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シニアが本当に使える“介護ロボット”とは?(※イメージ)
実用化始まる“介護ロボット” 転倒防止ロボも来年販売へ〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160318-00000000-sasahi-sci
週刊朝日 2016年3月25日号より抜粋
介護を苦にした家族による殺人事件、介護職員による高齢者への相次ぐ暴行事件――。
いっそのこと、人間よりもロボットのほうが頼りになるのでは? シニアが本当に使える“介護ロボット”を探った。
兵庫県宝塚市に住む佐武博司さん(81)は、4年前に転倒して脊髄損傷で両手両足が麻痺状態になった。毎日リハビリに取り組み、車いすで移動できるようになったが、自力で歩くのはまだ難しい。
その佐武さんの最近の日課は“散歩”だ。歩行支援ロボットのおかげで歩くことができるようになったのだ。手押し車のように押しながら歩くが、ロボットが歩みのスピードを自動で調節してくれる。
「車いすと違って、立ち上がって姿勢よく歩けるんですよ。やっと歩けるようになって気持ちが前向きになりますね。周りの人たちにも、表情が生き生きとしていると言われます」
と佐武さんは顔をほころばす。船井電機発のロボットベンチャー、RT.ワークス(大阪市)が昨年夏に「ロボットアシストウォーカーRT.1」を発売すると、リハビリのためにとすぐに購入した。
「ほかのリハビリ機器と違って自力で歩いているような感覚があるんです。今は自宅の庭や最寄りの宝塚駅までの坂道を歩いています」
坂道では自動でスピードを調整して、歩行をサポートしてくれるので、自力で歩くのが難しい佐武さんでも安心してリハビリに励める。GPSと通信機能が内蔵されているので、自宅から家族が見守ることもできる上、歩いた距離や歩数が毎日メールで自動的に送られてくる。
「どれだけ歩いたのか数字でわかるので、リハビリ効果が見えやすく、とても励みになります」と佐武さん。今年2月にはロボットと一緒にハワイ旅行にも行った。
RT.ワークス代表取締役の藤井仁氏は「シニアが自分で歩いて元気でいることをサポートするのが目的です。健康管理やリハビリの状態把握にも活用してほしい」と話す。
販売想定価格は本体だけで約23万円、通信機能やサポートがついて約25万円だ。健康増進やリハビリに使えると考えたらお手頃ではないだろうか。
屋外だけでなく、屋内の移動もロボットがサポートしてくれる。
サンヨーホームズが開発を進めるのが、屋内での転倒によるけがを防ぐロボットだ。天井にレールをはり、ロボットの心臓部である移動式のモーターを設置、そこからワイヤをひいて、専用ベストに装着する。ベストを着た利用者が転びそうになると、センサーが検知してワイヤをひいて利用者の体を支え、ゆっくりと床に下りられるようにする。
ベストには体の状態を検知するセンサーが入っており、外出中や離れて住む家族が、利用者の状態を遠隔地から見守ることもできる。
同社執行役員の細井昭宏氏は、介護事業所運営の子会社サンアドバンス(大阪市)の社長も務める。
「デイサービスの利用者から、『夜中にひとりでトイレに行きたい』『自分の下着は自分で洗いたい』といった悩みを多く受けました。自分で歩ける方でも、転倒が怖いから家の中でも歩かなかったり家族がひとりで歩かせなかったりします」
そこで開発したのがこのロボットだ。まだ開発段階だが来年には販売する計画という。
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