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(左から)東京電力の勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長
<福島原発事故>東電元会長ら3人を強制起訴…業過致死傷罪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160229-00000021-mai-soci
毎日新聞 2月29日(月)11時47分配信
2011年の東京電力福島第1原発事故を巡り、東京第5検察審査会から起訴議決を受けた東京電力の勝俣恒久元会長(75)ら旧経営陣3人について、検察官役に指定された弁護士は29日、業務上過失致死傷罪で東京地裁に在宅のまま強制起訴した。検察審の起訴議決に基づく強制起訴は全国9例目。公判で旧経営陣はいずれも無罪を主張するとみられる。【山下俊輔】
他に起訴されたのは、武黒一郎(69)、武藤栄(65)の両元副社長。事前に争点を整理する公判前整理手続きが行われる見通しで、初公判は来年以降にずれこむ可能性がある。公判では旧経営陣が大津波と原発事故を予見できたか、対策を講じれば事故を回避できたか−−などが争点になる。
東電は08年、政府の地震研究機関の予測に基づき、第1原発の想定津波を最大15・7メートルと試算した。第5検審は昨年7月、この試算を踏まえ、旧経営陣3人について「万が一にも発生する事故に備える責務があり、大津波による過酷事故の発生を予見できた。原発運転停止を含めた回避措置を講じるべきだった」と起訴議決した。3人は事故を未然に防ぐ注意義務を怠り、福島県大熊町の双葉病院から避難した入院患者44人を死亡させ、原発でがれきに接触するなどした東電関係者や自衛隊員ら計13人を負傷させたとした。
事故後、避難者らが旧経営陣や事故対応に当たった政府関係者を告訴・告発したが、東京地検は計42人全員を不起訴とした。審査の申し立てを受け第5検審は14年7月に3人を「起訴相当」と議決。再捜査した地検が15年1月、再び不起訴としたが、第5検審が起訴議決した。地裁が選任した指定弁護士5人は約半年かけて補充捜査を行ってきた。公判も担当する。今後は通常の刑事裁判と同じ手続きが進む。業務上過失致死事件は裁判員裁判の対象とはならない。同様に告訴・告発され不起訴になった旧経済産業省原子力安全・保安院元幹部と東電実務担当者ら計5人についても東京第1検審が審査している。
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