10ドル?250ドル?どちらもあり得る原油価格 これほど見通しの振れ幅が大きい理由 2016.2.20(土) 藤 和彦 シリア・ラムラン近郊の石油精製所(資料写真)。(c)AFP/FABIO BUCCIARELLI〔AFPBB News〕 米WTI原油先物市場は、OPECが協調減産に合意するとの期待から上昇した先週の流れを継続し、1バレル=30ドル前後で推移している。 きっかけは、2月11日にUAEのエネルギー相が「OPEC加盟国に減産協力の用意がある」と発言したことだった。これを受ける形で2月14日にナイジェリアの石油資源相は、「世界的な原油相場安について“どのように歯止めをかけるべきなのか決断すべき”とのコンセンサスがOPEC内部で形成されつつある」との認識を示した。 2月16日にはカタールの首都ドーハで、サウジアラビアとロシアの石油相が、カタールやベネズエラという他のOPEC加盟国の石油相も交えて原油市場について協議した。また、ロシア国営石油会社ロスネフチのセチンCEOも、2月10日、原油価格を上昇させるために「主要産油国による日量100万バレルの協調減産」を提案した。 同17日、テヘランでカタール、イラク、ベネズエラと協議を行ったイランの石油相がサウジアラビアとロシアが合意した原油の生産量維持案に支持を表明したことを市場が好感したため、原油価格は1バレル=31ドル台後半まで上昇した。しかし米国の原油在庫が86年ぶりの高水準となったことが判明すると、原油価格は同30ドル台に下落した。 イランは増産、ロシアも減産しない 中東、ロシアでは協調減産の動きが活発化している。だが、筆者は協調減産の可能性は極めて低いと見ている。 まず大きな理由は、イランの制裁解除後の増産ぶりが明らかになっていることだ。イランは2月15日、経済制裁解除後では初となる欧州向け原油を荷積みした。欧州向けには計400万バレルの輸出を計画している。イランの1月の原油生産量は、日量40万バレル増加の同286万バレルとなった。 イランの石油相は2月10日、「国際原油市場の状況についてサウジアラビアと話し合う用意がある」と述べた。だが、OPECが全体として減産を行う可能性は低いと言わざるを得ない。 ロシアも減産には大きな障害がある。油田が老朽化し、生産された原油に水が混じっているため、生産を停止すればパイプが凍結したり、貯留層に悪影響が及び、生産能力が減少するリスクがあるからだ。さらに減産分を貯蔵しようとしても、同国では設備が不足しているという難点がある。 シェール企業の大量破綻が金融危機を引き起こす 減産が進まない中で数少ない明るい材料といえるのは、米国のシェール企業の生産がいよいよ減少しそうだという観測である。 大手資源サービス、ベーカー・ヒューズによれば、石油リグ(掘削装置)稼働数は2月12日までの2週間に59基減少し、2015年4月以降で最大の落ち込みを示した。米エネルギー省も、3月のシェールオイルの生産量は9.2万バレル減少し、日量492万バレルに落ち込むとの予測を発表した。 さらにエネルギーコンサルタントのIHSは、「既に60社のシェール企業が破綻を申請した。今後、さらに約150社が破綻する可能性がある」という事態を、「原油価格が底入れしたことを示すシグナル」として楽観的に捉えている。 だが、はたしてそうだろうか。 2月12日付ウオール・ストリート・ジャーナルは「経営難に苦しむ複数のシェール企業が、銀行融資枠を既に使い果たしている」と報じた。もはや目先の運転資金不足を補うことができないということだ。 全米でシェール企業は4000〜5000社あると言われているが、米メデイアCNBCの分析によればシェール企業の3割が1年以内に手元の現金が枯渇する見通しである(米監査法人デロイトも2月16日、シェール企業の約3分の1が年内に破綻に陥る危険性が高いとの見解を示した)。 例えば、中堅シェール企業であるパラゴン・オフショアは、27億ドル相当の債務再編で連邦破産法第11条の適用を申請した(2月13日付ブルームバーグ)。 また、2月9日に米格付け会社S&Pは、シェール企業最大手であるチェサピーク・エナジーの格付けを「持続不可能な債務」を理由に1段階引き下げた。チェサピーク・エナジー側は「流動性の危機に直面している」との観測を否定し、「破産法の適用を申請する計画はない」としているが、株価は40%以上下落した。 S&Pは、エネルギー与信の比率が高いテキサス州やオクラホマ州に本社を置く地方銀行4行についても格下げを行った。シェール企業の経営破綻が今後頻発するようであれば、銀行によるシェール企業向け融資の焦げ付き懸念が現実問題となり、ブームに乗ってシェール企業のジャンク債の購入を膨らませてきた投資家が巨額の損失を被る恐れがある。 シェール企業の大量破綻を契機に信用不安が広がり、米国の資産バブルが崩壊すれば、シェール企業の減産というプラス効果よりも、世界最大の原油需要国である米国の金融危機の発生によるマイナス効果のほうが大きいだろう。 「原油価格下落の最悪期は終わっていない」 中国の原油需要も心配である。 中国の2015年の原油輸入量は前年比8.8%増の3億3550万トンと堅調な伸びを示していたが、2016年1月の原油輸入量は前年比4.6%減の2669万トンとなった。 中国からの資金流出は今年に入って勢いを増している。大量の不良債権を抱える銀行の破綻が懸念視される中にあって、原油需要のみが増加し続けることはありえない。 世界経済を支える米中両国で金融危機が発生すれば、世界全体の原油需要が減少に転じる可能性が高い。需要面からの価格下押し圧力も要注意である。 2月9日にロンドンで開かれた国際会議「IP Week」(国際石油週間)に集った世界の石油業界関係者の間では、「原油価格下落の最悪期は終わっていない」という重苦しい空気が支配していたという。 中でも前出のロシアのセチン氏は、「原油価格は1バレル=25ドル以下になるだけではなく、同10ドルになる可能性がある」との極めて悲観的な見通しを吐露した。 また、ゴールドマン・サックスは2月11日、「原油価格は今年下期まで1バレル=20〜40ドルのレンジ内で激しく変動し、価格トレンドは見られない。1バレル=20ドルを割り込むこともあり得る」との見方を示している。 サウジの危機で原油価格が高騰する可能性も 一方、原油業界誌「オイルプライス」は2月12日、「可能性は低いが」との注釈付きで「サウジアラビアとイランとの紛争が激しくなれば、原油価格は1バレル=250ドルにまで上昇する」との見解を示した。 低油価による悪影響が湾岸産油国の雄であるサウジアラビアを直撃しており、財政悪化に苦しむ政府が通貨リヤルを切り下げるとの観測が日増しに高まっている。 サウジアラビアはリヤルをドルにペッグしているが、リヤルの先安観の高まりから、政府はペッグ制を維持するため相当規模のリヤル買いドル売り介入している。それにもかかわらず、先渡し取引の相場が年初に急落、現物との乖離幅は20年ぶりの高水準となっている。 サウジアラビアの外貨準備の規模は中国・日本に次ぐ世界第3位を誇っている(6000億ドル超)。だが中国以上のペースで外貨準備が減少しているため、1986年の逆オイルショック時以来の通貨切り下げを行わざるを得ない状況に追い込まれている。30年前は1ドル=3.65ドルを3.75リヤルに切り下げるだけで済んだが、今回の場合は「リヤルは25%下落する」(仏ソシエテ・ジェネラル)のではないだろうか(S&Pは2月18日サウジアラビアの信用格付けを2段階引き下げた)。 2016年の予算案で公務員数の伸びを抑制したため、若者の雇用状況は悪化しており、そのうえ輸入インフレによる物価高騰を招いたら、サウド家に対する国民の不満は爆発するだろう。 サウジアラビアの北朝鮮ばりの「先軍政治」も気がかりである。英国の国際戦略研究所(IISS)が2月9日発表した報告書によれば、サウジアラビアの昨年の国防費は819億ドルと前年に続いて世界3位となり、GDPに占める割合は12.9%と世界一の軍事大国である。 2015年3月から実施しているイエメンでの軍事行動では、既に375名のサウジアラビア人が死亡した。また、今年2月に入り、シリアの反政府勢力を支援するサウジアラビア政府は、シリアへの地上軍派遣の必要性に言及した。これに対してシリア政府をはじめイランが猛反発している。 2月15日、サウジアラビア軍は、シリアでの過激派組織イスラム国(IS)に対する作戦を強化するため、戦闘機約20機をトルコの空軍基地に派遣した。トルコ軍とともに地上作戦に踏み切ると、イランとの間で小競り合いが発生する可能性が高くなる。紛争が起きれば大産油国からの供給に懸念が生じ、原油価格が1バレル=80ドル以上に高騰する可能性があるだろう。 原油価格の見通しはますます不透明に 以上で見てきたように、この先の原油価格は「10ドル」と「250ドル」という2つの極端な見通しが混在している。 現在の米国の原油在庫は86年ぶりの高水準に達し供給過剰懸念が続いているが、「価格が底入れした」と考える者と、「さらに下落余地がある」と考える者との大乱戦が起きており、原油先物とオプションの売りポジションと買いポジションの合計が過去最高に増加しているという(2月8日付ブルームバーグ)。 原油市場における供給過剰量は日量200万バレルと言われているが、日量約9500万バレルの生産量と比べると微々たる量である。このことは原油供給の過剰と不足の境界は非常にマージナルなものであることを意味する。 新たなリスクが発生するたびに原油価格の見通しを変更せざるを得ない、不透明な時代に入りつつあるといってよいだろう。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/46105 ブラジル株(19日):通貨も共に上昇、汚職事件に関する新聞報道受け 2016/02/20 08:14 JST
(ブルームバーグ):19日はブラジルの株式と通貨が上昇。同国のルセフ大統領が退陣を迫られ新たな政権が誕生し成長回復と財政立て直しに注力する道が開けるとの観測が再び高まった。 ルセフ大統領の出身母体、労働党(PT)の主要メンバーが、ブラジル最大の汚職事件に関連し司法取引に応じたとの報道を受けて、ボベスパ指数と通貨レアルは下げを取り戻す展開となった。同国紙グロボが、この人物はブラジルの一部大手企業が絡む汚職事件で検察当局に詳細を提出したと報じた。 ボベスパ指数は前日比0.2%高の41543.41で終了。グロボ紙の報道を受けて一時0.8%高を付けた。週間ベースでは4.4%高。レアルは0.2%高の1ドル=4.022レアル。週間ベースでは0.5%の下落となった。汚職スキャンダルの中心となっているブラジル石油公社(ペトロブラス)は2.8%安。 ブラジルの株と通貨はこの日初め、同国の財政を立て直す取り組みは成功しないのではないかとの懸念から下げていた。 鉄鉱石価格が上昇する中、鉱業会社ヴァーレとブラデスパルはボベスパ指数構成銘柄で最も大きく上昇。一方、証券取引所を運営するBM&Fボベスパは0.1%安。一時2.2%安まで下げた。2015年10−12月(第4四半期)利益がアナリスト予想を下回ったことなどが悪材料となった。 原題:Brazil Stocks Rise With Real Amid Corruption Probe Speculation(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2TGTU6S972C01.html NY市場概況 EU首脳会議受けてポンド買い 掲載日時:2016/02/20 (土) 07:08
日本時間午後10時半に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、一時ドル買いが優勢となった。ドル円が113円台を回復などの動きが見られたが、この動きは続かず、その後112円台前半まで下落。フロリダ州で講演を行ったメスター・クリーブランド連銀総裁(今年のFOMCでの投票権あり)が市場のボラティリティや原油安が見通しにリスクもたらすという旨の発言があり、ドル売りが入った面も。もっとも同総裁はマイナス金利に否定的、FRBの姿勢は緩やかな利上げという立場も強調しており、全般としてはそれほどドル売りという材料ではない。CPI後の高値がロンドン朝と同水準で抑えられたこと、NY原油が時給バランスの乱れへの懸念を払拭しきれず値を落としたことなどがドル売りにつながりやすい地合いをよび、週末前のポジション調整もあってドル売りが広がったものと見られた。 ドルは対円だけでなく、対ユーロやポンドといった主要通貨、豪ドル、カナダドルといった資源国通貨に対しても売られている。 ポンドに関しては昨日から開かれているEU首脳会合をにらんだ動きも。EUオフィシャルからの発言として、英国のEU残留にからんだ提案について夕食会が良い機会になるとの認識を示すなど、残留への前向きな話が出てきたことでポンド買いが入った。さらに夕方になってリトアニア大統領が英国提案の合意をツイート。公式発表はまだでなかったが、その後トゥスクEU大統領が全会一致での提案支持をツイートしたことで、ポンドはもう一段買いが入った。 ◆ラガルドIMF専務理事二期目へ IMFのラガルド専務理事が正式に再任を決めた。任期は5年間。再任決定を受けての会見で中国経済について言及するなど、新興国リスクへの関心が感じられた。 ◆石油稼動リグ数減少 先週に続いて米国・カナダでの石油リグ(掘削装置)の稼動数が減少。需給バランスの調整に役立つと、NY原油が安値から少し買い戻される展開となった。前日の週間原油在庫統計で、米国内の原油在庫が1930年来の高水準まで積みあがったこともあり、朝から売りが強まって29ドルちょうど近くまで下落。その後ポジション調整に30ドル台を回復も続かず、再び29ドル台前半まで売り込まれたものの、稼動リグ数減少でやや買い戻しという展開に。原油下落リスクの後退で、引けにかけてドル円などが安値から買戻された動きにもつながる材料となった。 (Klugチーフストラテジスト山岡和雅) http://www.gci-klug.jp/fxnews/ 米国株(19日):ほぼ変わらず、週間ベースでは今年一番の大幅高 (1) 2016/02/20 07:45 JST (ブルームバーグ):19日の米国株式相場はほぼ変わらずで終了。テクノロジーと消費関連株が上昇した一方、原油安に伴い商品関連株が下落した。相場は週間ベースでは昨年11月以来で最大の上昇となった。 原油の下落をきっかけに、相場は売り先行で始まった。午前中に下げは埋めたものの、終日伸び悩んだ。アプライド・マテリアルズは7.1%急伸し、テクノロジー株の上昇を支えた。アプライドは2−4月(第2四半期)売上高がアナリスト予想を上回る可能性を明らかにした。アマゾン・ドット・コムは1.9%高と、消費関連株の上昇をけん引。一方、ボーイングは2.1%安と5営業ぶりの下落。 S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げて1917.78で終了。これで続落となったが、週間ではなお2.8%の上昇。ダウ工業株30種平均は21.44ドル(0.1%)安の16391.99ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.4%高。一時は0.7%下げる場面もあった。 ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング担当マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は、「先週は下落方向に行き過ぎていたが、そうした売られ過ぎの水準からはかなり大きく持ち直し、今は買われ過ぎの状態だ」と指摘。「きのうの反落も、きょうの続落も驚きではない」と述べた。 原油相場は1週間ぶりの大幅安となったものの、エネルギー株や素材株以外に深刻な影響は広がらず、かつて強かった株価との相関性が低下している根拠が新たに示された。 ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅反落し、1バレル=30ドルを割り込んで引けた。 キャボット・ウェルス・マネジメントのロバート・ラッツ社長は「原油の状況は単に供給の問題に過ぎない」と指摘。「エネルギー需要は世界的になお比較的堅調だ。投資家はそのことに注目し、世界全体どこを見ても原油安が問題になっているとの考えから距離を置き始めているのかもしれない」と述べた。 中国をはじめ海外の成長減速が米経済に波及する兆しを確かめようと、経済指標に投資家の注目が集まっている。1月の米消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除いたコア指数が約4年ぶりの大幅な伸びを示した。総合CPIは前月比でほぼ変わらず。エネルギー価格の低下継続が影響した。 CPIのデータを受けて、市場では年内に利上げが実施されるとの織り込みが進行。6月の利上げの確率は24%と、前日時点の17%から上昇した。1週間前の同確率は6%を下回っていた。12月の利上げの確率は44%と、前日時点の37%から上昇。 この日はS&P500種の業種別10指数中、6指数が下落。エネルギーや素材の下げが目立った。一方、一般消費財・サービスと情報技術は値上がりした。金融とヘルスケアはほぼ変わらず。 エネルギー株はここ2日間の下げ幅が2.1%に拡大。サウスウェスタン・エナジーはこの日17%安と、7年ぶりの大幅下落となった。マーフィー・オイルは9.7%値下がり。 一般消費財株は上昇し、旅行関連銘柄のカーニバルやプライスライン・グループが大きく値上がり。 アプライド・マテリアルズは情報技術の中で最大の上昇となり、2014年5月以来の大幅高を記録。他の半導体銘柄も買われ、ラム・リサーチやコルボも値上がりした。 原題:U.S. Stocks Close Little Changed to Cap Best Weekly Gain in 2016 (抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2TCFC6KLVRG01.html Business | 2016年 02月 20日 08:50 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 円が対ユーロ・ドルで上昇、株・原油安で逃避買い=NY市場 [ニューヨーク 19日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、円がドル、ユーロに対し大幅上昇した。世界経済をめぐる懸念を背景とする世界的な株安や原油相場の値下がりを受け、安全資産とされる円が買われた。
ドルはほぼ全面安の展開となった。朝方発表された1月の米消費者物価指数(CPI)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが4年5カ月ぶりの大幅な伸びとなったが、材料視されなかった。株・原油安でドルの投資妙味が薄れたという。 円は対ユーロで2年半ぶり、対ドルで1週間ぶり高値に上昇。直近ではユーロEURJPY=に対し0.4%高の125.32円、ドルJPY=に対し0.6%高の112.59円をつけた。 ユーロ/ドルEUR=は0.2%高の1.1018ドル。ただ週間では昨年11月第3週以来の大幅下落となる見込み。前日公表された1月開催の欧州中央銀行(ECB)理事会の議事要旨を受けて、3月の追加緩和観測が高まっており、ユーロは売られやすい地合いとなっている。 欧州連合(EU)首脳が英国のEU離脱回避に向けた改革案を協議する中、ポンドは対ドルで上昇した。オランド仏大統領が合意への期待を表明したことが支援した。 ドル/円 NY時間終値 112.63/112.65 前営業日終値 113.23 ユーロ/ドル NY時間終値 1.1129/1.1135 前営業日終値 1.1101 http://jp.reuters.com/article/ny-forex-close-idJPKCN0VS2WH?sp=true NY外為(19日):円上昇,週間では9月来の長期連続高−逃避需要で (1) 2016/02/20 07:36 JST (ブルームバーグ):19日のニューヨーク外国為替市場では円が上昇。週間ベースでは昨年9月以来の長期連続高となった。市場では米経済の改善の兆しは材料視されず、資金を安全資産に向ける動きが広がっている。 円は主要16通貨全てに対して値上がり。朝方発表された1月の米消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除くコア指数が約4年ぶりの大幅な伸びとなったが、この発表後も円は堅調に推移した。 世界の成長鈍化懸念からここ数週間続いている市場混乱で、円は最も恩恵を受けている。オプション市場では円の値上がりに備えたコストが上昇しているが、ゴールドマン・サックス・グループは円が年末までに15%超下落するとの予想をあらためて示した。 USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査責任者、ジェニファー・ヴェイル氏は「リスクオフの市場環境では、逃避資金の流れは経常黒字国の最も流動性の高い通貨に流れる。つまり日本だ」と指摘。自身としては対円でのドル上昇を見込むポジションは取らないと述べた。 ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.5%高の1ドル=112円63銭。対ユーロでは0.4%上げて1ユーロ=125円31銭。一時125円02銭と、13年6月以来の高値を付けた。 円は週間では3週連続高で、これは9月4日終了週以来の長期連続上昇。日本銀行が1月末、予想外にマイナス金利導入を決めたことに反応して円は一時下落したが、その後再び上昇傾向にあり、財務省・日銀が円高抑制のために介入を実施するとの思惑が強まっている。 ロイヤル・バンク・ オブ・スコットランド・グループ(RBS)のシニア市場ストラテジスト、マンスール・モヒウディン氏は、来週末に上海で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の前に円上昇が加速した場合、日本の当局は介入は「極めて難しい」と感じるだろうと指摘した。 オプション市場のドル・円の3カ月物リスクリバーサルでは、円を買う権利(コール)の売る権利(プット)に対するプレミアムが2010年以来の高水準付近に上昇した。ただ、ドル・円の相対力指数(RSI、14日間)は、相場が反転する可能性を示唆する30付近にある。 市場も円の強さが持続するとはみていないようだ。ロビン・ブルックス氏率いるゴールドマンのアナリストグループは、19日付の顧客リポートで、円が対ドルで「短期的」に1ドル=120円、年末までに130円に下落すると予想した。 ブルームバーグが市場関係者50人余りを対象に実施した調査の中央値では、円は3月末までに1ドル=120円、年末までに123円に下げると見込まれている。 原題:Yen Posts Longest Winning Streak Since September on Haven Bid(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2SFT36KLVRB01.html
米国債(19日):2年債下落、CPIコア指数の大幅な伸びで (1) 2016/02/20 07:31 JST
(ブルームバーグ):19日の米国債市場では償還期限の短い国債が下落。朝方発表された1月の米消費者物価指数(CPI)で食品とエネルギーを除くコア指数が約4年ぶりの大幅な伸びを示したことが手掛かりとなった。 CPI統計を受けて年内の利上げ観測が強まり、金融政策に最も敏感な2年債利回りは上昇した。フェデラルファンド(FF)金利先物動向によれば、年内に1度の利上げが織り込まれている。昨年12月時点での米金融政策当局の見通しでは4度の利上げが見込まれている。 RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラリー・ミルスタイン(ニューヨーク在勤)は「CPI統計が予想よりも良好だったことから、年内の利上げはないとの予想に傾きつつあった市場参加者を思いとどまらせた」と述べた。 ニューヨーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して0.74%。同年債(表面利率0.75%、2018年1月償還)価格は3/32下げて100ちょうど。10年債利回りはほぼ変わらずの1.74%だった。 米労働省の発表によると、1月のCPIコア指数は前月比で0.3%上昇。2011年8月以来で最大の伸びだった。前月は0.2%の上昇。コア指数は前年比で2.2%上昇と、2012年6月以来で最高の上昇率だった。 ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏はこのペースでインフレが上昇した場合、「市場参加者の見方とインフレ統計の内容には大きな相違が出てくる」と指摘した。 金利先物市場は年内の利上げ確率を43%として織り込んでいる。前日の37%から上昇した。年初時点では93%だった。 原題:Treasury Two-Year Notes Fall as Inflation Rises Most Since 2011(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2TC33SYF01V01.html まだら模様のインフレ率、FRBには追い風か By JUSTIN LAHART 2016 年 2 月 20 日 07:51 JST
インフレ指標は回復の心強い兆しを見せ始めた。だが至る所でそうだとは言えない。 米労働省が19日発表した1月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比で横ばい、前年同月比では1.4%上昇となった。さらに注目されるコアのCPI(エネルギーと食品を除く)は、前月比で0.3%上昇した。前年同月比では2.2%上がり、2012年6月以来の上昇幅を記録した。 しかし、こうした伸びで2%のインフレ目標を掲げる連邦準備制度理事会(FRB)が使命を達成したことにはならない。バンクオブアメリカ・メリルリンチの推計によると、FRBが注目するコアの個人消費支出(PCE)物価指数は1月に1.6%の上昇にとどまった可能性が高い。さらに、ここ半年の主要通貨に対するドルの上昇が消費者物価に完全に反映されるのはまだこれからだ。 それでもドル高の影響が小さい項目ではインフレ率の上昇が明らかで、米雇用市場の堅調さが物価に反映され始めた兆しといえる。保育サービスから葬儀費用に至るまで広範な項目を含むコアのサービス価格は前年同月比3%上昇した。これは08年以来の大幅な伸びだ。一方、為替変動と世界の経済動向の影響をはるかに受けやすいコアの財価格は、同0.1%の低下となった。 ドル高が消費者物価に及ぼす影響を最終的には一過性と見るFRBにとって、サービス価格の上昇は安心できる兆候だ。3月の利上げ可能性はまだ極めて低いが、1月のインフレ指標はFRB当局者が6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策引き締めを主張する根拠を強めるものだ。 唯一の難点は、輸入販売業者や輸入品と競合する製造業者への影響だ。1月のインフレ指標から、こうした企業が今後さらに痛手を被ることがわかる。 これらの企業はサービス費用を自社で負担し、サービス提供会社と社員の人材を奪い合わなければならない。その半面、自社製品の販売価格は圧力にさらされている。卸売価格の下落はいくらかの経費削減につながるものの、直面する競争の厳しさを考えるとコスト削減を販売価格に反映させないことは難しい。 このため利益率は一段と圧迫される。とりわけ打撃を受けるのは上場企業だろう。米経済全体の平均に比べて事業内容がサービスより財に偏っているためだ。 もっと悪いことに、インフレが上向き続ければ、FRBはさらに金融引き締めに踏み込みやすくなり、ドルが一段高となる可能性がある。そうなれば利益率はますます低下しかねない。 Business | 2016年 02月 20日 02:31 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 米利上げ早期化予想再び、消費者物価統計受け=短期金利先物 [ニューヨーク 19日 ロイター] - 19日午前の取引で、米短期金利先物が下落した。1月のコア消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を上回ったことを受け、利上げペースが一部の予想よりも速まるとの見方が再浮上した。 CMEフェドウォッチによると、連邦準備理事会(FRB)が6月に利上げを行う予想確率は25%、12月は44%と、いずれも前日からやや上昇した。 http://jp.reuters.com/article/us-short-term-interest-rate-futures-cpi-idJPKCN0VS27J FRB、緩和の段階的縮小が適切=クリーブランド連銀総裁 By DAVID HARRISON AND JONATHAN MILTON 2016 年 2 月 20 日 01:10 JST 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は19日、このところの世界の金融市場動向は不安の種だとしつつ、米経済が改善しつつあるとの自信は今のところ揺らいでいないと述べた。 メスター総裁は米フロリダ州サラソタで講演し、堅調な労働市場と実質可処分所得の増加は「米経済のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)が引き続き健全」な証拠だと指摘した。 「現時点では、市場の変動と原油価格の急落が見通しにリスクを及ぼしていると見るが、私の経済見通しに大きな変更を迫るものだと結論づけるのは時期尚早だと思う」と語った。 米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の一部は最近、世界情勢をめぐる不透明感を受け、3月の追加利上げを見送るべきとの見解を示した。メスター総裁は、不透明感があることを認めながらも、まだ緩やかな金利引き上げを想定していると述べた。 さらに「適切な政策経路には、グレート・リセッション(大不況)への対応に要した異例の規模の金融緩和を段階的に縮小することが含まれる」とし、「フェデラルファンド(FF)金利が実際にたどる経路は経済情勢とその見通しへの影響次第となる。過去に見られたように、状況の急転換も起こりうる」と続けた。 3月の利上げをめぐる見解を明確に論じることはなかった。FRBはそれまで7年にわたりゼロ近辺に据え置いていた政策金利を昨年12月に0.25%引き上げた。1月の連邦公開市場委員会(FOMC)では金利を据え置いたが、メスター総裁はこの決定を支持したと述べた。 一方、3月のFOMC後に公表されるFRB当局者の経済予測について「前回予測以降に見られた世界的な経済・金融動向を踏まえれば、3月(の予測)はとりわけ役立つものとなるだろう」との見方を示した。 Business | 2016年 02月 20日 02:19 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 米経済足元の弱含み克服へ、当面は緩和必要=連銀総裁
[サラソータ(米フロリダ州) 19日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、米経済は最近の金融市場のボラティリティーや弱い経済指標を乗り切る見込みだが、連邦準備理事会(FRB)は当面、金融緩和の維持が必要な公算が大きいとの認識を示した。 総裁は講演原稿で「現時点で、米経済は市場の混乱や指標の弱含みを乗り越え、緩やかな回復軌道に戻ると想定している」と指摘。 インフレ率は従来予想よりも長く低水準にとどまる見込みだが、2%の目標に向けて加速するとの見方を変えていないと述べた。 FRB内ではインフレ期待低下へ懸念が高まっているが、メスター総裁は市場ベースのインフレ期待指標が低下しているのはインフレ期待の変化ではなく、流動性およびインフレリスクのプレミアムの変化を反映している可能性が高いとの見方を示した。 一方で、海外経済の減速やドル高、より制約された金融環境、エネルギー業界の苦境などを踏まえると、緩和的な金融政策を「当面」維持することが必要な公算が大きいと述べた。 ただ、中国経済の減速による世界経済への影響や市場のボラティリティー、原油安のリスクを勘案する必要があるとしながらも、現時点で自身の見通しを著しく変更することは「時期尚早」とした。 個人消費は年初から底堅く、原油安による追い風を引き続き受けるだろうと語った。 http://jp.reuters.com/article/usa-fed-mester-idJPKCN0VS26P Business | 2016年 02月 20日 02:02 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス 基調的な米物価上昇率4年半ぶりの大きさ、年内利上げも
[ワシントン 19日 ロイター] - 米労働省が19日発表した1月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)によると、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが0.3%上昇と2011年8月以来4年5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。家賃や医療費の上昇が基調的な物価を押し上げた。 前年同月比は2.2%上昇で、こちらは12年6月以来の大幅なプラスだった。過去10年の平均年間上昇率である1.9%も上回った。 市場は前月比で0.2%、前年同月比で2.1%の上昇を予想していた。昨年12月のコアCPIは、前月比が0.2%、前年同月比は2.1%の上昇だった。 統計発表後、ドルはユーロに対して取引時間中の最高値をつけた。米国債はマイナス圏に落ち込んだ。米株価は下落して始まった。 MUFGユニオン銀行でチーフエコノミストを務めるクリス・ルプキー氏は「金融政策当局の望みが叶った。インフレの高まりを望んでいたが、それが実現したのだから」と話している。 FRBは昨年12月に9年半ぶりとなる利上げに踏み切った。物価は、今年の追加利上げの有無を判断する材料として注目されている。最近の株価急落や国内・世界経済の減速で金融市場はひっ迫しており、3月の利上げはほぼないとみられている。 FRBが物価の目安として注目する個人消費支出(PCE)物価指数はコアCPIを大幅に下回っている。 ただ、基調的な物価上昇率に加速の兆しがみえることは、FRBにとって朗報だ。家計のインフレ期待は非常に低く、物価の力強さには課題が残るが、それでもコアCPIが上昇基調を強めていることは、雇用市場が引き締まっていることと合わせて、年内の利上げの可能性を残す材料となる。 1月の全体のCPIは前月比横ばいだった。前年同月比は1.4%上昇で14年10月以来の大きな伸びとなった。昨年12月は前月比が0.1%の下落、前年同月比は0.7%の上昇だった。前年同月比は原油値下がりに伴う物価下押し効果が統計上、はげ落ちたことに伴って伸びが加速した。 1月の前月比の内訳は、家賃が2カ月連続で0.3%の上昇。医療費は0.5%の値上がり。処方箋薬も0.5%上昇した。診察費用は前月の0.2%下落から0.1%の上昇に転じた。病院費は0.4%値上がりした。 衣料は0.6%の値上がりで、5カ月ぶりにプラスに転じた。衣料品店は在庫解消のために大規模な安売りをしており、値上がりは予想外だった。新車の価格は0.3%上昇。ガソリンは4.8%下落した。食品は横ばいだった。 17日には過去5年間のCPIの改定値が発表された。それによると、昨年末にかけての数か月間についてCPIとコアCPIの前月比の数字が上方修正された。 http://jp.reuters.com/article/jan-us-core-cpi-idJPKCN0VS24B?sp=true
米消費者物価指数:1月はコアが0.3%上昇、11年8月以来の高い伸び 2016/02/20 00:52 JST
(ブルームバーグ):1月の米消費者物価指数(CPI)は食品とエネルギーを除くと約4年ぶりの大幅な伸びを示した。 米労働省の19日発表によると、1月の消費者物価指数(CPI)コア指数は前月比で0.3%上昇。2011年8月以来で最大の伸びだった。前月は0.2%の上昇。総合CPIは前月比でほぼ変わらず。エネルギー価格の低下継続が影響した。 RBCキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、トム・ポーセリ氏は「価格は上向いており、しかもかなり広い範囲に及んでいる」と述べ、「インフレにまだ息があることを説得できるこれ以上の根拠はない」と続けた。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト82人の予想中央値では、1月の総合CPIは0.1%低下。コア指数は0.2%上昇が見込まれていた。 1月の総合CPIは前年比で1.4%上昇。前月の0.7%上昇から伸びが拡大した。コア指数は前年比で2.2%上昇と、2012年6月以来で最高の上昇率だった。 項目別に見ると、1月は帰属家賃や衣料、医療、自動車が上昇した。 統計の詳細は表をご覧ください。 原題:Core U.S. Consumer Prices Rise by Most in Over Four Years (1)(抜粋) http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O2SV9GSYF01V01.html
人民銀副総裁、金融政策の過度な緩和を警戒
By LIYAN QI 2016 年 2 月 19 日 18:26 JST 【北京】中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁は19日、同国の金融政策は「過度な緩和」を避けるべきだと指摘した。自国通貨安を招く恐れがあるためだという。 易副総裁は、金融政策の過度な緩和は「資産バブルや人民元の下落につながる」可能性があると述べた。 中国の政策当局は、政策金利や預金準備率の引き下げといった包括的な緩和策の実施に二の足を踏んでいる。こうした措置が人民元の先安観を強めるとの懸念が背景にある。 人民銀行は代わりに公開市場操作(オペ)で金融市場へ資金を注入している。18日にはオペを毎日実施すると発表し、19日には100億元(約1700億円)の短期資金を金融システムへ供給した。
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