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巨額赤字!三井物産と三菱商事を襲う「大異変」 〜夏のボーナス「ゼロ」、年収も激減 名門商社「勝ち組」時代の終わり
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48374
2016年04月12日(火) 週刊現代 :現代ビジネス
ともに就活生にはトップクラスの人気企業。年収も抜群で、世界を駆け巡る仕事の醍醐味もある。そんな勝ち組の象徴に、大異変が勃発。かつての「冬の時代」に逆戻りするという声も出てきて—。
■老後の生活設計が……
勝ち組商社の代表格・三菱商事が、目下の資源価格暴落のあおりを受けて、1500億円という巨額赤字に転落することが決定的となった。
連結赤字は創業来初めてとあって、普段はクールで冷静なエリート商社マンたちも大パニック。
これから自分たちの身になにが降りかかってくるのかという疑心暗鬼が社内に渦巻いている。
「役員ルームからして、騒然としています」
三菱商事幹部が言う。
「今回の赤字転落の責任をとって、さっそく55人の全役員に対して夏のボーナスは不支給、つまり『ボーナスゼロ円』が決定したからです。常務役員であれば年間1000万円以上をもらっている人もいるし、副社長クラスなら2500万円以上。それが一気にゼロになるのだから、『老後の生活設計が崩れた』という嘆きが漏れ聞こえてくる」
別の幹部社員も言う。
「赤字のけじめをつけるために小林健社長(現会長)は年収の半分を返上すると決めたのですが、同時に『資源関連』の役員も年収の3割を返上させられることになった。
社内で話題になっているのは、『資源関連』の役員はどこまで含まれるのか。エネルギー事業グループCEO(最高経営責任者)を務めていた柳井準氏、金属グループCEOだった衣川潤氏の二人は間違いなく対象でしょうが、『それ以外はどこまでの役員が詰め腹を切らされるのか』『自分は対象になるのか』と戦々恐々としているわけです」
柳井氏、衣川氏の場合、年収から報酬カット額を単純計算すると約4500万円と巨額に及ぶ。もらった報酬はすでに使ってしまっている部分も少なくないだろうから、その巨額を急に「返せ!」というのは、役員たちの生活を脅かす「家計有事」となりかねない。
「早く子会社に出ておけばよかったというぼやきも聞こえてきます。出向者は基本的に三菱商事の給料体系で働くのですが、子会社の役員に転じていた場合は子会社の役員報酬規定が適用される。
たとえば、このほどローソンの社長にうち出身の竹増貞信氏が抜擢されましたが、彼は今回の赤字決算の影響など関係なく、ローソン社長としての給料をもらえる。『本体での社長レースに早く見切りをつけて子会社に出るほうを選ぶべきだった』と、いまさらながら悔やんでいる人もいます」(前出・幹部社員)
■年収も激減する
社内の動揺が大きくなる中、3月末には社長が、「社員の給与はカットしない」とする旨のメッセージを社内に発信。
責任を取るのは役員なので、社員は動揺せずに職務に励むように促した形だが、「不安は払拭されていない」(中堅社員)。というのも、社員は基本給こそカットされないにしても、夏のボーナスについては「今後検討」。これがどこまで下がるかが見通せないのである。
ベテラン社員は言う。
「うちのボーナスは約5割は役職などに応じて固定だが、残りの5割は『業績連動』。業績連動分は(1)会社、(2)部門、(3)個人の業績で査定されます。
今夏のボーナスについて見れば、(1)は会社全体が赤字なので全社員が期待できない。(1)がボーナス全体の2~3割を占めるので、2~3割のボーナスカットは濃厚。
(2)については、赤字の元凶である資源部門はゼロ査定があり得る。そのため、資源部門では、4~5割のボーナスカットを覚悟している人もいる」
三菱商事といえば30代の課長クラスなら年収1000万円超、40代の部長クラスは年収2000万円超えも夢ではないという高給取りである。
しかし、その高収入は資源バブルで会社が潤っていた利益によって実現できたものである。
高いボーナスの「原資」だった資源事業が凋落したいま、ボーナスの大幅カットは必至。社員の「減収ぶり」は凄惨なものになりかねない。
「大手商社の課長クラスだと月給が50万円、部長で80万円ぐらいが相場。課長クラスだとそこに500万~600万円のボーナスがついて年収が1000万円を超えていた。仮にそのボーナスが5割カットになったら、年収は800万~900万円になってしまう。これは大手製造業の課長クラスのレベルですが、極端に言えばそうなってもおかしくない」(企業の賃金制度に詳しいジャーナリストの溝上憲文氏)
こうした三菱商事の動揺ぶりを横目に見ながら、同じように震え上がっているのが三井物産の社員たちである。
三井物産もここへきて、今年度決算が700億円の赤字見通しだと発表。年間通じて最終赤字になるのは創業来初のことで、三菱商事と同じく、「役員連中が肩を落としています」と幹部社員は言う。
「うちは取締役報酬について、当期純利益が赤字になった場合は、取締役のボーナスはゼロ円にすると決められています」
■「膿」は出し切れたのか
上の表は三井物産の主要役員の取締役報酬の「内情」を示したものである。会長、社長は4600万円、副社長は3300万円という超高額のボーナスをもらっていることがわかるが、今年はこれがゼロになる。
「飯島(彰己・現会長)さんは約1年半前に、都内で高級マンションを購入したばかりで、その際、1億円以上の抵当権を設定していたはず。ローン返済にはボーナスも当てにしていたでしょうから、『ゼロ』は痛すぎる」(前出・幹部社員)
三井物産は社員の平均年収が1361万円の高給取りだが、大幅ボーナスカットは避けられそうにない。
別の幹部社員が言う。
「われわれのボーナスの仕組みは、三菱商事さんとほぼ同じ。仮に業績が赤字だから業績連動部分のボーナスがゼロとなれば、今夏は4割カットでもおかしくない。ボーナスの計算式は規定で決められているので、労組がいくら頑張っても覆らない。
ただ、うちの会社は赤字なのに株主配当は出すと言っている。労組はこのポイントを突いて、『配当を出すならば、社員のボーナスも出すべきだ』と交渉していくことになるでしょう」
両社ともに今決算で「膿」を出し切り、V字回復を目指したい構え。しかし、資源バブルが終焉したいま、先には茨の道が広がっている。
「'00年代前半の三菱商事の純利益は600億円程度だったのが、近年は3000億円、4000億円に膨れ上がった。この急成長は、中国経済の拡大とともに資源価格が上がるスーパーサイクルの波に乗れたのが大きい。そのサイクルが終わったいま、三菱商事も三井物産もこれまでのように稼ぐのは難しい。
特に資源一本足と言われる三井物産は、資源市況がさらに悪化して、開発案件の進捗が遅れて再び減損。最悪の場合、赤字というシナリオもあり得る」(QUICK企業価値研究所チーフストラテジストの堀内敏成氏)
そもそも、総合商社は兆円単位の巨額な有利子負債を抱えながら、資産の大半は資源関連が占めるといういびつなビジネス構造を抱えてきた。
「つまり、資源価格が落ちれば一気に経営が暗転することはわかりきっていた。それなのに、三菱や三井というブランド名から、多くの人は『問題ない』と見て見ぬふりをしてきた。
日本では商社の株価は割安だと言われてきたが、外国人投資家から見れば継続可能なビジネスではないとわかっていた。だから、彼らがもとから商社株に手を出してこなかっただけなんです」(ファイブスター投信投資顧問取締役運用部長の大木昌光氏)
名門商社が安穏と「勝ち組」で居続けられる時代は、もう終わった。
「週刊現代」2016年4月16日号より
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