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東京電力本社(「Wikipedia」より/Theanphibian)
東京電力エリア、新規参入組の草刈り場化で独占崩壊…東京ガスに契約者「大移動」か
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14566.html
2016.04.06 文=松崎隆司/経済ジャーナリスト Business Journal
4月1日、電力の自由化がついにスタートし、電力戦国時代が到来した。各地に誕生した電力会社はまさに下剋上を狙う戦国武将そのものだ。これまで9社が独占していた市場に200社以上が乱入、熾烈な戦いが展開される。
資源エネルギー庁の関係者などによると、登録小売事業者は266社で、関東、中部、関西の3大都市圏が全体の8割弱、関東圏が半数以上、東京は110社が新規に電力を販売することになる。つまり電力戦国時代は東京を中心とした首都圏からのろしが上がり、東京電力管内約2000万世帯が草刈り場になる。
すでにガス、石油、通信、小売り、インターネット関連企業、カード、鉄道などさまざまな企業が参入を表明。さらに地域独占の壁が取り除かれることにより、地域を独占してきた地方の大手電力会社の間でも垣根を超えた戦いが行われることになる。まさに電力国盗り物語だ。果たして勝ち残るのはいったいどこなのか。そして、今後の日本の電力市場はどうなるのか。
■注目の東京ガスの動き
日本最大の地域電力会社である東京電力は送電会社、東京電力パワーグリッドを完全分離させ、燃料・火力発電事業の東京電力フュエル&パワーや小売り事業の東京電力エナジーパートナーとともに、持ち株会社の東京電力ホールディングス傘下にぶら下げるかたちとする。
関東近県にあるカナジュウ・コーポレーションや河原実業、新日本ガスといったプロパンガス会社、静岡のエネルギー関連企業TOKAI、TポイントのCCCカルチュア・コンビニエンス・クラブ、Pontaカードのロイヤリティマーケティング、リクルートホールディングス、ソフトバンク、ソネット、USEN、ビックカメラなどと組み、関東近県の市場を守る戦略だ。
この牙城を崩そうと虎視眈々と狙うのが、異業種や他地域の電力。なかでもこれまで地域独占だった都市ガスは2017年に自由化を控えており、競争が厳しくなる。自由化の進む電力市場に進出してマーケットを拡大したいところだ。
東京ガスは20年までの中長期的な戦略のなかで、発電能力は現状の約160万kWから20年に約300万kWに引き上げるとしたほか、電力販売量を現状の約100億kWhから20年に約300億kWhへ引き上げる方針を掲げている。
すでに神奈川県横須賀市のほか、千葉県袖ヶ浦市に自前の発電所を持っており、東京電力に対して電力を卸売りしているほか、NTTファシリティーズや大阪ガスとともに出資してつくった新電力(PPS)の「エネット」を運営している。このほかJXエネルギーとは神奈川県川崎市に、昭和シェルとは横浜の扇島に発電所をつくり、法人向けの発電事業に取り組んできたが、家庭用の電力市場にも大きな意欲を燃やしている。
「電力については自前の発電所のほかに共同で運営している川崎と扇島は持ち分に応じて利用する。ガス料金とのセット料金で大幅な割引を検討し、20年までには東電エリアの1割獲得を目指す」(東京ガス広報担当者)
JXホールディングスはガソリンとのセット割引で東電の市場に食い込もうと虎視眈々と狙っている。「家庭用市場には早期に50万件を目指す」(JXエネルギー広報担当者)という。
昭和シェル石油は扇島の発電所に加え、川崎にあるバイオマス発電所を活用して小売事業に参入。ガソリンや軽油とのセット販売で「5年間で15万件の獲得を狙う」(同社広報部)という。電力自由化で鉄道からも参入する。東急電鉄は15年10月に東急パワーサプライを設立、電力自由化に向けて取り組みを開始した。
「東急電鉄や東急カード、イッツコムなどグループ会社とともにサービスを提供していきます。すでに2月24日時点で2万件の加入があり、16年度中には10万件を目標にしています」(東急パワーサプライ広報担当者)
■崩れる不可侵の関係
ライバルは異業種だけではない。これまで地域独占のなかでお互い不可侵の関係にあった地域電力会社同士も、大きなライバルとなる。
なかでも中部電力は、虎視眈々と東電管内のマーケットに大きな関心を寄せる。15年7月には国際石油開発帝石(INPEX)と提携、「電力卸販売の共同実施に向けた基本合意書」を締結。中部電力が直接販売する分やグループ企業ダイヤモンドパワーと提携関係にある首都圏の角栄ガス、大東ガス、さらにINPEXと提携している足利ガス、伊勢崎ガス、入間ガスなど9社を取り込み、「東電エリアで10万件の獲得を目指します」(中部電力広報担当者)という。
このほかKDDIは東電管内だけでなく、沖縄・一部離島などを除く全国46都道府県で「auでんき」として一斉にサービスを展開。関西は関西電力、中国地方は中国電力と提携するという。
「東電管内については個別契約や卸電力取引市場などで電力を調達し、通信料金などとセットでサービスを展開します」(KDDI広報担当者)
こうした動きに対して東京電力はどのように迎え撃つのか。
「電力自由化で新規参入してくることである程度のシェアが食われることは予測していますし、これはピンチだと思っています。しかし、こちらもこうした動きに対抗するため600万kWh・1万7000円以上のヘビーユーザーを中心に、新しいサービスを展開していきます。また、すでにソフトバンクやビックカメラ、USENなどと提携して販売を強化する一方で、中部や関西圏内などを皮切りに全国に進出していく予定です。4月から1年間の間に首都圏では80万件、全国では20万件の新サービスの利用者を獲得していくつもりです」(東電広報担当者)
東電のお膝元を狙う新規参入組に軍配が上がるのか、東電の全国制覇が実現するのか、戦国時代の幕が上がり、仁義なき下剋上の戦いが始まる。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)
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