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シャープに続いて家電部門を手放す東芝の室町社長(C)日刊ゲンダイ
売上高が軒並み減収…数字が物語る“ニッポン家電”の衰退
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178267
2016年3月30日 日刊ゲンダイ
台湾の鴻海による“シャープ買収”続いて、中国家電大手の美的集団は東芝の家電部門を手に入れる。自動車と並んで日本の輸出産業を支え続けてきたニッポン家電は縮小に次ぐ縮小だ。
そんななか、東京商工リサ―チは「白物家電関連メーカー業績動向調査〜海外企業が主導の業界再編が動き出す」を公表した。その書き出しはこうだ。
「数年前まで世界に冠たる白物家電メーカーが国内で切磋琢磨していた。だが、わずか数年で新興国を中心に低価格商品が市場を席巻し、国内の白物家電メーカーは淘汰の波にもまれている」
大手電機メーカーの売上高(家電部門)は、三菱電機を除き減収だった(2015年4〜12月)。パナソニックは前年同期比で2.7%減、東芝は27.3%減、日立製作所は2.9%減、シャープは7.3%減だ。三菱電機は国内外の空調機器や冷蔵庫が好調で、6.0%増を記録した。
白物家電メーカーは39社(14年度)あり、売上高の合計は3984億円。前年度に比べ5.5%増で、増収は22社(構成比56.4%)あった。
個別企業で見ると、富士通ゼネラルが空調を主体に国内外で好調で、前年比11.0%増。電子炊飯器やポットを手掛ける象印ファクトリー・ジャパンも7・9%増だった。
「中国人の爆買いにより、高級炊飯ジャーが堅調で、全体の売上高を押し上げている」(市場関係者)
12年には、中国のハイアールが旧三洋電機の白物家電部門を買収した。このころから、日本家電の衰退は顕著になった。
「白物家電の世界シェアはトップが三洋を買収したハイアールで、2番手は東芝の家電部門を買う美的集団です。日本企業にかつての勢いはまるでありません」(電機メーカー関係者)
東京商工リサーチのリポートは、「国内メーカーの多くは内需だけでなくグローバル市場でも厳しい価格競争に巻き込まれており、白物家電メーカーが生き残れるか、これから厳しい時代を迎えている」で締めくくっている。
世界規模の白物再編は、これから本番を迎える。
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