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1月の大波乱相場の主役はオイルマネーでなく銀行だった!?(会社四季報オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/260.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 04 日 16:37:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

         日銀のマイナス金利政策導入を受けて1月29日の株式相場は乱高下(写真は黒田総裁、撮影:大隅智洋)


1月の大波乱相場の主役はオイルマネーでなく銀行だった!? 
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160204-00103569-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 2月4日(木)15時21分配信


 ボラティリティが異常な水準で高止まりした1月相場。その極め付きは同月末だった。29日の日経平均株価の値幅は871円。大荒れの1月でも最大の値動きを記録した。

 直接の要因は日銀による「マイナス金利」の導入である。そのインパクトは凄まじく、日経平均は金融政策決定会合の結果公表直後に前日比597円高の1万7638円まで駆け上がったが、実際の効果に対する懐疑的な見方が広がると同274円安の1万6767円まで急落、結局、同476円高の1万7518円で取引を終えるという荒っぽさだった。

 もっとも、HFT(高頻度取引)などアルゴリズムに基づく売買が乱舞する東京市場で、こうしたイベントに絡む乱高下は恒例のものとなっている。前回、日銀が「補完措置」を打ち出した昨年12月18日の日経平均の日中の値幅は886円と今回以上に荒れたのである。ただし、決定会合にいたるまでの市場や投資家の動きを検証してみると、前回と今回では大きな相違点を見出すことができる。

 昨年12月の会合直前の日経平均は1万9000円台。同年9月29日の1万6930円をボトムに12月1日の2万0012円まで大幅に戻した後、同月16日の米国の利上げも波乱なく受け止めるといった感じだった。いわば静かな展開の中で会合を迎えたと言える。

 一方、今年1月の日銀会合は、わずか1週間前の21日に日経平均が1万6000円台割れ寸前まで下落するなど下値不安が強くくすぶる局面で迎えた。それでも日銀が動くと予想していたのは少数派だった。

 21日午後、参院予算委員会に臨んだ日銀の黒田総裁は、何かあれば「躊躇なく政策を調整する用意」はある、といつもの表現を繰り返しながらも「現時点で追加緩和は考えていない」と答弁した。同日後場の寄り付き直後に318円高の1万6734円と反発していた日経平均の終値は398円安の1万6017円。値幅にして716円の急落劇を演じた。

■ ETFの処分売りが下げを加速か

 21日の急落にアルゴが絡んでいたのは間違いないだろうが、市場関係者の間では、「呼び水は特定の金融機関によるETF売り」との観測が流れていた。

 日本の銀行は本業の貸し出しでの収益が伸び悩む環境下で、海外展開など収益源の多様化を模索・実行。その一環として株式のETFへの投資を選択するところもあった。「アベノミクス・ラリー」ではそれなりの成果を上げてきたとみられるが、許容損失額に抵触(ストップロス)し、損失確定の最終決断の背中を押したのが黒田発言だったのではないだろうか。あくまでも想像の域を出ないが……。

 投資部門売買動向から4つの投資主体をピックアップして年初からの動きを振り返ってみよう。外国人の1月第1〜3週合計の売り越し額は、現物株式が8482億円で先物は1兆1057億円だった。これに対し、昨年8月は現物の売り越しが1兆1582億円で先物は1兆5286億円。翌9月は現物の売り越しが2兆5712億円で先物は8175億円だった。

 日経平均の安値は前出の9月29日に付けた1万6930円。産油国マネーが投資資金の回収に動いた時期とみられている。実際、今年1月と現物の売り越し額を比べても昨年9月にそうした動きが激化したと考えられる。

 今年も外国人売りは続いているが、昨年の8月や9月ほどの猛烈な勢いではない。売り越し額は漸減傾向で、特に1月第3週(18〜22日)には海外勢の先物の売り越し額が前週の10分の1以下に縮小した。

 同週21日に日経平均は安値を更新。この週の先物の売買動向で目を引くのは「都銀・地銀」、すなわち銀行の1400億円近い売り越しである。市場に流れた「ETFの処分売り」との観測が正しければ現物の売り越し額が膨らむはずだが、市場の受け止め方が間違っていたのか、それとも保有するETFのフルヘッジを意図した行動が市場の誤解を招いたのか……。真相は当事者にしかわからないのがこの世界だが、いずれにせよ銀行がかなりの弱気スタンスだったことだけは間違いないだろう。

 また、第3週の個人の現物と信用の内訳をみると、現物が1111億円の買い越しと幅広い押し目買いが続いたのに対し、信用は834億円の売り越しだった。担保余力を失った信用の追い証回避の売りが新たな売りを誘発するという、スパイラル状態につながってしまったようだ。安値をたたいたのは外国人ではなく国内勢であった公算が大きいということだろう。

 皮肉にも日銀が初めてマイナス金利の導入を決め、市場では金融機関や生保などの運用難の深刻化を見越したのか、REIT(不動産投資信託)が急騰、配当利回りの相対的に高い大型株も買われるといった反応を見せた。気がつけば来年度は目前で、国内機関投資家は運用計画の策定の真っ只中だろう。来年度に関しては株式型のETF投資を選択肢とする金融機関も出てくるとみられる。繰り返しになるが、皮肉としか言いようがない。

■ 2月前半も需給面から要警戒

 米国市場の場合、産油国マネーが換金に動くのは月初めの10営業日が多く、この期間に身構えている向きが少なくないという。10営業日と言っても月間の営業日数は各国おおむね21日あるいは22日程度であり、「月前半には要注意」ということだ。

 日米両国の株式市場もここ数カ月間、月の前半が軟調で後半に盛り返すパターンを繰り返している。産油国が依然として資金手当てを必要としているならば、2月も前半は要警戒だ。

 一方、今年1月21日は昨年の7月21日からちょうど半年経過というタイミングだった。昨年7月21日の終値は2万0888円。日経平均が昨年、終値ベースで20800円を超えていたのは6月の23、24両日と7月21日、そして8月10日の4日だけだった。1月21日には信用取引の買い方の期日到来に伴う手仕舞い売りがかさんだとも推測できる。来週には8月10日の6カ月期日も迎える。引き続き信用の買い方の決済絡みの動きにも注意したい。

 上場企業の第3四半期累計(15年4〜12月)決算の発表は今週でヤマ場を超え、来週には主要企業の数値がほぼ出そろう。決算内容を踏まえて配当利回りや、その原資を生み出す収益力の高さ、安定度などに着目し、投資対象をスクリーニングしておくべき局面かもしれない。

 せがわ・つよし
●新日本証券(現みずほ証券)に入社後、株式投信の運用業務、情報部門、自己売買部門のマネージャーなどを歴任。さくら証券にエクイティ部部長として勤務後、2001年4月に新光証券(現みずほ証券)にストラテジストとして入社。独立後は経済番組のコメンテーターとして活躍し、現在は瀬川投資研究所代表。市場関係者への丹念な取材や緻密なデータ分析に基づいた独自の相場解説で人気。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

瀬川 剛
 

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