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[ポジション]海外勢、日本国債で運用益
マイナス金利でも購入 ドル・円交換、上乗せ金利で
日銀のマイナス金利政策を受けた長期金利の急低下にもかかわらず、海外勢が日本国債を積極的に買っている。カギを握るのは通貨スワップと呼ばれるデリバティブ取引だ。市場ではドルを欲しがる参加者が多く、海外投資家が手持ちのドルを円に替えると高い上乗せ金利を得られるので、利回りがマイナスの国債を買っても十分な運用益を稼げるという。
国外投資家の国債購入もあり、24日の債券市場では10年国債の利回りが過去最低を更新した。
市場関係者によると通貨スワップ取引の上乗せ分を含めた日本国債への投資利回りは合計で年1.5〜2.5%ほど。欧州は当然ながら米国債とも遜色ない水準だ。
「世界中で金利が下がるなか隠れた『高利回り債券』の日本国債に資金が向かっている」(野村証券の中島武信氏)
実際、海外勢の買い意欲は強い。日本証券業協会によると、1月の海外投資家による日本国債の買越額は1兆4272億円(短期国債を除く)。昨年7月以来7カ月連続で最大の買い手となっている。
日銀がマイナス金利の導入を決めた1月末以降も、その勢いは続く。財務省の週間データでは、海外勢が直近の7〜13日に買い越した中長期債は1.1兆円と昨年8月以来、約半年ぶりの高水準になった。
例えば海外勢が手持ちのドルを円に5年間交換する取引で、上乗せ金利は年0.9〜1%ほどになる。これを元手に日本国債に投資すれば、マイナス金利の2年債や5年債でも年2%前後の高利回りで運用できる。
多様な資産に運用対象を広げる必要があるヘッジファンドや海外中銀にとって、日本国債は魅力的な投資対象と映っている。
直近、上乗せ金利が拡大したのは昨年12月の米利上げがきっかけ。世界中の投資マネーが米国に還流する動きが強まり、ドルの需給が引き締まった。日銀のマイナス金利政策を受けて国内の金融機関が海外投資を加速させるとの見立てもドルへの引き合いを強め、上乗せ金利は一段と拡大した。
上乗せ金利は上昇を続けるとの見方が多い。
「外債へのシフトを主体とするしかない」。筒井義信・生命保険協会会長(日本生命保険社長)は19日、運用難を受けた資金の振り向け先について問われ、そう答えた。
生保など機関投資家は外債に投資する際、為替リスクを避けるため通貨スワップ市場でドルを調達するヘッジ取引を手掛けることが多い。こうした取引の増加は、通貨スワップ市場のドル需要をさらに引き締める。
この結果、上乗せ金利が拡大し、海外勢の国債投資が勢いづけば、長期金利に一段の下押し圧力をかけかねない。
海外勢による取引が多い期間1年以下の短期債や2年、5年などの国債の利回りは、すでに日銀が一部の当座預金に付けているマイナス0.1%を下回っている。
ただ、これまで日本国債を長期保有してきたのは生保や年金だ。外国勢の勢いと裏腹に、そうした安定的な投資家の存在感が薄まると「将来の債券市場の金利乱高下につながりかねない」(みずほ証券の上野泰也氏)。マイナス金利の副作用の芽がここにもある。
(浜美佐)
[日経新聞2月25日朝刊P.21]
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