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人工知能 可能性と課題
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/718.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 2 月 20 日 04:47:47: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 

(回答先: 人工知能をいかに進めるべきか 投稿者 あっしら 日時 2016 年 2 月 20 日 04:46:03)


※日経新聞連載

[時事解析]人工知能 可能性と課題

(1)第3のブーム ウェブなどと融合

 人間の知能の働きをコンピューターを使って実現する人工知能(AI)の技術が進化し、注目を集めている。ウェブサービスやロボット、IoT(モノのインターネット)とAIが融合し、新しいサービス、産業を生み出そうとしている。

 AIブームは1960年代、90年代に続いて今回が3度目。従来AIは、画像・音声認識やエキスパートシステムなどに実用化されたが、システムに判断のルールを教え込むという手法をとっていたことから、能力に限界があったとされる。

 これに対して、近年のAIは「統計・確率的な手法や脳科学の最新成果を導入することによって、非常に融通の利く現実的な技術へと生まれ変わった」(小林雅一著「クラウドからAIへ」)。

 米国のクイズ王に勝ったことで有名になった米IBMの質問応答システム「ワトソン」は、膨大なデータベースから必要な知識を迅速・適切に取り出して人と応対。実用化が近いクルマの無人運転技術は、センサーなどで周囲の状況を判断するAI技術をベースにする。

 AIを搭載したロボットがヒトの相手をしたり人手が必要だった監視業務を機械が担ったりするなど、AIが人間の代わりをする場面が増えている。

 AIの進化は新産業を生み、社会の姿を大きく変える可能性がある。海外では米グーグルやIBMなど有力企業の存在感が大きい。日本でも日立製作所、トヨタ自動車などが相次ぎAI研究を強化。政府系の産業技術総合研究所や理化学研究所が研究拠点づくりに動くなど取り組みが活発だ。

(編集委員 吉川和輝)

[日経新聞9月15日朝刊P.30]


(2)深層学習に注目 画像認識、人間超え

 人工知能(AI)への注目が高まった大きなきっかけは、ディープラーニング(深層学習)という新しい技術が登場したことだ。松尾豊・東大准教授は「50年に一度のブレークスルー」とし、この技術の登場によってAI応用のロードマップが見えてきたという。

 この技術は人間の脳を模したニューラルネットワークの一種。ネットワークの層をいくつも重ねることで性能を飛躍的に向上させた。従来のAIは問題をうまく解くための情報(特徴量)を機械に教え込むことが必要だった。ディープラーニングではこの手続きが不要で、自ら試行錯誤を重ねて正解に近づいていく。

 ディープラーニングの威力が知れ渡った契機は、画像認識の能力を競う競技で2012年に、この技術を使ったカナダ・トロント大学のチームがほかに大差を付けて勝ったことだ。顔を見分ける画像認識の能力はその後も向上し、今年春には米マイクロソフトや米グーグルが相次ぎ人間のレベルを超える認識能力を達成した。

 画像認識にとどまらずディープラーニングの応用分野は広い。従来の技術では歯が立たなかった熟練工の技術をロボットが代替したり、生産プロセスを人間に代わって最適に設計したりするなど現実世界での活躍の場が増える。

 25年ごろに言語を自ら理解し、30年ごろには知識を自ら取得するようになるといったシナリオがある(松尾豊著「人工知能は人間を超えるか」)。グーグルがこの技術を持つベンチャー企業を次々と買収するなど、産業界の動きは急だ。

(編集委員 吉川和輝)

[日経新聞9月16日朝刊P.30]


(3)人手不足を解消 機械台頭で失業も

 人工知能(AI)の進化によって、労働や社会的活動を巡る人間と機械の関係が変わる。AIやこれを搭載したロボットがこれまで人間が担っていた対人サービスを代替するほか、AIが運転手代わりになる無人・自動運転など、従来とは次元の異なる機械化の波が訪れるとみられるためだ。

 AIやロボットの普及は日本のような少子高齢化・労働力不足の問題を抱える国には有益だ。政府が今年1月に発表した「ロボット新戦略」では、ロボットで人手不足解消や生産性向上を目指すべき分野としてサービス、介護・医療、建設など5分野を挙げている。

 一方、AIやロボットの台頭で人が要らなくなる職場も出てくる。「職を追われる可能性があるのは、コンピュータによって代替可能な職種についている人々、いわゆるホワイトカラー」(新井紀子著「コンピュータが仕事を奪う」)

 エリック・ブリニョルフソン米マサチューセッツ工科大教授は「労働者が未来永劫(えいごう)最も重要な生産要素であり続けると考えるのは楽観的に過ぎる」(「ザ・セカンド・マシン・エイジ」)として、経済における労働の役割が小さくなるとする。

 井上智洋・駒沢大講師は、人間の脳を模した「汎用人工知能」が普及することを前提に「2045年ごろには日本の人口の1割くらいしか働いていないだろう」と予想する。仕事の大半をコンピューターやロボットが担う究極の機械化によって経済成長の潜在力は高まるが、富を再分配するための新しい仕組みが必要になると指摘する。

(編集委員 吉川和輝)

[日経新聞9月17日朝刊P.29]

(4)「人類超え」のリスク 脅威論には異論も

 「シンギュラリティー(技術的特異点)」という言葉が、人工知能(AI)ブームとともに語られるようになった。米国のコンピューター研究者、レイ・カーツワイル氏らが広めた考え方で、コンピューターの性能が指数関数的に向上する結果、その能力が全人類を超えるとする。その時期は2045年としている。

 ビル・ゲイツ、イーロン・マスク、スティーブン・ホーキングといった著名人がAIが人間社会を脅かす可能性を指摘。「意識を持つに至ったコンピューターが人間に敵対する」という近未来SFの定番テーマのような話が、真剣に議論されている。こうしたリスクがある以上、AIの野放図な進化には歯止めをかけるべきだという規制論も出ている。

 こうした脅威論には専門家の間に異論もある。松尾豊・東大准教授は「AIは与えられた目的をいかに効率的に達成するかの手段にはなるが、AIが自ら目的を持つことはない」と考えている。長い進化を通じて本能や欲望などを獲得してきた人間と機械は根本的に異なるという。

 ただその松尾氏も「悪意を持った人間がAIを使うことは真の脅威となる」という。テロリストや犯罪者などAIを悪用しようとする人間に目的を与えられると、システムはその目的を「効率的に」に達成しようとするためだ。

 AI技術の進展を人為的にコントロールする必要があるかどうかを判断するためにも、AIの本質や社会にもたらす影響をアセスメント(評価)することが重要となる。

(編集委員 吉川和輝)
=この項おわり

[日経新聞9月18日朝刊P.31]

 

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コメント
 
1. 2016年2月20日 20:44:11 : 5f2ex1qdks : d0PxkpG_qrw[1]
2045年では、人類を超えないだろうな。が、いずれ強大な自我と、増殖欲をもつだろう。その時は人類はサルと同列扱いだ。今でも、国民の年金を博打相場で燃やしても、知らん顔出来る、トップどもはサル以下だが。

2. 2021年6月10日 17:06:52 : YRs7PN5CZw : NlZyRGJZWmZLaFU=[11] 報告
姿勢も検知する画像認識技術、通行量調査の精度は99%以上
https://news.goo.ne.jp/article/newswitch/business/newswitch-16858.html

 グローリーは、画像認識技術によって人の骨格を認識し、姿勢や位置を検知するシステムを開発した。センサーは不要で、既存の監視カメラと連動すれば、どの地点に何人の人がどのような状態で滞在していたかを把握できる。商店街やショッピングモールなどでの通行量調査に活用を見込んでいる。2020年度にはシステムをパッケージ化して市場投入する計画だ。

 骨格認識技術は、紙幣や硬貨処理機で培った高速の認識、識別技術を応用した。挙手や座るといったポーズ検知、ある一定の場所にどれくらいの時間滞在したかの滞留検知や通過人数検知、侵入検知ができる。

 18年10月に、兵庫県姫路市の商店街で通行量の実証実験を行ったところ、99%以上の精度で検知した。人による目視カウントの92%を大きく上回った。

 ショッピングモールの店舗前に来た人がどのような動きで、どれくらいの時間滞在したかがわかれば、店舗誘致に活用できる。警備会社が夜中の巡回に利用することも可能。

 また、銀行のATM前で携帯電話などを利用している人の検知という使われ方で、詐欺被害を防げるとしている。

3. 2022年2月26日 19:45:19 : DkcLKu4bLk : WVdzeHBLcVJLd1U=[12] 報告
AIが卒アル写真選別する機能開発 ITベンチャー
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%EF%BD%81%EF%BD%89%E3%81%8C%E5%8D%92%E3%82%A2%E3%83%AB%E5%86%99%E7%9C%9F%E9%81%B8%E5%88%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E6%A9%9F%E8%83%BD%E9%96%8B%E7%99%BA-%EF%BD%89%EF%BD%94%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC/ar-AAUkpdF?ocid=msedgntp

写真販売システムを運営するITベンチャー「エグゼック」(東京)は、学校の卒業アルバム制作時に、人工知能(AI)が運動会などシーン別にお薦め写真を選んでくれる機能を追加したサービスを4月に提供する。業界初の機能で、運動会の写真ならばリレーや玉入れといった種目別にシーンを選択し、生徒の登場回数をある程度均等に配分できるようになるという。

全国の街の写真館が保有する運動会や修学旅行といった学校行事の写真をAIに分析・学習させることで、従来は難しかったシーン別の写真選別が可能になった。山中淑史(ひでふみ)経営企画部長は「運動会のシーンでは特定の種目の写真に偏らないようAIが自動でバランスよく写真を選別するので、アルバム制作の負担がかなり削減できる」と話す。

すべての児童や生徒たちをバランスよく掲載することが求められる卒業アルバムだが、近年は新型コロナウイルス禍で生徒のマスク姿の写真が多く、登場回数を平等に選別するのが困難になっている。同社のAI機能を搭載したアルバム制作サービスを活用すれば、マスク姿の生徒の写真も個人を特定して選別できる精度を確保。アルバムに登場する生徒の均等配分を確認しやすくした。

アルバム制作に携わる教職員や保護者の負担を大きく削減させると口コミで広がり、同サービスは昨年度は約100の写真館を通じて約300校で利用された。今年度は約300の写真館、約700校に増える見通しだ。

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