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(回答先: 細る外食、太るコンビニ:軽減税率で「胃袋戦争」新局面に 「一物二価」レジ混乱の懸念:「一物一価」にすればいいだけ! 投稿者 あっしら 日時 2016 年 3 月 11 日 02:18:12)
[経済観測]中間層の消費どうなる 消費税8% 痛税感なお しまむら社長 野中正人氏
大ヒット商品が乏しいうえ暖冬の影響も重なりアパレル業界は苦境にある。消費の主役のはずの中間層はどのような買い物行動をとっているのか。実用衣料に強い、婦人服チェーン最大手、しまむらの野中正人社長に聞いた。
価格・価値見極め
――年明けから株価が乱高下しています。消費に影響は出ていますか。
「一喜一憂するような感じではない。消費者は『買いたい』という気持ちは持っているが、一抹の不安を抱いている。足元では賃金が上がるかどうか、マイナス金利政策が世の中にどのような影響を及ぼすのか見定めている。先々は消費税率の引き上げや社会保障制度の行方が焦点だ」
「諸課題を消費者が納得感を持って受けとめれば消費は動き出す。今は背中を押してくれるだけの納得感がない」
――消費の地合いそのものはいかがですか。
「前回の5%から8%への消費税率引き上げの影響がまだ尾を引いている。5%時代の値札は消費税込みの総額表示だけだった。8%になって本体価格と税額を分けて表示したり本体と総額の両方を表示したりするところが出てきた。痛税感を意識せざるをえない。価格と価値のバランスを今まで以上に消費者は注視するようになっている」
――どのような対策を。
「昨年半ばから前シーズンの商品を持ち越さないよう売れ残りは捨てた。売り場に新商品が入るようになり昨年9月以降、既存店売上高の前年同月比伸び率が2%を切った月はない」
「消費者の目は厳しく、1年前と同じ商品を販売しても手には取ってくれない。原材料が上がったからといって販売価格を上げても同じだ。素材、デザイン、機能などを消費者も納得してくれる価値のある商品は売れ行きがよい。裏地に起毛のある『裏地あったかパンツ』は昨シーズンは2900円だったが今シーズンは3900円にしても非常によく売れた」
大都市では好調
――地域別の商況は。
「関東南部、愛知、大阪、福岡などの大都市を抱える地域はいい。アベノミクスの恩恵を受けているのは大企業中心なのかもしれない。北海道や東北も健闘しているがガソリン価格の下落が追い風になった。この地域のロードサイド店の販売実績を下支えした」
――アパレル業界全体が不振なのはなぜですか。
「大きなファッショントレンドがここ数年ないのが痛い。そのために価格競争に陥り、リスクを取ったトレンドの打ち出しをするところが少なくなった。ただアベノミクスによって極度な低価格志向は収まった。潮目は変わり、少しずつ特色のある商品を開発すればチャンスは大いにある」
――来年春に予定される消費税率10%への引き上げは可能でしょうか。
「財政事情を考えればその必要性は理解できる。軽々しく言えないが今のような消費の地合いでは非常に難しいと思う。軽減税率の線引きや表示方法などシステム変更にも時間がいる。決まらないことが企業や消費者を足踏みさせている」
(聞き手は編集委員 田中陽)
のなか・まさと 「パートさんの力で会社が成り立っている」と語る。55歳
[日経新聞3月9日朝刊P.5]
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