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[スクランブル]クジラ去り、残るゆがみ
円相場との乖離なお
日本の株式相場が4月に入り、再び打たれ弱さを露呈している。日経平均株価は6日まで7日続落し、3月に見せた驚異的な「粘り腰」はすっかり影を潜めてしまった。急変した地合いの背後に、巨大投資家の影響を指摘する市場関係者は多い。「クジラ」の異名を持つ年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公的年金だ。彼らの動きは株価にゆがみをもたらした可能性がある。
「7日続落は円高で説明がつく。むしろ3月の株価の動きの方が気持ち悪かった」。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真シニアポートフォリオストラテジストはこう語る。
3月に感じた違和感とは、日本株と円相場の「非連動」だ。日経平均は3月初めから1万7000円前後の水準に張り付くような展開が続いた。円相場は1ドル=110円台まで上昇する場面があったのに、日経平均は底堅く推移し、円高が打撃となるはずの自動車株や機械株が上昇することさえあったという。
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「相場全体を押し上げる力が働いたのは明らか」(古川氏)。連動性が高いはずの日経平均と円相場なのにチャートでみると、2月中旬以降は乖離(かいり)が鮮明だ。
円高にも動じないこの粘りは何だったのか。「(GPIFなど)クジラたちが目標達成に向けて粛々と買い進めていた」。大手証券のトレーダーはこう明かす。GPIFの国内株式の組み入れ目安は25%。年初からの株安で比率が下がれば、年度末に向けて目標値に近づけるために株式を買い増す必要がある。投資部門別の売買動向をみると、彼らの動きを映す「信託銀行」が大規模な買い越しを続けていたことが分かる。
昨年度末からは日本株相場が再び為替動向に敏感に反応するようになった。実際、3月下旬以降は日本株と円相場のチャートにも連動性が復活しているようにみえる。これも「年度が変わり、クジラの買いが止まった。ただそれだけだ」(トレーダー)という。
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クジラが去った後に残されたのは、株価のゆがみだ。「高い位置で株価を維持したツケを払うときがくる」。投資会社ウィズ・パートナーズでマクロ系ヘッジファンドを運用する石見直樹副社長はこう予言する。日本株の水準訂正が今後も続くなら、「本来は3月に出ていたはずの売りがワンテンポ遅れて出てくる可能性がある」と考えられるからだ。
海外勢が日本株を見る目は引き続き厳しい。米ヘッジファンド、メル・キャピタル・グループのグル・ラマクリシュナン最高経営責任者は「最近の円高進行は日本企業の業績に悪影響を及ぼす。消費増税を強行すれば日本経済は打撃を受ける」と指摘する。公的マネーの買い支えがないなかで、彼らが再び売りの姿勢を強めれば、株価は一方向に動きやすくなるだろう。
日経平均と円相場のチャートの乖離は依然大きく、今の円高水準が続けば、日経平均は1万4000円台まで調整する可能性さえ読み取れる。クジラ不在の閑散相場の裏で、相場のゆがみを突くヘッジファンドは虎視眈々(たんたん)と荒稼ぎの機会を狙っているはずだ。
(宮本岳則)
[日経新聞4月7日朝刊P.18]
- 外国人売り越し、昨年度5兆円超 ブラックマンデーの1987年度以来 株式相場押し下げ あっしら 2016/4/11 03:29:20
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