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[2016 米大統領選]トランプ氏指名なら「クリントン氏に投票」
共和重鎮 アーミテージ氏明言
【ワシントン=吉野直也】リチャード・アーミテージ元米国務副長官は11月の米大統領選の共和党候補に不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が指名された場合、本選では民主党候補の指名の可能性が高いヒラリー・クリントン前米国務長官(68)に投票する考えを示した。日本経済新聞との会見で明らかにした。
アーミテージ氏はブッシュ前政権時代の国務副長官をはじめ米政府の主要外交ポストを歴任した知日派の重鎮で、共和党内では主流派に位置づけられる。
アーミテージ氏は米大統領選の本選で「もし私がトランプ氏とクリントン氏を選択できるとしたら、クリントン氏に投票するだろう」と明言した。その理由として「トランプ氏の発言や行動には軽蔑の感情しかない」と説明した。
「トランプ氏が大統領になる可能性はあるが、明らかなのは共和党員の60%以上、今では3分の2がトランプ氏を支持することができない」と指摘した。そのうえで「多くの共和党員は少なくとも外交政策で、トランプ氏ではなく、クリントン氏に投票するだろう」と述べた。「もしトランプ氏が大統領になれば、危険な人物を政府の様々な地位につけるだろう」との懸念も指摘した。
アーミテージ氏は「日米関係のためにも(トランプ氏よりも)クリントン氏だ」と力説した。「彼女は一生懸命働くし、仕事を知っている。多くの人は彼女に好感を持っていないかもしれないが、彼女が有能でないという人は誰もいない」と述べた。トランプ氏については「多くの人は好ましく思っていないし、どの程度の能力があるかも確かではない」と語った。
現在、共和党の候補指名争いに出ている保守強硬派のテッド・クルーズ上院議員(45)にも「軽蔑の感情しかない」と批判した。
一方で主流派のマルコ・ルビオ上院議員(44)やオハイオのジョン・ケーシック州知事(63)を評価。「本当に評価しているのはケーシック氏だ」と述べた。
Richard L.Armitage 米国の知日派の重鎮。主要外交ポストを歴任後、2001〜05年に国務副長官を務めた。米海軍兵学校卒。70歳。
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〈解説〉主流派に手詰まり感
【ワシントン=吉野直也】アーミテージ氏の発言の背景には、米大統領選をめぐり共和党の主流派が抱く強い危機感がある。「いずれは失速する」とみていたトランプ氏が候補指名争いで首位を走る一方、期待するルビオ氏は撤退の瀬戸際に立たされているからだ。その手詰まり感が大統領選の本選での離反という選択肢につながっている。
追い込まれた主流派が最後に託すのは指名獲得に必要な代議員の過半数獲得を阻止し、党大会まで決着を持ち越すことだ。1回目の投票はほぼ各州の予備選・党員集会の結果通りだが、過半数に達しなければ、2回目は変更が可能だ。この2回目にトランプ氏以外の候補を担ぎ出す戦略だ。
最大の問題は、トランプ氏の有力な対抗馬が見当たらないことだ。党内では保守強硬派のクルーズ氏に対してもトランプ氏同様に拒否反応がある。半面、候補指名争いで敗北した候補を改めて担ぐのは、それなりの建前と大義が要る。
米国の二大政党制は、ふたつの政党が政策を戦わせて展開する政治を前提としている。共和党員が党候補に投票しないことを検討するような現実は制度の行き詰まりも意味する。過激な発言を繰り返し、非現実的な政策を掲げてもなお支持されるトランプ氏の旋風は、制度の根幹を揺さぶる事態にも発展してきた。
[日経新聞3月11日朝刊P.7]
- 米産業界、トランプ氏憂慮 関税や移民政策を問題視 あっしら 2016/3/15 03:53:00
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