http://www.asyura2.com/16/genpatu47/msg/421.html
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大沼安史さんが紹介されている火葬における被ばくに関する論文記事です[1]。
-------(原文引用ここから)----------
http://www.irpa.net/irpa10/cdrom/00833.pdf
P-5-296
Cremation of Corpses containing Bone-seeking Radionuclides following Medical Treatment
Mary G Aerts
Radiation Health Section, Health Department of Western Australia, Locked Bag 2006, Nedlands, Western
Australia 6009 E-mail: radiation.health@health.wa.gov.au
Keywords: radioactive corpse, cremation, strontium-89, bone-seeking radionuclides
Use of bone-seeking radioisotope therapy is now in routine clinical use as an effective palliative
treatment of bone metastases in selected patients.
Strontium-89 therapy is not normally administered unless the patient has a life expectancy of at least 3
months. However, the patient may die before this time. Also, with high uptake in skeletal metastases, it can
take up to a year for decay of the strontium-89 to 1 MBq (the IAEA Exempt Quantity). Storage of such a
corpse is impractical given the 50.5 day half-life.
Monitoring of several cremations in Western Australia of corpses with estimated strontium-89 activities
ranging from 20 to 90 MBq and analysis of the radioactive content of the “ashes” (which are in fact finely
pulverised bone) has established that most, if not all, of the strontium-89 remains in the bone fragments after
cremation. This gives rise to contaminated bone dust during the processing of the cremated remains and to
contamination of furnace, tools and working area.
A UK report (NRPB-M193, 1989) calculated minimal committed doses to crematorium workers from
the processing of a corpse containing 200 MBq strontium-89. The figures however depended on assumptions
of low dust levels in the immediate working environment, which may not be met in all crematorium situations.
Measurements of inspirable dust in the working environment of Western Australia’s main
crematorium have shown that dust levels can exceed the ACGIH Threshold Limiting Value of 10mgm-3
although with the most recently installed exhaust system, the assumptions of lower dust levels as used in the NRPB report
are applicable. Nevertheless, certain basic handling procedures by the crematorium workers are deemed
desirable during the processing of the remains from such cremations. It is also most desirable to prevent
cross-contamination of other cremation ashes.
There is also the question of release of the processed ashes to the family when these contain
radioactive material in excess of regulation Exempt Quantities. Some storage of the ashes for radioactive decay
may be involved, depending on the family’s intention for disposal. Consideration of the international Transport
Regulations may also be required.
A system of notification of the administration of bone-seeking radioisotope treatment and of the
subsequent death of these patients, has been developed in Western Australia, so that these precautionary
measures can be implemented where appropriate.
-------(原文引用ここまで)----------
--------(和訳ここから)-------------
医学療法により骨親和性放射性核種が含まれる遺体の火葬
メアリー・G・アーツ 西オーストラリア保健省・放射線健康部門
骨親和放射線療法は、選ばれた転移性骨腫瘍患者に対する効果的な緩和治療として
現在では普通に臨床使用されている。
ストロンチウム89(Sr-89)療法は、余命が3ヶ月以上と期待される患者でないと通常は行なわれない。
しかし、患者が早く亡くなることもある。また骨格転移における高摂取により、Sr-89が1Mベクレル
(IAEA許容量)に減衰するまで1年もかかる場合がある。半減期は50.5日であるから遺体の保管は
現実的でない。
西オーストラリアにおけるSr-89が20-90Mベクレル含まれていると推定される遺体数例の
火葬のモニタリングと、遺灰(細かく粉砕された骨)に含まれる放射性物質の分析から、
すべてではなくとも大半のSr-89は火葬後の骨粉に残ることが判明した。
これは、遺灰処理の段階で汚染された骨粉を生じ、また火葬炉や器具類、作業場の汚染を引き起こす。
英国の報告(NRPB-M193, 1989)では、200MベクレルのSr-89を含む遺体を火葬した場合の
火葬作業員の最低被ばく量を計算している。
しかし作業現場が塵埃量が少ないという仮定に依存しており、必ずしもすべての火葬環境には
当てはまるものではない。
西オーストラリアの主要火葬場の作業環境における吸入しやすい灰塵の測定は、
最近備えつけられた排気システムを使い塵埃量がNRPB報告よりも低いという仮定が適切としても、
塵埃量はACGIH しきい値限度量10mg/m3を越える可能性があることを示している。
それにもかかわららず、火葬場作業員によるいくつかの基本的な作業手順は、
そういった火葬から生じた灰を処理中は、望ましいと考えられている。
また他の遺灰と混じらないようにすることが最も望ましい。
法の規制値を超える放射性物質を含む場合、遺灰を遺族に渡すことも問題である。
遺族が遺灰の処分を希望するかどうかにより、放射性物質の減衰を待つための遺灰の保管場所が
問題となろう。国際的な輸送に関する規制も必要となるだろう。
骨親和放射線療法の適用とそれに続く患者の死亡を通知するシステムは西オーストラリアで
開発済みであり、こういった予防的手段は適切なところで講じることが可能だ。
--------(和訳ここまで)--------------------
ストロンチウム89を使った転移性骨腫瘍の疼痛治療薬「メタストロン」の問題点については
以前投稿しました[2][3]。
ストロンチウム89は、医療用放射性物質としては半減期が約50日と長く、1000分の1に減衰するのに
1年半近くかかります。
投与後ほどなくして亡くなった遺体を火葬すれば作業員や遺族が被ばくする恐れがあります。
この論文によれば、オーストラリアはその危険性を認識し対策を講じているということです。
もちろん日本は何もしていません。
メタストロンの使用を認可するにあたり、火葬作業者や遺族の被ばくを避けるため
火葬や遺骨の管理ついて規制をする必要がありますが、例によって何の配慮もしていません。
もっとも福島原発事故後は、長寿命核種のセシウム137やストロンチウム90などに汚染された
遺体の火葬で火葬場はすでにひどく汚染されていることでしょう。
高汚染地域には、体に線量計を当てると反応するほどひどく内部被ばくをしている人が
当たり前のようにいます[4][5][6]。
こういった方が亡くなって荼毘に付されれば、体内に蓄積されていたセシウムは燃えて気化し、
さらに細かい微粒子になって拡散します。
バグフィルタでもセシウムを半分しか除去できないことが判明しています。
またこの論文によればストロンチウムの大半は遺骨・遺灰に残るということで、灰塵を吸い込む
危険性もあります。
骨上げはしっかりマスクをして行なうべきでしょう。
火葬場のそばには住まないほうが無難です。
少なくとも子供は絶対火葬場に連れて行くべきではありません。
遺骨・遺灰も300年間はきちんと管理する必要があります。
散骨は禁止すべきです。
自然界に撒かれれば動植物が吸収濃縮し、最終的に人間の体にはいります。
火葬、遺骨・遺灰の管理がいい加減なら、放射性微粒子がある人を内部被ばくで殺し、火葬後
飛散してまた別の人の体内にはいって命を奪う、いわば連続殺人を許すことになりかねません。
まあこういう指摘をしても、愚劣極まる政府には馬耳東風、何もしないでしょう。
たとえ火葬場関係者が何人亡くなっても、いつもの通り知らんぷりでしょう。
(関連情報)
[1] 「『火葬被曝』リスクが表面化 ―― ◎ 骨親和放射線療法(ストロンチウム89)を受けた
転移性骨腫瘍患者の火葬遺灰(骨)の残留放射能問題、オーストラリアで研究報告 /
英国でも火葬作業員の遺灰ダスト呼吸被曝で報告」 (机の上の空 大沼安史の個人新聞 2017/1/17)
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2017/01/post-c593.html
[2] 「とても安全とは思えないストロンチウム89の静脈注射」 (拙稿 2015/10/13)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/129.html
[3] 「末期がん患者が元気になる「メタストロン治療」の実力とは (日刊ゲンダイ)」 (拙稿 2016/2/8)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/810.html
[4] 「茨城県日立市在住の男性のお腹から高線量の放射線を出していた方が死去 (まっちゃんのブログ)」
(阿修羅・赤かぶ 2013/5/19)
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/620.html
[5] 「放射性物質で汚染された食材を食べ続けた挙句、大腸を切断 (猫飯は浜の薫りプロダクション) 」
(拙稿 2015/2/17)
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/849.html
[6] 「(衝撃の事実)今度は女性の身体から放射線 急死しないことを祈る (猫飯は浜の薫りプロダクション)」
(拙稿 2015/11/1)
http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/248.html
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