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必要度に応じて「赤」「青」「黄」に分類してみましょう(写真 :kaka / PIXTA)
「必要な保険」と「不要な保険」の正しい分類法 リスクマネジメントの考え方で線引きができる
http://toyokeizai.net/articles/-/109462
2016年03月16日 橋爪 健人 :保険を知り尽くした男 東洋経済
ある読者の方からお叱りを受けました。この連載では「保険はできるだけ入らない」と説いているようだが、そもそも入るべき保険とそうでない保険をどう区別すればよいのか。そのあたりが抽象的でよくわからない、というものです。
そこで今回は、この問いにできるだけ具体的にお答えしたいと思います。
●保険商品を「赤・青・黄」に分類してみよう!
まず日本の代表的な保険商品を、その必要度に応じて、信号機の「赤」「青」「黄」に例えて分けてみましょう。
もちろん、保険に求める人々のニーズは千差万別です。保険の入り方には、個人の価値観、人生観が色濃く反映されます。ですから、ここで申し上げることは、「平均的な日本人」が個人の好き嫌いでなく、「経済合理的」に考えることを前提とします。(加えて、筆者の価値観が若干反映していることも、あらかじめお断りしておきます)
■「赤」
赤信号は必要性の低い保険です。その代表的な保険は、「医療保険」、「がん保険」、「学資保険」、「介護保険」です。
日本では生活上、どうしても必要とされる保障は社会保険で手当されています。ですから、それ以上の保障は基本的に必要ありません。それでも心配ならば、その分は貯金で対応すべきです。医療保険、がん保険、介護保険で保障されるリスクのほとんどは、社会保険や貯金でカバーすることができます。学資保険は保護者の死亡保険と貯金で対応することができます。
また、「終身保険」や「年金保険」のように貯蓄要素のある保険は、昨今のような金利情勢では資産運用の妙味がありません。現状では必要性の低い保険と考えるべきでしょう。ただし、過去の高金利時代に入った保険、いわゆる「お宝保険」は貯蓄として魅力ある保険ですから、ここに該当しません。
■「青」
青信号は必要性の高い保険です。社会保険や貯金では対応し切れないリスクが存在する場合、どうしても保険は必要です。
たとえば、車を運転するならば「自動車保険」、家を持っていれば「火災保険」は必要です。子供が生まれた場合、社会人として巣立つまでの一定期間、一般的に親の「死亡保険」は必要でしょう。あまり認識されていませんが、働いている人には病気や事故で働けなくなり、収入が途絶えるリスクがあります。だから、「就業不能(所得補償)保険」も必要な保険です。
また、保険本来の目的とは言えませんが、節税目的や相続対策で利用されている保険は、その意味では必要性のある保険と言えるでしょう。
■「黄」
入っても、入らなくても大きな違いのない保険です。代表的なものは、損保系の「傷害保険」などの小さな保険です。保険料が少額ですから、経済的にそう大きな負担ではありません。海外旅行のお守りとして旅行傷害保険、運動好きな人が入るスポーツ保険、ゴルフ保険などです。好き嫌いで入っても大きなムダにはなりません。
すでに「赤」の保険に入っている人には早目の見直しをおすすめします。「青」の保険に加入していない人は、その保険の必要性について検討してみてはいかがでしょうか。
●リスクマネジメントが説く、保険の見極め方
ところで、「青」と「赤」を区別している違いとは、いったい何でしょうか。まずはリスクマネジメントの考え方に基づく線引きです。
@公的な社会保険で対応できるかどうか。
先進経済国家では、国民が安心して生活するためにどうしても必要な保障は社会保障制度として整備されています。日本もその例外ではありません。日本の社会保険については、いろいろと問題が取り沙汰されていますが、その給付内容はまだまだ充実しています。
社会保険はいわば国営保険会社の保険商品です。信用度が高く、事業規模は巨大です。強制加入の保険ですから、日本人ならば誰でもこの保険で守られています。この社会保険の保障で何とかなりさえすれば、それ以上の保険は必要ありません。
A 自分の貯金で対応できるかどうか。
貯金額は人によってさまざまですが、貯まれば貯まるほど、その分、保険の必要性は低くなります。金持ちは保険が要らない、というのは真実です。同じ理屈で、金持ちでない普通の人でも、その貯金額の範囲で何とか対応ができれば保険は要りません。
「貯金がないから保険に入るのだ」と反論する人がいます。貯金が貯まるまでの間に限って保険に入る、ということならば一理あります。しかしいつまでも保険料ばかりを払い続けることがないように、保険と並行して貯金を続けることが大切です。
➂万一の場合に、親族や友人の支援で対応できるかどうか。
困った時に助けてくれる親族や友人がいれば、保険は必ずしも必要ありません。人縁・地縁が希薄化した現代社会では、なかなか難しいかもしれません。しかし社会保険も貯金もない環境で暮らしている国が世界にはまだ多くあります。そこでは、家族、親族、友人たちと助け合いながら生活しているのです。今一度、あなたを取り巻く人たちと「共に助け合い(共助)」ながら「共に生きていく(共生)」可能性を考えることも、意味あることと思います。
●リスクはまずは「保有」して対応する
リスクマネジメントでは、リスクはまずは「保有」して対応する、と教えます。保有とはリスクを自分で抱え込み、自力で対処する方法です。代表的なものは、貯金をして万が一に備える、ということです。次に、それで対応できないリスクは「転嫁」する、と教えています。これは万一の場合の損失を、第三者に補填してもらう方法です。たとえば、社会保険で国に保障してもらう、家族・友人から支援してもらうことです。
そして、それでも対応しきれない大きなリスクに対しては、最後の手段として「保険」に入って備えることになります。つまり、「(保険がなくとも)何とかなるのか、ならないのか」がポイントです。これが「青」と「赤」を線引きする基本的な考え方なのです。
もうひとつ、保険の必要性の是非を判断する方法として、視点を変えて大局的に保険を眺めてみることもよい方法です。
もし保険がこの世の中になかったら、日々の暮らしはどうなってしまうのか想像してみることです。自動車保険がないと、普通の感覚ならばとても怖くて運転することができません。これでは困ってしまいます。しかし、医療保険やがん保険がなくても公的な健康保険制度があります。さほど困ることなく暮らしていけるように思えます。
あるいは、全国に強力な販売網をつくり、大量の保険営業員を動員して、テレビコマーシャルを頻繁に流し続けながら売ろうとする保険という商品を改めて考えてみましょう。そこまでしないと売れない商品とはいったい何なのか。本当に人々の生活に必要なものならば、そこまでしなくても売れるようにも思えてきます。
どこまで保険は必要なのでしょうか。あなたの「赤」「青」「黄」の保険を一度棚卸ししてみてはいかがでしょうか。
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