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現役東大生が書いた「断然ベスト」な就活本の中身 プロも納得!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48093
2016年03月04日(金) 山崎 元「ニュースの深層」 現代ビジネス
■自己分析などムダ。企業分析にこそカギがある
結論から先に言う。企業への就職を考える大学生は、是非、『進め!! 東大ブラック企業探偵団』を読んでほしい。大学生にとって、現存する「就活本」としては、この本が断然のベストだ。以下、そう思う背景を説明する。
筆者は、今年度まで6年間に亘って、獨協大学で週2コマ授業を担当していた。対象は、1年生から4年生までの学部生だ。教えていた内容は資産運用についてだが、学生には、授業2回に一度くらい、就職活動やビジネスパーソンとしての世渡りのコツなどを30分程度話すことにしていた。言うまでもないが、大多数の大学生にとって「就職」は最大の関心事であり、心配事だ。学生達は、筆者の話を熱心に聞いてくれた。
そもそも、自分が就職や転職で散々失敗し、世渡りも上手くないくせに、学生に教えを垂れるとはいい気なものだ、という読者諸賢のご批判は甘んじて受けよう。ごもっともであり、その通りだ。
しかし、日本の大学とは、大半の教師が誰の干渉も受けずに、自分の好きな話をする場なのである。サービス業としての大学教育の「品質管理」がどうあるべきかに関しては、別の機会に詳しく論じたいと思っているが、筆者が主に「就活(=就職活動)」について、学生に語っていたのは、以下のような内容だ。
「いいですか。企業の採用担当者は、面接を受けに来た学生が、どんな性格で何に興味があるかなどという学生の自分話には興味などありません。人材として、使えるか・使えないか、一緒に働きたいと思う人間か・否か。相手について興味があるのは、そこだけです。
部活やらサークル活動やら、イベントやら、ましてアルバイトなどで、どんな体験をしたかなどという話は、似たような話をたくさん聞いてすっかり聞き飽きているのでウンザリしています。心理テストみたいな自分探しや、子供の作文みたいな体験談を用意することは、全て無駄です。
面接は、人生相談の場ではありません。どうせ、企業のことなど知りもしない大学職員や、就活をビジネスにしている業者が、無意味な就職対策を考えているのでしょう。
面接は、自分という商品を売り込む営業の場であると同時に、相手の会社に関する情報を取る機会であり、いわば『商談』の場です。そしてこの商談では、一言で言うなら相手に対する『敬意を伴った興味』を伝えることがポイントです。
それ以外の点は、相手が見るあなたの実力と人間性であって、これらは急には改善できません。
商談は、真剣なビジネスの場なのだから、相手について調べていて当然だし、調べた上で意見を持っていないと、相手に対する敬意が伝わりません。
相手を調べるには、上場企業の場合、企業のホームページの『IR』あるいは『株主・投資家の皆様へ』などと書かれたページにある、有価証券報告書や決算短信を2年分くらい読み込んでみて下さい。
学生向けの採用関係のページには、企業にとって都合のいいことしか書いていませんが、IRのページでは、株主や投資家にとって重要な情報は開示しなければなりません。会社の実態を知る上で重要な情報があるのは、断然こちらです。
なんなら、採用担当者と、その企業の株価や業績について議論してみるのもいいでしょう。ちなみに、学生に対して、自社の株価の説明も出来ないようなボンクラを採用担当にあてがうような企業には行かない方がいい、という逆テストにもなります」
実際、採用担当者に「ボンクラ」は少なくないし、それでも学生は内定を取りたいわけだから、採用担当者をその場でやり込めるまでは必要ないのだが、就職先の会社を選ぶ上でも、企業のせめて公開情報くらいは調べておく方がいい。
そうは言われても、企業や業界をどうやって分析して、評価したらいいのかが、分からない学生が(東大でも)大半だろう。そして、教師にとっても、分析方法を説明するのは面倒である。『進め!! 東大ブラック企業探偵団』は、この学生・教師双方にとって面倒な問題を解決してくれる便利な本なのだ。
■なぜ外食業界はブラック化するのか
現役東大生が注目の一冊。幸せに働ける会社を見抜く方法とは?
「東大」そして「ブラック企業」。ネットの記事ならいかにもページ・ビュー稼ぎを狙った印象の、あざといタイトルの書籍である。ついでに言うと、イラストに描かれた女子東大生の胸はこんなに大きい必要があるのだろうか(今風なのだろうが、筆者の好みではない)。
しかし、中身を見ると、読みやすい小説仕立てであり、連続性を持った4話で構成されている。4話は、順に、外食産業、メディア業界、家電メーカー、金融業界を取り上げている。
それぞれの業界の企業を公開情報を元に分析し、従業員が酷使され、将来のビジネスの見通しが暗い「ブラック企業」と、業績と成長性(現在見える範囲で)が良好で社員にとっての条件がいい「ホワイト企業」の両方が具体的に紹介される構成になっている。
しかも、各章末には、P/L(損益計算書)、B/S(貸借対照表)、キャッシュフロー表、のいわゆる財務3表と、銀行決算の読み方の、要領の良い解説が載っていて、参考書的な副読本として大変親切な作りになっている。
本文中では「UTBD(東大ブラック企業探偵団)」のメンバーが企業や業界を分析するのだが、分析の方法と語り方は、証券会社のアナリストのそれに近い。これは、著者を指導した教官の経歴に由来するものかもしれないが、株式投資に興味のある読者には、馴染みやすい語り口だろう。
いわゆる「ネタバレ」になるとまずいので、少々曖昧に紹介するが、外食産業を取り上げた第1話では、牛丼戦争から説き起こして、外食産業が最終的には人件費を削っての競争に陥りやすい「ブラック化」の傾向を持つ事が説明されるが、外食「関連」企業の中に、知名度は高くないが、極めて収益力の高い優良ホワイト企業があることが紹介されている。
各話の構成は基本的に同じだ。たとえば、日本の多くの家電メーカーが現在苦境にあり、経営方針的にもイケていないことは、多くの読者が同意されるところだろう。本書のストーリーの中では有名企業の経営内容が良くないことが実名を挙げて語られている。しかし、家電産業の活路を3つ述べた上で、実は社員が高収入で高収益企業があることを紹介する、といった具合なのだ。
外食、メディア、エレクトロニクス、金融、それぞれの業界で、どこを「ホワイト企業」と認定するのか、読者にとって興味深いところだろう。
■改めて言おう。まずは企業分析からはじめよ
本書の著者、大熊将八氏は、東京大学経済学部の学生だ。ちなみに、特技は競技ダンスで、元学生日本一だという。競技ダンスの学生日本一とは、掛け値無しに凄い!プロフィール紹介の写真を見ると、いいルックスでもある。下世話な興味ながら、彼がどういった就職先を選んだのかについては、興味の湧くところだ。
率直に言うなら、ゴールドマンサックス証券とか、三菱商事といった、月並みな就職先でない方が嬉しいと筆者は思った。実は、担当編集者からの側聞によると、企業としての将来性は確たるものではないようなのだが、われわれは大熊氏が書かれる文章を、比較的近い将来に読む事が出来るかもしれない、と期待させる就職先に内定されたらしい。
全国の大学の就活生諸君は、先ず、この本を読んで、企業や業界の分析方法を就活に生かしてほしい。そして、著者の分析の上を行こうとチャレンジする気概があるならば、もっといい。
一生を決める(かもしれない)就職先を選ぶのに、読んでおいて損はナシ
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