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自分の報酬14億が原因で会社赤字のあの社長、ほぼ40年社長君臨に株主
が決起の行動
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14730.html
2016.04.16 文=編集部 Business Journal
独立系の自動車電装品メーカーのユーシンは、田邊耕二会長兼社長が赤字に転落しても14億円の報酬を得ていたとして有名になった。
ユーシンは2010年と14年に社長を公募したが、田邊氏の御眼鏡にかなう人物がいなかったようで、断念して16年2月から3人の役員による集団経営体制に移行することになった。田邊氏は会長兼社長にとどまっている。
2月22日付日経産業新聞が田邊氏へのインタビュー記事を掲載した。
<私はもう82歳。10年先はないので、3年後をメドに次期社長を決めたい。85歳で引退したスズキの鈴木修・元社長が1つの目標だ。長く社長をしていると、独自の経営方法が根付くので辞めるのも大変になる。次期社長を決めないのは会社の業績が良いからだ。好調な時は能力がなくても経営はできる。経営が苦しくなったとき、どのような判断をするか見たい。ただ、社長探しに焦りはない>
事実上の田邊氏の続投宣言である。ユーシンは田邊氏の父・善吉氏が1926年、スイッチ類の製造会社として立ち上げた。戦後、自動車部品メーカーに転じ、97年に東証1部上場を果たした。田邊氏は78年に社長に就き、06年に社長を辞めて顧問になったが、08年に社長に復帰。2011年から会長を兼務している。
■田邊会長兼社長が役員報酬の9割を独り占め
ユーシンの15年11月期連結決算の売上高は前期比5%増の1642億円、営業利益は53%増の47億円、純利益は2.2億円の黒字(前期は4.3億円の赤字)に転換した。
14年11月期に赤字に転落したのは田邊氏が巨額の役員報酬を得ていたからである。役員報酬は年齢を重ねるごとに増えている。
【田邊氏の役員報酬額の推移】
11年11月期 1億3600万円
12年11月期 4億6500万円
13年11月期 8億3400万円
14年11月期 14億 500万円
15年11月期 9億3500万円
(資料:東京商工リサーチ「『役員報酬1億円以上開示企業』調査」)
10年3月期から上場企業に1億円以上の高額報酬を得ている役員の開示が義務づけられた。故・樫尾俊雄カシオ計算機名誉会長が12年3月期に手にした13億3300万円がこれまで最高額だったが、田邊氏がトップに躍り出た。樫尾氏の場合は退職慰労金が主だったが、田邊氏は通常の役員報酬でこれだけの金額を得ている。
ユーシンの14年11月期の決算の最終損益は4億円を超える赤字だった。赤字会社の社長が日本一の役員報酬を得ていることについて批判も多い。15年11月期には9億3500万円に減額したが、同期の最終損益はわずか2.2億円である。
役員報酬の内訳は取締役8人に対して総額10億3700万円。田邊氏が実に9割を一人占めしたことになる。残り7人の取締役の平均報酬は1400万円。田邊氏はほかの取締役の64倍の役員報酬を得ている計算だ。7人の役員の処遇は一流企業のヒラ社員並みである。
■田邊一族による私物化に異議を申し立てた個人投資家
田邊氏の非常識な役員報酬に株主が憤った。定時株主総会は16年2月26日午前10時、東京・港区芝公園の芝パークホテルで開かれた。
今回の総会では9つの議案があり、1号から5号までが会社側、6号から9号までが5名の株主による株主提案である。株主総会招集通知書によると、株主提案は次のような内容である。
【第6号議案 取締役の報酬額改定の件】
提案内容:取締役の報酬総額を年額5億円以内とする。
提案理由:代表取締役の田邊耕二氏の昨年の報酬は年額14億円であり、事業の規模や業績に比べて著しく均衡を欠いている。また、2014年11月期においては、高すぎる役員報酬が原因で最終赤字となっている。そこで、取締役の報酬を適正化して黒字化もしくは利益の倍増を図るべきである。
【第7号議案 取締役解任の件】
提案内容:取締役の田邊世都子を解任する。
提案理由:田邊世都子氏は代表取締役田邊耕二氏の娘であり田邊世都子氏を取締役としていることは、非常識な高額報酬と並び、田邊耕二氏による会社の私物化の象徴である。
【第8号議案 定款変更の件】
提案内容:報酬の返還を定款の条文に加える。
提案理由:田邊耕二氏の報酬は8億3400万円から14億500万円へと「急増」している。当社は赤字になっており利益等の事情が考慮されていない。(前年を上回る)6億円を返還すべきである。
【第9号議案 定款変更の件】
提案内容:有価証券報告書は、定時株主総会の前日までに提出するよう定款に加える。
提案理由:田邊耕二氏の非常識な報酬額14億500万円は有価証券報告書に記載されている。このような情報は株主総会において、株主に提示されるべきものである。
定時株主総会では、会社側が提出した議案がすべて可決され株主提案は否決された。株主提案がどの程度の賛成票を得たかが気になるところである。昨年は総会の翌日に開示された決議状況に関する臨時報告書は3月7日になって提出された。提出が遅いのは、公表したくない数字が含まれているからではないかと批判する声も多かった。
株主提案のうち7号議案(賛成5.92%)と8号議案(同4.51%)は、多くの賛同を得られなかった。しかし、役員報酬を改定する6号議案は15.37%、役員報酬を株主総会で提示すべきとした9号議案は14.34%の賛成があった。田邊氏の高額報酬に対する、株主の不信の大きさを数字が示した。
会社が公にしたくなかったのは、これらではなく田邊氏の再任に対する賛成票の比率だったのかもしれない。賛成率は80.67%で、超ワンマン経営者にとっては侮辱的な数字だったといえる。
■後継者の選定基準は地頭が良いかどうか
前出の日経産業新聞のインタビューの中で、次のようなやり取りがあった。
「問 後継者の選定基準は何か」
「田邊 地頭(じあたま)が良く、従業員をうまく使える人が社長に向いている。今まで2度社外公募をして約2000人の応募があったが、地頭が良いのは10人に1人くらいだった。中でもインド人の応募者が経営に向いていると思ったが、日本の企業文化との相性を考えて採用しなかった。私自身が40代で社長に就任したこともあり、年齢は関係ない。他社から社長を採るなら、自動車業界で働く40歳手前の人がいい」
「問 どのように後継者を探すか」
「田邊 4月からは第一線を退いて集団指導体制に入る。専務や常務の3人に経営を任せる(筆者注:3人のうちの1人は娘である)。集団経営にすると、自然と中心人物が生まれる。その人を社長にしたい。その他の選択肢も模索している。取引先の紹介を受けて、2月に三井住友銀行出身を採用した」
田邊氏は娘を後継者にしようとしているとみる向きもある。会社は社会に開かれたものだから「会社」というのである。田邊氏には、どうも開かれた会社をつくる気はないらしい。
(文=編集部)
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