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古舘「アラブの富裕層の一部が、西側に牙を剥く過激な組織に援助。”献金”という名まである現実が…」〜チェニジア襲撃/報ステ
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/297.html
投稿者 仁王像 日時 2015 年 3 月 20 日 20:07:57: jdZgmZ21Prm8E
 

 (昨夜の報ステ)

〔チェニジア襲撃 日本人3人死亡 テロリストの狙いは…〕

 宮田律(現代イスラム研究センター)「アンサル・シャリーアという組織はリビアとチェニジアにまたがって活動している。ということは北アフリカ一帯にイスラム過激派のベルトが出来ているということ。アルジェリアで日本人が犠牲になった事件でもマリのアンサル・シャリーアという組織が関わっていたとされる。イスラム過激派の活動がより広範囲に活発になっている」

 宮田「これらの組織はジャスミン革命後に、貧困層の救済活動などやっていた。また自分たちの大義のため、寄付をしてくれる人を募っていた。また地球温暖化ということもあり、これらの地域の農地が減ってきて職のない人たちも増えてきたいる。イスラム世界全体に人口増加ということもある。それに見合うだけの職が供給できないという問題がある。チェニジアの場合も貧富の格差が広がっている。今回、外国人の観光客が狙われたが、彼ら過激派からみれば、外国人は贅沢していてるという気分もあったと考えられる」

 宮田「政治では、穏健なイスラム勢力も野党化していって、イスラム勢力が後退しているのではないかという危機感もあったと思う。やはり、欧米が今、イスラム国を空爆しているなど、欧米の軍事介入への反発もあるし、外国人の観光客に対してチェニジアという国は、1980年代から時折テロが起きていた。欧米の観光客が考えている対イスラム観がイスラムの価値観を冒している(肌の露出等)、それらに反発する階層がチェニジアではずーっと活動してきた」

 宮田「過激派が目指すものは同じだと思う。イスラム教は平等を訴えるものだが、現実の世界はそうは行っていない。国民の間に経済格差はあるし、政治は権威主義的、独裁的な政治が行われたり、欧米の軍事介入があったり、またイスラエルが昨年7月、ガザを攻撃しても欧米はそんなに批判の声を上げなかった。そういった欧米のダブル・スタンダードみたいなものに対する反発が、非常に広い層にあって、(その中の)一部の人たちが自分の理想や理念を暴力で訴えるということだ。支持がそんなに多くはないと思うが。感情的な部分では広く共有されてきたことはあると思う」

 古舘「献金ということですが、こんな事件を起こすとこのグループへの献金のランクが上がるということはあるのか」
 宮田「1980年代のアフガン戦争(ソ連からみ)の頃から、湾岸アラブの富裕層が、あのような武装集団の活動にお金を与えてきた。彼らはイスラムの大義に則っているということでである。そういう感情は現在までずーっと続いていることだと思う。やはり欧米の軍事介入への憤り、あるいはイスラエルのパレスチナ人への仕打ち(入植地の拡大、ガザ攻撃等)といったものに対する反発は、アラブの富裕層の中にも共有されるわけだ。彼らと感情的に共有する部分がある限り、そういったお金の流れは出てくるのではないかと思う」

 古舘「どの国ということではなく、アラブの富裕な国、西側とうまく寄りついて商売している国の中の富裕層の一部が、結果的には西側に牙をむいてくる過激な組織に援助している、献金という名まであるという現実があるということですね」

 (関連)
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/287.html#c2

・冷戦期と違うのは、代理戦争を戦う側にとってスポンサー国が多数あり、よりどりみどりである点だ/ロレッタ・ナポリオーニ
 http://www.asyura2.com/13/dispute31/msg/244.html
 >≪一夜にして敵味方が逆転する今日の代理戦争≫
 冷戦期と違うのは、代理戦争を戦う側にとってスポンサー国が多数あり、よりどりみどりである点だ。しまも、スポンサー同士の利害は一致していない。シリアでは、どんなジハード集団にとっても、資金援助をしてくれる主体を見つけるのはそうむずかしくない。ある意味で、スポンサーは選び放題だ。冷戦期には、選択肢は二つしかなかった。アメリカかソ連である。しかし世界が多極化すると、スポンサーがあちこちに現れると同時に、代理戦争自体も変質し、何か博打のようになっていった。  

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