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原発解体、遠い道のり 核燃料搬出、再び延期
「作業開始は2018年度の中ごろになる」。1月26日、記者会見に臨んだ東電の増田尚宏・福島第1廃炉推進カンパニー最高責任者は苦渋の表情でこう語った。この日、3号機のプールで保管する核燃料の取り出し開始時期を、目標としていた「17年度中」から先延ばしにすると報告した。工程の延期は2回目だ。
原子炉建屋の上部にあるプールに1500体超残る核燃料の搬出は福島第1原発の廃炉、つまり設備の解体を進める大前提の作業だ。通常の原発の廃炉だと優先的に取りかかる工程だが、福島第1では強い放射線が行く手を阻み、準備段階から課題が山積する。
現在、撤去を終えたのは4号機のみ。事故時に停止中で原子炉には核燃料がなかったことが幸いし、14年に1535体のプールの核燃料を地上に降ろし終えた。
今月3日、福島第1原発で高台から1〜4号機の建屋を望んだ。かつてはその奥にある太平洋の青と白で統一されていた外観は、事故の影響や搬出準備の進捗から、各号機ごとに全く異なる光景を見せている。
準備が先行する3号機は水素爆発で山積みになったがれきが撤去され、建屋上部は平らになった。今年には核燃料の搬出に使う機器の据え付けの開始までこぎ着けた。
それでも東電が工程を再延期せざるを得なかったのは、放射線量を下げるのに予想以上の時間がかかったからだ。今夏には核燃料をつり上げるクレーンなど主要設備の搬入を始めたい考えだ。
2号機の搬出作業の開始目標は20年度中だ。水素爆発が起きた1号機では放射性物質の飛散を防ぐカバーが全て取り外され、約5年ぶりに姿があらわになった。大量のがれきが積み上がり、事故の爪痕を色濃く残す。
2号機は爆発が起きず外観は健全だが、核燃料の搬出には建屋上部を切り崩す必要がある。これまで準備作業は手付かずだったが、周囲には高い足場が設けられた。具体的な作業方針を決めるための調査用だ。
1、2号機ともがれきの撤去と建屋上部の切り崩しが大きなハードルだが、すぐには作業に取りかかれない。放射性物質を含むちりが飛び散る危険があるためだ。今はプール周辺の状況を調べるスタートラインに立った段階だ。
さらに、実際の取り出しには遠隔操作の新たな機器が必要となる。1〜3号機で地上に核燃料を降ろし終えるのは、まだまだ先のことだ。
[日経新聞2月18日朝刊P.32]
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