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関電、原発軸の戦略継続へ
美浜3号機の運転延長認可 費用増や訴訟リスクも
原子力規制委員会は16日、稼働から40年前後となる関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県)の運転延長を認可した。関電は延長に必要な安全対策工事費を現時点で1650億円と見積もる。完了は2020年春以降で、実際に再稼働すれば月35億円の利益改善効果を見込む。原発軸の戦略を続ける考えだが、美浜3号機の工事費が膨らむ可能性があるなど、不透明な要素も多い。
関電は早期再稼働で電力自由化を乗り切る考え(福井県美浜町の美浜原発3号機)
規制委が運転から40年前後となる老朽原発の運転延長を認めたのは、今年6月の関電高浜1、2号機(同)に続き2例目。美浜3号機の延長認可について、森中郁雄・関電原子力事業本部長代理は16日、報道陣に対し「現時点では(再稼働は)採算は取れる」との見方を示した。工事にかかる追加費用などを精査したうえで、再稼働の是非を最終的に判断する。
関電は福島第1原発事故後の原発の長期停止に伴う業績の悪化で2度、電気料金を引き上げた。火力発電用の燃料安などで16年3月期は5年ぶりに黒字を計上したものの、電気料金の高止まりが響き顧客流出が続く。
4月の家庭向け電力自由化に伴い、10月末時点で約42万件の顧客を大阪ガスなどの新規参入者に奪われた。企業や工場など大口顧客の離脱もあり、16年4〜9月の販売電力量は614億キロワット時と前年同期比で5%減り、販売電力量は26年ぶりの低水準となった。
収益の改善、競争力回復には原発の早期再稼働が欠かせないとして、関電は4月に策定した中期経営計画でも、管内のほとんどの原発を再稼働させ、26年までに経常利益を3000億円以上にするとの目標を掲げた。
高浜1、2号機も再稼働に向けた安全対策工事を実施中。運転差し止めの仮処分を巡って現在裁判で係争中の高浜3、4号機の再稼働も実現させて、電気料金を引き下げ、競争力を確保したい考えだ。さらに大飯3、4号機(同)の再稼働に向けた規制委の安全審査にも「全力を投じたい」(森中原子力事業本部長代理)としている。
ただ、関電が描く通りにすんなり美浜3号機が再稼働し、収益貢献に結びつくかどうか、不透明だ。月35億円利益改善するとすれば、1650億円とする安全対策費用は4年でペイできる計算になるが、最近の建設コストの上昇を踏まえれば、工事費はさらに膨らむ可能性がある。稼働期間は最長で16年程度になるが、規制委で審査中の大飯3、4号機に比べると利益改善効果は小さい。
高浜3、4号機のように差し止めを求める訴訟リスクもある。関電の岩根茂樹社長は8月、福井県美浜町で「永続的に原子力事業を続ける」と宣言しているものの、一筋縄にはいきそうにない。
老朽原発 運転延長定着か
関西電力高浜原子力発電所1、2号機(福井県)に続き、同社の美浜3号機(同)も運転延長が決まった。原子力規制委員会は稼働から40年を超える運転延長は非常に難しいとの姿勢を崩していないが、相次ぐ認可で実現への道筋が示された。今後は、稼働40年が近づく日本原子力発電の東海第2原発(茨城県)や関電大飯1、2号機(福井県)などが焦点となる。
規制委の田中俊一委員長は16日の記者会見で、美浜3号機の運転延長認可は「(関電が)相当の困難をクリアするように努力した」と話した。関電が2015年11月に運転延長を申請、規制委は重要機器が延長に耐えられるかを審査してきた。一時は今月末の認可期限に間に合わず、廃炉の可能性もあったとされる。
東京電力福島第1原発事故後に導入した原発の運転期間を定めたルールでは、40年を超える原発の運転は「例外的」という位置づけだった。田中委員長は「規制サイドとして要求すべきことは要求している」と強調するが、合格へのひな型ができたことで、今後は運転延長が定着する可能性がある。
[日経新聞11月17日朝刊P.13]
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