈川県の武蔵小杉、みなとみらいエリア、京都市の御所周辺エリアなど。このほか、仙台市や福岡市などでもマンション価格が高騰しているケースが見られるが、そこには実際の需要が伴っているので、バブルというよりも普通の値上がりの範囲内だと考える。

 新築マンション市場は、そもそもアベノミクスが始まった13年初頭から好調期に入っていた。異次元の金融緩和によって金利が低下し、住宅ローンも通りやすくなっていた。筆者はこれを、異次元金融緩和(第1弾)による「ミニミニバブル」であると考え、そのように情報発信していた。

 ところが、14年4月の消費増税によって市場は一気に冷え込んだ。同年の秋口には市場の不調が可視化していたので、筆者はいろいろなメディアに「ミニミニバブルは終わった」と書いた。

 そして14年10月31日、日銀は異次元金融緩和の第2弾を発表する。いわゆる「黒田バズーカ2」と呼ばれるものだ。これによって、局地エリアでのマンションを含む不動産市場全般において、萎みかけていたミニミニバブルが一気に息を吹き返したばかりか、さらなるパワーで膨張し始めたのだ。

 14年の終わりから15年の秋にかけての局地エリア不動産市場は、かつての平成バブルを思わせる様相を見せていた。不動産の仲介業者たちはどんどん物件を買い入れ、それを高値で別の業者に転売した。銀行融資は超が付くほどの緩和状態。

 そして、15年における不動産業向けの新規貸し出し総額はついに10兆円を超えた。これは、あの平成バブル期よりも大きな規模だ。平成バブルが弾けた時、多くの融資は「不良債権」になった。その結果、不動産業者だけでなく多くの金融機関が倒産したことを思い出してほしい。

 今の日本の不動産市場には、日銀の異次元金融緩和によって「失われた20年」をもたらした平成バブルの時よりも、マグマが溜まっているのだ。

■潮目は変わろうとしている

 16年に入って、その局地バブルの様相にやや変化が見られる。さまざまな現象が出てきているのだ。

 イケイケドンドンだった不動産業者たちは、慎重になりだした。中古マンションの売り出し物件が増えてきた。湾岸エリアでは多くの外国人が、新築で購入したマンションを売り出している、という話も聞く。東京ではバブル化していた城南エリアの新築マンション市場でも、勢いの衰えが目立つ。また、販売業者が強気一辺倒だった都心エリアの新築マンション市場では、値引き販売が多くなってきた。潮目は変わろうとしているのだ。

 バブルというものは、基本的に不健全な経済現象だ。ほんの少しの人々に短期間だけいい思いをさせるだけで、崩壊後は多くの人を長く苦しませる。崩壊するなら、早いに越したことはない。すでに今は「崩壊の始まり」かもしれない。

 しかし、心配な面もある。ほかならぬ黒田総裁である。現状の金融政策での効果が乏しいと考えて「バズーカ4」を撃ち放つ可能性も否定できない。中身はマイナス金利の拡大。すでに住宅ローンがマイナス金利となっているデンマークでは、全国的に不動産価格が上昇しているという。当たり前だ、「お金を借りて利子が貰える」となれば、一見何の損もない。多くの人が住宅ローンを組んで住宅を買う。

 日本でも住宅ローンがマイナス金利になれば、今まで局地エリアだけだったバブル現象が全国津々浦々まで広がる可能性がある。不動産価格が全国的に高騰するのだ。

 それは、かなり不健全な構図だ。なぜなら、マイナス金利が終わると利子を払わなければいけないので、多くの人が売却に走る。売り物が多くなると、不動産価格は下落する。市場の振れが大きいのは、株式でも不動産でも同じ。購入した時よりも大きく下落した価格で売却すれば、ほとんどの人がマイナス金利で得た利子収入を超える損失を出す。全国的に自己破産者が激増することだってあり得る。まさに地獄の様相だ。

 黒田総裁の異次元金融緩和は、その3つの目標に対してほとんど効果がなかったにもかかわらず、あの平成バブル期以上の崩壊へのマグマを溜めてしまった。そして、そのマグマはマイナス金利の拡大によって、史上類を見ないレベルへと拡大する可能性があるのだ。

(文=榊淳司/榊マンション市場研究所主宰、住宅ジャーナリスト)
 

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