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LINE、月額5百円スマホ開始か…無料で通話もチャットも、海外では他社に侵食され苦戦
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14525.html
2016.04.03 文=佐野正弘/ITライター Business Journal
間もなく5年を迎えるLINEは、事業戦略発表イベントを実施して多くの新戦略を打ち出している
LINEは3月24日に事業戦略発表イベント「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」を開き、LINE Payがオフラインで使える「LINE Payカード」や、MVNO(仮想移動体通信事業者)事業への参入など大きな発表をいくつかしているが、これらの施策からは国内で支配力を高める一方、海外での拡大が思うように進んでいないLINEの現状が見えてくる。
■LINEプラットフォームの拡大に向けた新戦略
サービス開始から間もなく5年を迎えるLINEは、スマートフォン向けのメッセンジャーアプリとして日本では事実上の標準の座を獲得したことから、最近ではLINEを起点としたプラットフォーム戦略を強化している。これまでにもゲームやニュース、O2Oなどさまざまな分野で成果を挙げてきたLINEのプラットフォーム事業だが、LINEは3月24日に事業戦略発表イベント「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」を開催し、プラットフォーム事業に関する新しい戦略を打ち出している。
このイベントのなかで発表された新戦略は多岐にわたり、ライトなところでいうならば、新しいキャラクターとして、人気の「ブラウン」の妹である「チョコ」が登場したことなどが挙げられる。だがLINEの今後の動向を占う上で、注目すべきポイントは大きく3つあると考えられる。
ひとつは、LINEプラットフォームのオープン化である。LINEはこれまで、プラットフォームのオープン化には慎重な姿勢を示しており、スポンサードスタンプなどが利用できる公式アカウントの利用に関しても、高額な料金を課していたことから実質的に大企業しか利用することができなかった。
だが今回LINEは、従来高額な利用料が必要だった機能の多くを、中小企業でも利用できる安価な価格で提供することを発表。プラットフォーム利用のハードルを大きく下げ、多くの企業に利用しやすい仕組みを提供するとしている。
なかでも注目されるのは「Official Web App」である。これは、WebサービスとLINEを連携させ、LINEのなかで、LINEのアカウントを活用したWebサービスを提供できる仕組み。「LINE バイト」などのように、日常的に利用しているLINEのアプリ内でサービスの利用がすべて完結することは、集客面でもユーザーの利便性を考える上でも非常に大きなメリットがあるし、LINEにとってもサービスの囲い込みができるメリットがある。それだけに、LINEがOfficial Web Appを提供したことの意味は大きい。
■電子マネーの拡大に加えMVNO事業にも参入
2つ目のポイントは、LINEの電子マネーサービス「LINE Pay」を拡充し、新たにJCBの基盤を用いたプリペイドカード「LINE Pay カード」を提供したことだ。このカードを使えば、LINE Payによる決済がJCB加盟店でできるようになるため、決済できる店舗が少ないというLINE Payの弱点を一気に解消することとなる。
しかもLINE Pay カードはキャリアの契約に紐づかないことから、キャリアの契約を乗り換えても利用できるし、プリペイド方式であるためクレジットカードの取得が難しい未成年などでも利用しやすい。先のオープン化と組み合わせれば、オンラインからオフラインまで、あらゆる決済をLINEのなかに取り込むことができるだけに、やはり大きな意味を持つといえよう。
そしてもうひとつ、大きなポイントとなるのは「LINE モバイル」だ。これは、LINEがMVNOとなって提供する、スマートフォン向けのモバイル通信サービス。月額500円から利用できるのに加え、チャットや画像・動画のやり取り、さらには無料通話など、LINE上でのコミュニケーションが無料で利用できることが、大きな特徴となっている。
サービスの開始が今年の夏からとなるため詳細は不明な点も多いが、LINE上でのコミュニケーションに関連する通信コストがかからないという点は、非常に多くの注目を集めている。より詳しいサービス内容の発表が待たれるところだ。
LINEは「LINE モバイル」としてMVNO事業に参入。月額500円で、LINEのチャットや無料通話などが使い放題になるのが大きな特徴となる
今回の一連の発表を見ると、国内において、サービスから決済、そして通信に至るまで、スマートフォンに関連する多くの要素を、LINEのなかに取り込みたい狙いがあるように見える。日本ではLINEが最も普及したメッセンジャーアプリとなっていることから、そのコミュニケーションが持つ利用率の高さを生かしつつ、さらにオープン化によってプラットフォーム自体を拡大することにより、国内での影響力を高め売上拡大につなげたいというのが、LINEの新戦略の狙いといえそうだ。
■思うように利用を伸ばせていない海外市場
だが、国内での支配を進めるLINEの新たな施策からは、逆に海外でシェアを伸ばせていない現実も浮かび上がってくる。LINEは日本のほか台湾とタイでトップのシェアを獲得し、インドネシアでも高いシェアを獲得している。だが一方で、当初利用者が伸びたといわれていたスペイン語圏に関する施策は減少しているし、市場開拓を狙った北米でも存在感を示すことができていない。
実際、今回のイベントでCEO(最高経営責任者)である出澤剛氏が「現在はアジアに集中している」と話すなど、以前と比べトーンダウンしている様子がうかがえる。昨年末時点では2億1500万のMAU(月間アクティブユーザー数)を獲得したとはいえ、アジア圏以外での利用を思うように伸ばせていないことを印象付けている。
一方、それらの市場で存在感を高めているのがフェイスブックだ。北米ではFacebook Messenger、欧州などでは傘下のWhatsApp Messengerが利用者数を拡大しており、WhatsApp Messangerは今年の2月に、MAUが10億に達している。そうしたフェイスブック勢の勢いに押される形で、特に欧州や南米においては、かつてLINEが築いた足場が崩されていると見ることができそうだ。
フェイスブック勢の躍進に加え、テンセントの「WeChat」が圧倒的な人気を誇る中国市場も、LINEの利用が実質的にできなくなったことで攻略が難しくなっている。それだけにLINEは、現在高いシェアを獲得できている国に集中し、プラットフォーム展開による収益優先の戦略をとるに至ったといえそうだ。
だが、LINEも海外展開を諦めているわけではない。現在狙いを定めている東南アジアはスマートフォンの利用が急速に伸びている市場であるため、アプリの利用がある程度固まってしまった先進国と比べれば、利用拡大に向けたチャンスは大きいだろう。また東南アジアで大きな存在感を持つことができれば、南アジアや、現在利用が伸びているという中東などに勢力を拡大できる可能性も高まってくる。
そのためには、現在LINEが重点市場と位置付けており、なおかつ人口が多いインドネシアで、トップシェアの座を確固たるものにすることが重要な意味を持つといえそうだ。
(文=佐野正弘/ITライター)
LINEは東南アジアで最も人口が多いインドネシアに注力しており、急速に利用を伸ばしていることから、インドネシア市場攻略の成否が今後を大きく左右する可能性が高い
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