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「クローズアップ現代」が「終了」して、最後の良心のごとくなった「時事公論」。
出演者にもよるが、国家放送協会でまともな意見が言える最後の場所かもしれない。
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時論公論「原発事故6年 廃炉を加速させるには」水野倫之解説委員 2017.03.07
http://o.x0.com/m/449576
(生字幕放送でお伝えします)
こんばんは。
世界最悪レベルの福島第一原発の事故からまもなく6年。
現場では溶けた燃料の調査が始まるなど、廃炉作業は一歩前進しました。
しかし、ロボットは立往生し、内部の状況が詳しく分かったわけではありません。
長い廃炉の入り口にようやく立った段階です。
福島では今月、一部で避難指示が解除されます。
住民が安心して帰還できるようにするためにも、廃炉を急がなければなりません。
今夜の時論公論は、福島第一原発の現状。
そして廃炉の技術的な課題。
さらに廃炉を加速させるためには、何が必要なのか。
以上3点から廃炉の課題を考えたいと思います。
事故から6年がたち、現場は落ち着いてきてはいます。
先日、現地を取材しましたが、除染が進み、多くの場所で、普通の作業着で作業できるようになりました。
1日6000人を超える作業員のため、コンビニも開店するなど、作業環境はかなり改善されました。
しかし、建屋内は手付かずの場所もあり、周辺では放射線量は急に上がります。
80メートルほど離れたこの高台に来ますと、1時間当たり170マイクロシーベルトと、一般の人の1年間の限度に5時間余りで達する量です。
建屋に近づくにつれて、線量は上がり続け、バスの中でも二百数十マイクロシーベルト。
建屋の中に大量の溶けた燃料や、放射性物質が取り残され、高濃度汚染水もたまっているからです。
政府と東電は最長40年で廃炉にすることを目指し、2020年に汚染水の処理を完了させたうえで、2021年には、溶けた燃料の取り出しを始める計画です。
それに向けて東電はこの1年、新たな取り組みを始めましたが、高度な技術を追い求めたわりには、期待されたほどの成果が上がっていません。
まずは先月2号機で、溶けた燃料を探すため投入された、このサソリ型のロボット。
倒れても起き上がる機能までつけて調査に臨みました。
しかし放射線量は計測できたものの、堆積物がキャタピラに絡まって動けなくなり、溶けた燃料がどこにどれだけあるのか、明らかにはできませんでした。
続けて東電は、今月1号機にもロボットを投入する計画です。
それがこちらのワカサギ釣り型。
1号機では燃料のほとんどが格納容器の底に落ちていると見られるため、足場の隙間から、釣り糸を垂れるように、カメラと線量計を容器の底まで延ばしていきます。
しかし、容器内は配管などが複雑に入り組んでいます。
ケーブルが絡まってしまえば、一巻の終わり。
これを遠隔で操作しなければならず、サソリ以上に高度な技術が必要となります。
格納容器内は、人が入れないため、今後もハイテクロボットは必要でしょう。
ただ、今回の調査で最も成果を上げたのは、ロボットに先立って、さおの先につけたカメラを、作業員が手作業で貫通口から挿入して行った調査で、溶けた燃料と見られる堆積物を見つけています。
もちろん、こうした手作業は被ばくも伴うため、短時間しかできず、撮影範囲も限られます。
しかし、格納容器には、700か所の貫通口があり、被ばく対策をしたうえで、そのうちの何か所かでカメラを入れるだけでも、かなりのことが分かる可能性があり、何よりも短期間で準備できます。
今回の教訓を生かし、ロボットだけに頼るのではなく、人の手作業による確実な調査を積み重ねていくことを検討する必要があると思います。
また汚染水対策でも、世界初の対策が期待されたほどの効果が得られていません。
地下水を遮断する凍土壁です。
凍結開始から1年近く、現場では凍結状況を確認するため、地面の一部が掘り返され、表面に霜のようなものが付いていました。
ハンマーでたたいてみますと。
硬いコンクリートをたたいたときのような音がし、温度もマイナス8度と、この一帯は凍っていることが分かります。
しかし凍土壁は深さ30メートル、全長1.5キロに及びます。
きちんと凍結しているのかどうか、すべてを確認することはできず、壁の海側の汚染された地下水のくみ上げ量も東電の想定までは減っていません。
地下には、ケーブルなどが通るトンネルがあり、その周辺から地下水が抜け出ている可能性があり、原子力規制委員会は、凍土壁の効果は今のところ限定的だとしています。
ではどうすればいいのか。
規制委が注目するのは、建屋周りにありますこうした井戸です。
現在は40か所で地下水がくみ上げられて排水され、地下水の水位が下がるなど、一定の効果が確認されています。
実はこの井戸、事故前から地下水対策として稼働していたもので、事故の影響で壊れて、しばらく使っていなかったものを修理し、再び使い始めたものです。
やはり実績ある対策ほど確実なものはありません。
凍土壁とは別に、早くこの井戸を増やし、事故前と同じくみ上げ能力まで増強していかなければなりません。
ここまで技術的な課題を見てきましたが、それだけで廃炉は進みません。
信頼回復が不可欠です。
というのも、汚染水は、今も増え続けていまして、タンクの汚染水は100万トンに達しようとしています。
多くは浄化されていますけれども、このトリチウムだけは取り除けず、政府の専門家会合は、基準以下に薄めて海に放出する方法が最も安く短期間にできるとしています。
最終的には東電がどうするか判断しなければなりませんが、風評被害を心配する福島の漁業者は、東電の言うことは信用できないと、強く反対しています。
どんな方法を取るにせよ、福島の人たちとの間で、信頼関係なしには先へは進めないわけです。
しかしこの1年も、メルトダウンの隠蔽問題が明らかになるなど、信頼回復はなかなか進みません。
そこで東電は、廃炉作業とは別に、3万人を超える全社員が福島の復興支援活動に参加することで、信頼回復につなげようとしています。
先月、その活動に同行しました。
この日、社員が集まったのは、今月末に避難指示が解除される見込みの浪江町のお寺です。
帰還を目指す住職夫妻の片づけを手伝います。
作業は必ずおわびのことばから始まります。
本堂は6年近く手がつけられていませんでした。
社員たちは使えなくなった仏具などを外へ運び出します。
また隣の自宅からも、布団や洋服などを運び出します。
まだ使えそうに見えますが、事故直後は放射線量が高かったため、処分せざるをえないといいます。
こうした活動を始めた当初、社員たちはよく東電は絶対に許さないと言われたといいますけれども、最近は逆に励まされることもあるということで、住職夫妻も東電にはよくしてもらっているというふうに話していました。
社員一人一人の誠意は伝わりつつあるように感じました。
しかし、信頼の回復は基本的なことができて初めて成し遂げられるものです。
それは原発の安全をきちんと確保し、正確な情報を速やかに出すということです。
ただその後も東電は、使用済み燃料プールや、原子炉の冷却が作業員のミスで停止するトラブルを続けて起こしました。
しかもトラブルの地元への通報が遅れ、福島県への謝罪を繰り返しています。
東電は技術的な基準で、判断することが多く、福島の人たちが冷却機能停止をどれだけ不安に思うのか。
廃炉作業をどんな思いで見ているのかという視点が足りないと思います。
廃炉の本当の困難はこれからです。
常に福島の人たちの立場に立って、その気持ちを考えながら、この先の廃炉作業を急がなければなりません。
2017/03/07(火) 23:55〜00:05
NHK総合1・神戸
時論公論「原発事故6年 廃炉を加速させるには」水野倫之解説委員[字]
福島第一原発の事故から6年。現場では溶けた燃料の調査が始まったが内部の状況はまだつかめていない。廃炉を加速させるためには何が必要か考える。
【出演】NHK解説委員…水野倫之
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この11日には、また原発事故のことが地デジ大マスゴミでも取り上げられるのだろうか。
1月後には、また忘れ去られるのだろうか。
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