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マイナス金利1年超、先行スイス悩み深く 納税前倒し特典廃止[日経新聞]
2016/3/14 0:05
【ジュネーブ=原克彦】中央銀行が銀行の余剰資金に手数料を課す「マイナス金利」導入から1年以上が過ぎたスイスで、自治体や銀行が対応に苦慮している。余剰資金を抱え込まないよう前倒し納税への「特典」廃止に踏み切る自治体が相次ぎ、銀行界では国外の支店でも手数料導入を検討するところが出てきた。
スイス中銀は17日に金融政策決定会合を控えており、欧州中央銀行(ECB)に追随してマイナス金利を拡大すれば、マネーが行き場を失う構図が一段と強まりそうだ。
「前倒しで納税してもらう利点はなくなった」。スイス東部のツーク州は昨年末、期限の4カ月前までに納税する人の税金を1%割り引く優遇制度を廃止した。預金金利がほぼゼロになり、前倒し徴収で多額の資金を集めても運用による収入は見込めない。減免制度は今や税収減にしかならない「お荷物」になった。同様の制度を持つルツェルン州も前倒し納税の特典を縮小した。
スイス国立銀行(中央銀行)は2015年1月にマイナス金利を導入したが、銀行が法人の預金口座に負担を転嫁するにつれて余剰マネーは運用先がなくなりつつある。
スイス東部の自治体ポントレシナは隣町のサメダンに年率0.5%で500万スイスフランを融資した。原資は介護施設の建設計画が住民の反対で頓挫したことで浮いた資金だ。銀行に預ければ金利を取られるため、資金が目減りしないよう近隣自治体に融通することにした。
多額の長期資金を運用する年金基金も壁に突き当たる。チューリヒ州の自治体ゴッサウは国内の年金基金から400万スイスフランを無利子で借り入れた。年金基金の多くは一定の割合を安全資産で運用することを決めているが、マイナス金利で預金は手数料を取られかねず、国債運用も危うい。それよりは貸し倒れリスクの小さい自治体に無利子融資するほうがいい、との判断があったようだ。
銀行界の反発も強まる一方だ。「中長期的には経済全体に深刻な影響をもたらす」。スイス州立銀行協会は1月、声明でスイス中銀のマイナス金利政策に懸念を表明。銀行にとって余剰資金を抱えることのリスクが膨らめば、企業向け融資などの金融仲介機能を傷めかねないとの主張だ。
大手銀行では既にスイスの法人顧客からマイナス金利を徴収しているプライベートバンクのジュリアス・ベアが2月の決算説明会で、ドイツなどユーロ圏の支店でも手数料導入を検討していると明らかにした。「他行や自社の顧客が大金を持ち込まないようにする」とディエテル・エンケルマン最高財務責任者(CFO)は漏らした。
事業会社も対応に躍起だ。腕時計の世界最大手スウォッチグループは「一定水準を超えた預金にマイナス金利が適用されないよう取引銀行と交渉している」(ティエリー・ケネルCFO)という。フラン高の余波で15年12月期決算は営業減益だったが、2月には最大で10億スイスフランの自社株を買い入れると発表した。少しでも自社の預金を減らす狙いがあったようだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM11H29_T10C16A3FF8000/?dg=1
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