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ドル高局面は終盤、じわじわとドルが売られる理由 「低金利の継続」と「リスクマネーの再来」が促すドルのじり安
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/904.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 29 日 14:31:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

主要3中銀の「低金利がしばらく続く」というメッセージは何を示唆しているのか。写真はFRBが入っているワシントン.D.C.のエクルズ・ビル(出所:Wikipedia)


ドル高局面は終盤、じわじわとドルが売られる理由 「低金利の継続」と「リスクマネーの再来」が促すドルのじり安
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46443
2016.3.29 重見 吉徳 JBpress


 日米欧のG3主要国はそれぞれ3月の金融政策決定会合を終えました。米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、そして日銀の主要3中銀はいずれも「低金利がしばらく続く」とのメッセージを金融市場に発信しました。


「低金利がしばらく続く」とのメッセージは結局のところ、2014年7月から1年半以上にわたって続いているドル高局面の終わりと(場合によっては)ドル安への転換を示唆している可能性があります。


■「低金利がしばらく続く」というメッセージの意味


 主要3中銀が異口同音に発する「低金利がしばらく続く」とのメッセージについて、まずは米国を考えると、それはドル金利が当初考えられていたほどに上がらないということを示唆します。これが利益確定のドル売りにつながりやすいことは想像に難くないでしょう。


 次に、日欧にとってみれば、「低金利がしばらく続く」とのメッセージは、緩和的な金融政策を維持するとの姿勢には変わりありませんが、その一方で、必ずしも政策金利をこれからどんどん引き下げていくということを意味しません。実際のところ、政策金利はほとんど下限に近い水準にあると考えられます。


 ドラギECB総裁は、3月10日のECB金融政策理事会後の記者会見で、しばらく利下げは考えておらず、当面はフォワードガイダンスを強化するとの方針を示しました。フォワードガイダンスとは、低金利を長く維持すると確約することで、長期金利の低下を促し、実体経済の刺激を狙うものです。


 また、日銀はどうかと言えば、少なくとも市場参加者の多くは、日銀の金融緩和が「限界に近い」と考えているようです。特に、日銀のマイナス金利政策に対する金融市場の『拒絶反応』は(日銀の想像以上に)大きく、日銀はしばらくの間(政策金利をさらに引き下げず)マイナス金利政策の周知に努めつつ、効果浸透を見極める可能性もあるでしょう。


 都合、ドル金利は上がらず、円やユーロの金利は下限に近い中では、金利差は当初考えられていたよりも拡大しづらいと想定されます。結果として、主要3中銀からの「低金利がしばらく続く」とのメッセージは、ドル高局面の終わりや(場合によっては)ドル安への転換を示唆している可能性があります。



短期金利先物(3カ月物先物金利)
出所:Bloomberg、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)、Eurex、東京金融先物取引所、JPモルガン・アセット・マネジメント
注:データは2015年12月31日時点で取得可能な最新のものを掲載


■なぜ、米国は利上げを続けられないのか


 反対にこれからドル高がさらに続くためには、ドル金利が現在考えられている以上に早く、もしくは大きく上昇する必要があります。しかし、FRBは四半期の経済見通しを公表する度に、利上げの時期やペースに関する見通しを下方修正しており、実際にはこれと真逆の状況が生じています。


 なぜ、米国は当初描いていたように利上げを実施できないのでしょうか。


 米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年(2015年)12月に利上げを行いました。利上げは2006年6月以来です。同時に、米連邦公開市場委員会(FOMC)は四半期経済見通しで、2016年には都合4回の利上げが実施されるとの予測を示しました(FOMC参加者の政策金利見通しの中央値に基づく)。これは順当に行けば、3月、6月、9月、12月のFOMCでの利上げを意味したはずです。


 実際には、3月のFOMCでは利上げは見送られ、同時に更新・公表された四半期経済見通しでは、2016年には都合2回の利上げに留まるとの予測が示されました。国内経済は堅調さを維持しているにもかかわらず、利上げの回数を減らすに至った理由として、FOMCは海外経済や金融市場の情勢を挙げています。


 昨年12月の本コラムで、筆者は次のように書きました。引用すると、


「FRBの利上げに関しては、よく言われることが2つあります。それは@『利上げ開始』という呼び方と、イエレンFRB議長も強調するA『重要なのは、最初の利上げのタイミングではなく、その後のペース』という話です。いずれの言葉の裏側にも『利上げがずっと続いていく』という前提があります。


 しかし、実際には『利上げ開始』ではなく、『単なる利上げ』に終わるかもしれません。あるいは『ペース』と呼ぶほど利上げは長続きしないかもしれません。なぜならば、そもそも今が利上げのタイミングではないためです。米国の景気は度重なる利上げに耐えられるほど強い状態とは言えません」


 実際、現在のところ、上記と似た展開になっています。


 なぜ、米国は利上げを続けられないのでしょうか。


 それは、多くの方がもはやご存じのとおり、為替レート(や市場金利)が金融政策や政策金利に先んじて調整したためです。言い換えれば、ドル高がこれ以上続かない要因は、ドル高がこれまで続いてきたため、ということができます。



貿易加重平均為替レート
出所:国際決済銀行(BIS)、JPモルガン・アセット・マネジメント
注:「貿易加重平均為替レート」は、名目実効為替レート。データは2016年2月29日時点で取得可能な最新のものを掲載


 2014年7月以降のドル高と資源価格(特に原油価格)の下落により、米国経済は製造業や資源セクターを中心に苦しい状態が続きました。商品(コモディティ)は金利が付かず、しかもその多くがドル建てで取引されているため、一般に資源価格は、金利が付くドルとの負の相関性が高いことで知られています。加えてドル高は、ドルとの連動性の高い通貨・人民元を持つ中国経済を一層苦しくしました。中国による資源の「爆買い」ブーム(コモディティ・スーパーサイクル)の終わりも、資源価格の下落を後押しした要因と見られます。



ドルと商品市況
出所:国際決済銀行(BIS)、Thomson Reuters、JPモルガン・アセット・マネジメント
注:「ドル・為替レート(貿易加重平均)」は実質実効為替レート。データは2015年12月31日時点で取得可能な最新のものを掲載


 このように、FRBは利上げの意思を示すものの、(利上げを行う前に生じる)ドル高と景気の引き締まりにより、実際には当初示唆するほどに利上げを積み重ねる必要はなくなっています。言い換えれば、為替レートが上昇と下落を交互に繰り返して、価格調整のメカニズムを担っている状況です。


 この先についても、特に日欧の景気が依然として力強さに欠く状況であれば、同じ状況を繰り返す可能性があります。米国の金融引き締めは現在の局面と同様に、「微調整」程度に留まる可能性があるでしょう。


■金融市場の大幅な調整も利上げを思い留まらせる要因に


 2014年の後半以降、米国景気の拡大と共に、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げの必要性を感じていたもう1つの要因は、投資家による過度なリスクテイクと金融市場の過熱と考えられます。特に2014年後半当時の米国株式やハイ・イールド債券のバリュエーションを見る限り、金融市場には過熱感がありました。


 投資家による過度なリスクテイクは、金融市場の不安定性をもたらす恐れがあるため、金融政策当局としては警戒が必要です。


 しかし、昨年8月や今年の年初以降に見られた金融市場の大幅な調整によって、資産価格の割高感は一部で解消されているように見えます。こうした金融市場の落ち着きもFRBが利上げを急がない要因になると見られます。


 そもそもハト派(物価よりも景気重視)とされるイエレン議長は景気の見通しについて慎重です。しかもFRBは伝統的に「低金利の継続」が促すような、金融資産価格の適度な上昇は景気の持続的な拡大に不可欠な要素と考えているようです。ドル金利の低位安定は、いったんは米国に還流したリスクマネーが再び、新興国などにじわじわと染み出ていくという流れを生じさせる可能性があります。いわゆる「流動性相場」的な動きであり、これは(金利差の拡大が続かないことと同様に)やはりドルがじわりじわりと売られる要因となります。


 以上をまとめると、FRBによる利上げ見通しの相次ぐ下方修正と日欧の金利下限、さらにはリスクマネーの再来によって、ドル高の終了と(場合によっては)ドル安への転換が生じる可能性があります。


(*)投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、必ずご自身の判断でなさるようにお願いします。本記事の情報に基づく損害について株式会社JBpressは一切の責任を負いません。


 

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コメント
 
1. 2016年3月30日 21:27:31 : HV5OehK4pk : OY2c7dFcJZc[41]
ドル高局面は終盤>

利上げ回避を繰り返すFRBの円高願望にすぎない。

つまらぬ数字でのゴチャゴチャもの。



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